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グロソップのルーナ伯爵 in 《イル・トロヴァトーレ》 [オペラ録音・映像鑑賞記]

 女性はホルモンバランスの加減によって、マッチョで野生的な外見の男性を好む時期と優しそうな感じの男性に惹かれる時期とが交互に訪れるんだそうです。以前、何かの本で読みました。

 「まさかぁ~」と思っていたんですが、ピーター・グロソップのムキムキ系の声に惚れて一ヶ月ちょい。振り返ってみると、確かに、アレンの繊細な歌唱にウットリする時期があったかと思えば、グロソップの筋肉質なお声にドキドキしたり。嗜好の振り子が、対極的な二つの歌唱の間を行ったり来たりしていたような気もします。

 そろそろ“生アレン”に備えて“コジ”のCDをトコトン聴き込んでおきたいと思うのですが、ワタクシのホルモンバランスはモロにグロ様week真っ只中なもので、空輸されたばかりの《イル・トロヴァトーレ》を鑑賞。'72年オランジュ音楽祭でのライブ映像で、グロソップは(当然)ルーナ伯爵を歌っています。

 嗚呼ようやく、好みの声でルーナを聴けます。エットーレ・バスティアニーニも野性味があって素敵なんですが、バリトンのくせに二枚目というか、やっぱ声そのものが洗練されてますよね。思いっきり動物園雄臭いバリトンを期待してヴェルディに手を伸ばすワタクシとしては、ゴリラっぽい(←おい)グロソップのほうが満足度が高いンですヨ。

 ゴリラって……もちろん“声”のハナシですよ?

grojago.jpg そりゃね、《オテロ》のイァーゴでは、
サンダーバードとか猿の惑星とか類人猿とか
さんざん言われましたケドね。

 この映像でのルーナは、結構イケてると思います(`・ω・´) シャキーン


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guroluna.jpg せいぜい

極悪なモンチッチ

ってトコロじゃないですかね?
※なんちゅーメイクしてんですか……;;;


 余談ですが、グロソップは1928年生まれですので、'23年生まれのブランクとほぼ同年代なわけですが、録音だけでなく映像もけっこう残っています。  ブランク先生だってフランス国内だけでなくスカラ座、ROH、サンフランシスコ等で歌っているんだし、せめて一本くらいライブ映像があってもいいのにと思うのですが、見つからないんですよね(海賊盤では存在するようですが)。
(↑07.06.11訂正。見つかりました!! しかも正規盤!)

 ところで、グロソップのルーナを聴く(見る)ためだけに手に入れたこの映像ですが、なにげにお宝だったようです。
 レオノーラはモンセラート・カバリエ、アズチェーナはイリーナ・アルヒポヴァです。

 特にカバリエの調子が良く、「恋は薔薇色の翼に乗って」や「ミゼレーレ」では素晴らしいピアニッシモが堪能できます。

 その後のルーナとの二重唱も軽やかで、ジョヴァネッティの指揮は全体的に大変テンポが速いのですが、カバリエは全く危なげなくこの難曲を歌いこなしています。

 大変そうなのはグロソップ。
 元々が重量歌唱ですし、このライブでは1幕から息継ぎでもたつく姿も見られ、微妙にカバリエに遅れをとっているのですが、まぁ最後には及第点を差し上げられるくらいに帳尻を合わせてきました。
 この「ガンバレ……!!(*´∀`*)」ってな鑑賞心理もファンとしてはたまりませんネ。

 まぁグロソップのルーナは、イァーゴほど魅力的ではないんですけれども、ぶっちゃけルーナ歌いとしては平凡かもしれないんですけども、個人的に大満足なコレクターズアイテムです。

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