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年配で低声な男性歌手 [オペラの話題]

 椿姫さんトコでいただいたコメントへのお返事なんですが、長々と語りたくなっちゃいました。ご迷惑だと思うので、自分ちで書きます。

 ハイ。年配で低声な男性歌手が大好きでありますっ。

 ……アレンを“低声”にカテゴライズするのは微妙なんですが、でもまぁ、テノールより低いことは確か。

 バリトン好きなのは生まれつきです(たぶん)。理由はよくわかりませんが、聴いていてドキドキする――自分が女性であることを自覚させられる、ちょっとセクハラされちゃったみたいなイヤ~ンな気分になるのは、バリトンと呼ばれる音域・声音だけなのです。
 「好み」というよりむしろ「性癖」。太くてデカい声であればあるほど、イヤ~ン度は増しますネ(*´∨`)

 何事にも「例外」とゆーのが存在しまして、アレンみたいなか細い声でもバリトンなんだから好きなんですヨ(`・ω・´)  ただやっぱ、イヤ~ンとはなりませんねぇ……。


 ついでに言うと、オペラ好きのご多分に漏れず、そのうち声楽とか習ってみたい人なんですが、自分の声がバリトンじゃなきゃイヤンです。
 歌ってみたいのは、ドン・ジョウ゛ァンニのセレナーデ♪
 まんがいちバスだったら、『エルナー二』のシルウ゛ァの「わしは不幸な男だ」とか歌いたいデス。
「いんふぇり~ちぇ…(*´Д`)♪」

 まぁ現実はメゾだと思いますので、アズチェーナでがむばりますか……(´・ω・`)

 って……、ここで本当に語りたかったのは「低声」のことじゃなくって、「年配」ってポイントについてだったのでした。

 もとい。

 「年配」
 ええ、まぁ……好きなんですけどね、オジサン。趣味嗜好というよりも、結果的にそうなってしまったと言うほうが正確でしょう。
 これは間違いなく、ワタシのオペラ鑑賞がほぼ全てCDに頼っているせいなんです。 CDですから、最初の出会いは“声”なんですよね。
 で、繰り返し粘着に聴くうちに「なんてステキなお方(*´Д`)」って想像もこ~んなに膨らんじゃって、もう後戻りもできなくなってからご尊顔を拝見したりプロフィールを知ったりするんですわ。
 で、妄想と現実とのあまりの落差に、一晩から長い時には一週間ほど寝込むことになる。
 
 ……というのは(半分くらいは)冗談ですが、こればかりはホント、仕方が無いです。容姿やプロフィールをチェックしてから声を聴いて、ファンになるかならないかを検討するってわけにもいきませんし。
 なにしろ、ワタシのオペラ鑑賞の中心はCDです。DVDも買いますけど、実はあんまり観ることはないんです。せっかく買っても、観るのは1枚につき1~2回というのが通常のペース。
 まぁ何事にも例外はありまして、アレンのDVDは少なくて2回、多いと6回くらいは観ています♪

 オペラを「演劇」の一種類として楽しむか、「音楽」の一ジャンルとして鑑賞するか。人それぞれだと思うのですが、ワタシにとってはオペラ鑑賞=音楽鑑賞なので、舞台でどのように上演されるかというのは全く問題ではありません。
 ストーリーにもあまり興味がなくて、恥ずかしながら「次々と変化のある歌を繰り出すために、便宜上用意されているモノ」程度の認識なんですね。
 でも何事にも例外はあって、ブリテンなんかはストーリーにもモロにハマる。リブレットとかも必死で読んじゃう。

 もしも「演劇」としても楽しんでいるのなら、もっと何度もDVDを観るし、劇場にも頻繁に足を運んで、その結果、現在活躍中の「若い」バリトンに目をつけて普通にファンになったりもするんでしょうけど。
 そもそもDVDも実演鑑賞もお金と時間がかかります。しがないサラリーマンのワタシにはなかなかつらいものがあります。というか、面倒臭い(爆)←これだから、真のオペラファンとは恥ずかしくて名乗れないのダ・・・。

 CDなら細切れの時間でも聴けますし、好きな部分だけを何度でも繰り返し聴けますし、“絵”がないから音楽や声そのものに集中できますでしょ。ホント、音楽さえ聴けりゃ何でもいい。もちろん“絵”があっても楽しいですが、見終わった瞬間、実は音楽なんてほとんど聴いちゃいなかったことに気付いて、ちょっと損した気分になります。

 逆に、CDを聴いている時は、“絵”がなくてもちっとも損した気分にはならないもので。
 ワタシと同じく「ほぼCD専門」という方でしたら、多かれ少なかれ共感していただけるのではないかと思います。(メラノさん、いかがですか?笑)

 若い歌手は録音も少ないから、CD専門のワタシの耳に触れる機会は圧倒的に少ないんですよね。好きな声なら収集もしたいし、となると、既にたくさんの録音が出ている大御所センセイ――リアルではおじいちゃんだったり、既に亡くなっている歌手――のファンになる以外に道は無い、というわけです。

 実を申せば、本来は「この人の歌をナマで聴きたい!」ともあまり思わないタチなんであります。だって面倒臭(以下、略)。

 ただ、何事にも例外はあるわけで、アレンのパフォーマンスだけは、この目と耳で直接体験したいと思うのです。オペラは言うまでもありませんが、叶うことなら、小さめのホールで歌曲を歌うアレンおじいちゃんをじっくり堪能したいです。
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northwest

TITLE: ボリス・ゴドノフの正規版
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しまさん、緊急連絡です。
私のブログにも書きましたが、エルネスト・ブランクとライモンディが出演する「ボリス・ゴドノフ」のLDがヤフオクに出ています。しかも、今日中で、現在1500円です。LDをお持ちかどうかわかりませんが、海賊版ではなく、多分これがブランクの出演する唯一の正規映像です。よろしければごらん下さい。
http://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w7548973
です。
by northwest (2007-06-09 18:35) 

northwest

TITLE: No subject
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すみません、訂正します。
明日の21時まででした。
by northwest (2007-06-09 20:47) 

Sardanapalus

TITLE: オペラは演劇か音楽か
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>年配で低声な男性歌手が大好き
低音好き同盟でも作りましょうか?(笑)私も、魅力的だな~と思う声域は絶対バリトン(そして中年以上多し)ですね!私の場合はキーンリーサイドが好きだということからも分かるように、ばりっとカツゼツの良い声が大好きです。

>オペラを「演劇」の一種類として楽しむか、「音楽」の一ジャンルとして鑑賞するか
私の中ではオペラ=「演劇」なので、劇場やテレビ中継やDVDで「見て」ナンボのものです。なので、演技で楽しませてくれれば多少(多少、ですよ^^)歌に難があっても「まあいいか」と思わされちゃいます。当然音楽も大切ですが、ストーリーとして面白くないと途中で挫折してしまうことが多いですねー。例えば、ワーグナーやブリテンはCDで聞いたら絶対聞き通せません(^_^;)

>小さめのホールで歌曲を歌うアレンおじいちゃんをじっくり
ならば、ロンドンのウィグモアホール(Wigmore Hall)がお勧めです!大体1年に2度のペースで登場していますし、内装の素敵なホールも絶対行く価値ありです。チケット代は大体最高で6000円くらいだったはずですが、やはりアレンは人気なので早めにネット購入するか、リターンチケットを求めて電話か当日並ばないと手に入らないかもしれません。とりあえず、今年はオペラ、来年はリサイタルという選択でいかがでしょう?
by Sardanapalus (2007-06-09 20:49) 

メラノ

TITLE: 同感です。
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やっぱりCDはいいですね~。
絵を描く時のBGMに最高です。
考えようによっては、私はかなりビジュアルにこだわるからこそCDを選んでのかもしれません。
You tubeをよく見るようになってからがっかりしたり、ホレなおしたりが色々ありました。
コルレッリはCDでよく聴いていて結構好きだったのですが、映像見てからヒュルルル~とひいてしまいました。見るんじゃなかったです。
(ファンの方居られたらすみません。)
反対に感心したのがティート・ゴッビ。リゴレット最高でした。
彼の出ているDVDは欲しいと思っています。
あ、バリトン歌うんでしたらルーナ伯爵やりたいです。どう考えても無理ですが(笑)
by メラノ (2007-06-09 23:58) 

しま

TITLE: No subject
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◇northwestさん
通報ありがとうございます!!(`・ω・´)  ああでも残念ながらLDは観られないんですよ~・゚・(つД`)・゚・
DVD化されないんですかねぇ。ライモンディだし、何かのきっかけで出るんじゃないかと淡く期待。
座っているブランク先生の映像だけじゃ、ファンとしてあまりに寂しいっす。

それにしても、何の役だろ? やっぱランゴーニかな。シチェルカーロフじゃさすがに屈辱。
先生は低音にも強いということで、セクシーなヴァルラームとか、どうかな?(←ホントにそうだったらどうしよう…!!)


◇サルダナさん
同盟、いいっすね~♪ そういや、ブログ始めてから知り合った方々のほとんどは低音好き、特にバリトン好きが多いです。意識してそうしているわけでもないのに、やっぱ類は友を呼ぶんですかねぇ。

もちろんテノールにも贔屓はいますが、なんだかんだでマッチョな声が好みです。ゲッダとかヴィッカーズとか。最近の人ならクーラとか。

>オペラは演劇か音楽か
舞台には興味ナシと言いながら、今日は演出で楽しめる“コジ”のDVDを(他人の財布で)観ました。コジは現代読み替え演出のほうが実は面白いのかも、です。
アルフォンソが若い(トレーケルでした)のにはちょっと引いてしまったんですけど。

>Wigmore Hall
あ、それ憧れ! アレンの歌曲CDで最もお気に入りなのもそこでの収録です。ツンデレとしては悔しいけど、リサイタルなんか行ったらマジ泣きしちゃうかも(*´Д`)
ヨシ、来年のために偵察してきます!


◇メラノさん
>ビジュアルにこだわるからこそCD
それ、あるかも。アレンのドンジョにはワタシもひゅるる~…となりました。なんか変、ってゆーか、キモイんだもん(つД`) それでもファンの名誉にかけてヴィジュアルも愛せるように自らを洗脳するんですけどネ(笑)
まず声に惚れて、ヴィジュアルも好みだったのは、ボリス・クリストフと、最近ではグロソップです。

ワタシもゴッビは映像つきがいいです~。彼はCDだけじゃ逆につらい(笑)
『偉大なるオペラ歌手たち』に収められている『ファルスタッフ』や『ジャンニ・スキッキ』は抱腹絶倒で、まさに「神」だと思いました♪
by しま (2007-06-10 01:47) 

アオイ

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>歌ってみたいのは、ドン・ジョウ゛ァンニのセレナーデ♪

私、あれ一番低い音だけ出ないんですよね、残念ながら。
シルヴァのアリア、大好きデス。というか、そもそもシルヴァのパート全部好きだー!

テノールに関しては、しまさんと趣味が逆です(笑)
テノールは神経質そうな、線の細い歌を歌う歌手が好き・・・。クラウスとかベルゴンツィとかシコフとかサッバティーニとか(笑)
最近ではヴィラゾンが一番好きですが、この人はドミンゴ系ですね。

あ、そもそも私「オペラは音楽」派なんでした。
by アオイ (2007-06-10 12:51) 

しま

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>>歌ってみたいのは、ドン・ジョウ゛ァンニのセレナーデ♪
>私、あれ一番低い音だけ出ないんですよね

んじゃ、兄さんと同じですネ~(笑)
兄さんのドンジョ(DVD)は2枚とも低音がすこぶる不調なのでして、でもこのセレナーデは高めなので比較的楽そうに歌ってるんです。でもラストは下がって終わるので、かなり尻つぼみなのネ。

クラウスちゃんはワタシも好き。『ファルスタッフ』のフェントンとか。ロバート・ティアーもお気に入りです。か細い声のテノールはかわいいですね♪
by しま (2007-06-10 22:41) 

蘭丸

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よくアメリカではオペラは芸術の最高の形などと言いますが、自分にとってもオペラ=総合芸術なので音楽も大切ですが「絵」がないと全体の半分しか体験してないような感じになるので、しまさんとは逆でオペラのCDを殆ど持ってません。

オペラを音だけで聴くのはシーズン中、好きなオペラのMETの生放送と夏のバイロイト音楽祭の生中継位です。けど音だけだと確かに演技に惑わされないで、声だけに集中はできます。DVDも実演も日本よりは安いので、どうにか道楽を楽しめます。日本でのオペラ実演鑑賞は高すぎです。
by 蘭丸 (2007-06-11 15:18) 

しま

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◇蘭丸さん
そうそう、蘭丸さんのブログを初めて拝読した時、「ワタシと違ってDVDと実演の感想ばっかりだ~」と、ある種のカルチャーショックを受けました(笑)
ワタシも本来、オペラは「絵つき」で鑑賞するものだと思います。ワタシがCDばかり聴いているのは、オペラの後進国であった日本の一ファン(すなわちワタシの父ですが)の影響がすこぶる強いんだと(笑)
なんだかんだ言って、「オペラは外国の文化である」という感覚が頑固に根付いているのかもしれません。

>オペラ=総合芸術
それは本当にそうですね。ヴェルディ~プッチーニあたりを鑑賞していると、ハリウッド黄金期の映画を観る時と全く同じように気持ちが昂ぶるのを感じます。
(映画も、今やオペラと同じように、ある意味「行き着くところまで行き着いてしまった」感があるように思うのですが、いかがでしょうか)
by しま (2007-06-12 00:47) 

蘭丸

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映画も、今やオペラと同じように、ある意味「行き着くところまで行き着いてしまった」感があるように思うのですが、いかがでしょうか>

しまさんの言ってる意味を把握してないかもしれませんが、いろんなオペラハウスが今までと違って方向で新しいファンを獲得しながら固定ファンにも新鮮なオペラを与えるというのが少なくともアメリカのオペラハウスの課題みたいです。METのライブビューイングなどはその一例です。METの今度の総監督はオペラの外部者に演出を頼んでいるみたいです。
by 蘭丸 (2007-06-12 05:11) 

しま

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◇蘭丸さん
すみません、ちょっと安易な比較だったのかも>映画とオペラ
映画の発展と成熟の歴史はオペラのそれとよく似ている気がしたもので。ただ、映画はそのスピードが早すぎる…。

オペラは既に芸術として完成されていて、これ以上の発展を望むとするならば「新規顧客の開拓」に力を注ぐというのはやはり当然の流れですね。顧客が変わればニーズも変わり、オペラそのものも変わっていかざるを得ないと思うので。
そういう意味で、「行き着くところまで来た」のかな、と。これも過渡期なんでしょうね。

そういうオペラの今後を見据えるまたとない時代に生きているわけで、だからこそ自分も昔のCDばかり聴くんじゃなくて、現代の生のオペラに触れていきたいなと思ったりもします。
現代のオペラとちょっと昔のオペラと比べて、最も変化を感じるのは、音楽面よりも「絵」のほうですしねぇ。
by しま (2007-06-13 00:33) 

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