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エフゲニー・ネステレンコの「ボリス・ゴドノフ」 [オペラ録音・映像鑑賞記]

ボリス.jpg 連休の最終日に『ボリス・ゴドノフ』(DVD)を観ました。リムスキーコルサコフ編曲バージョン。

 ボリスはエフゲニー・ネステレンコ。めちゃくちゃお金かかってそうな絢爛豪華な舞台でした:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

 ロシア・オペラを全曲通して鑑賞したのは初めてなのです。仰々しくて退屈かと思っていたのですが、実際は全然そんなことなかったですね。音楽はキャッチーで美しいし、演劇としても大変楽しめる内容でした。(ボリスがキョドるシーンはかなりウケたし)

 それにしてもアレだ、バスの宝庫ですな~このオペラ。

 主人公ボリスは言うまでもなく、美味しい役ドコロはみ~んなバス(´∀`)! バスを脇のお爺さん扱いにしてるヨーロッパとは感覚が違うのですね。もちろん、偽ジミトリーのような若者役はテノールですが、このキャラはイタリアオペラでならむしろバリトンが担当するのではないかと思われます。シュイスキー公もそうですよね。

 主なテノールは腹黒く、バスのボリスが悩める胸の内を真摯に語る。主がバスで脇がテナー。バリトンの影がめちゃくちゃ薄いですが、バス声を引き立てるならやっぱりテノールなのでしょうね。私にとっては新鮮な取り合わせで、またここに新たな萌えを見いだしてしまいました(*´Д`)

 特に、舌先三寸でボリスを窮地に追い込むシュイスキー公。肉厚なテノールの美声が、呉の都督を筆殺した諸葛孔明みたいなイメージで、とってもとっても良かったデス~。

 んで、ボリスですが、ネステレンコさんも素敵ですが、私はやっぱりボリス・クリストフの声のほうが好きです。野蛮な男臭さと愛嬌を兼ね備えていて。

 ボリスによるボリスはアリア集に入っているのを聴いただけですが、お話も歌詞もわからないのにめちゃくちゃウケた心惹かれたものでした。最初に聴いたボリスがボリスのだったから、単に刷り込まれただけだという考え方もあるわけですが(笑)

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uunkurusii1.jpg ネステレンコの「うーん苦しい!」
 苦しそうに玉座を立って、よろめき倒れる図。
 権力への執着心と罪の意識との板ばさみに苦しむ老人の悲哀が感じられます。
 このままリア王とかも演れそうだ。



uunkurusii2.jpg ボリス・クリストフによる同シーン。EMIの『Great Opera Singers』より。
 さすがはボリス、大絶叫とともに盛大に玉座からダイブです。
 初めてこのシーンの抜粋を観たのがストーリーも楽曲も何も知らない頃だったので、一体何が起こったのか知りたくてジタバタしてしまいましたよ。それ以来ボリスの虜に……。

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コメント 6

TITLE: No Subject
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はじめまして。MIXIの足跡から辿って参りましたK16と申します。

バスは渋くて素敵ですが、やはりテノールと比べると地味になってしまうのが残念ですね。
ちなみに、僕が一番好きなバスのアリアは「外套の歌(ボエーム)」です。
何ともいえず、心に響きます・・・。
by (2006-11-07 12:08) 

しま

TITLE: K16さん、はじめまして
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mixiでは足あとのみで失礼しました。コメントをありがとうございます。

バスは地味だと思っていたのですが、決してそうではないことを「ボリス・ゴドノフ」で知りました。ホントにどの役も輝いていて、バスの魅力を再確認してしまいました!

「外套の歌」は私も好きです~。子どもの頃はその魅力に気づきませんで、「いい歌ジャン!」と飛びついたのは長じてからです。

バスの歌で他に好きなのは(あまり数を聴いてないのでよく知らないのですが)、「サムソンとダリラ」の老ヘブライ人の歌です。あれも地味めですが。あと、ドンジョの騎士長(@クライマックス)にも思い入れがあります♪

よろしければ、またいらしてください。
by しま (2006-11-07 23:55) 

K16

TITLE: ふたたびお邪魔いたします。
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コメントの返し、ありがとうございます。

「外套の歌」は楽器で演奏しても素敵でした。
大学オケ時代、ファゴットで吹いてもらったら雰囲気があって良かったですね。
自分はオーボエだったので、「星は光りぬ」とかで我慢?してましたが・・・。

「ドン・ジョバンニ」の騎士長の印象は、何といっても「ド~ン・ジョバ~ンニ~♪」って歌いだす最後の場面ですね。
石像が登場人物ってところもスゴイのですが(笑)。

バスのアリアではありませんが、男声の楽しさという事で、「メリーウィドウ」の「女!女!女!」なんて如何ですか?
オペレッタは見ても聴いても楽しいですよ。
by K16 (2006-11-08 01:08) 

しま

TITLE: オ、オペレッタですかっ!!
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むむむ、恥ずかしながら、オペレッタは食わず嫌いでほとんど聴いてないのです……(^^; 勝手なイメージですが、軽妙な感じがちょっとニガテで……すみません、「女!女!女!」わかりません;;;; バスじゃないとすれば、バリトンかテノールですか?(それかカウンターテナー・・・?)

と言いつつ、ブランク先生の歌っているオペレッタのCDを必死で探している私です(笑)

オーボエとファゴット、いいですね~。確かに「星は光りぬ」はオーボエが合っているかも。
by しま (2006-11-11 09:21) 

K16

TITLE: 言葉足らずでした・・・。
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ごめんなさい、言葉足らずでしたので、少し補足しますね。

既に調べられたかもしれませんが、「女!女!女!」は、メリーウィドウに登場する男性全員(6人?)が歌います。
テノールからバスまでの男声の掛け合い&合唱なので、個人的にはとても面白いと思います。

オペレッタは(観客が拍手できたり、アンコールにその場で何回も応えてくれたり)楽しいとは思うのですが、しまさんが想像されている通り、軽妙な感じがありますので、お気に召さないかもしれません。
でも、よろしければ聴いてみてください。

そういえば、僕が初めて聴いた男声低音は何だったかなぁ、と考えていたのですが、「夕鶴」の運ず&惣どでした。
「おい、あれ~が与ひょうの女房かぁ~」「そう~だ~」(笑)
by K16 (2006-11-11 16:10) 

しま

TITLE: ありがとうございます
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ははぁ、男性6人ですか。それは賑やかで楽しそうですね! 機会があったら聴いてみたいです。
「メリー・ウィドウ」は子どもの頃にテレビで観たような記憶があります。フレンチカンカンとかやるやつですよね。(←いやー、本当にこの程度の知識ですみません;;;)

「夕鶴」も、そういえば聴いたことがあります。小学校の授業(国語!)だったような。記憶ではソプラノですので、「おつう」ですかねぇ。

私の場合、人生初に聴いた男声低音はオーソドックスに石像の「どーんじょばぁぁぁぁんにぃぃぃぃ」です(笑) 歌手が誰かはわかりませんが、雷と地鳴りを合わせたような迫力ある声が忘れられません。
by しま (2006-11-11 23:17) 

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