のび太 vs 歌のうまいジャイアン@《愛の妙薬》 [アレンの録音・映像鑑賞記]
《愛の妙薬》について語ります。(左上の予告テロップは全くアテになりません)
いや~ドニゼッティって天才じゃないかと(*゚Д゚) この演目を聴くたびに思います。
200年前のモノとは思えない、文句のつけどころの無い完璧なプロットもさることながら。
音楽そのものが笑えるからね。コレ、喜劇として重要。モーツァルトですら、音楽だけで笑いをとるところまではいってないっしょ。
私が最も笑えるのは、2幕のネモリーノの「人知れぬ涙」です。
“U~na~ furti~~va la~grima~~~♪”の後に、クラリネットだかが“チャ~ララ~~♪”と合いの手を入れるじゃないですか。
もう 演歌 そのものですよ。ここなんか。
さて、傑作オペラといえども、演じ手によって面白さの度合いは変わってきます。
やはりパヴァロッティとバトルのDVD(神の口からヨダレと固形物が飛び出すアレね)が最強に面白いので好きなんですが。
別の意味で笑える音源もございます。
コチラ↓
1976年、ROHでのライブ録音。
ネモリーノ :ホセ・カレーラス
アディーナ :林康子
ベルコーレ :トーマス・アレン
ドゥルカマーラ :ジェライント・エヴァンス そこ。
単にアレンのツンデレ語りしたいだけダロとか、
言わない。
しまタンの脳内……
ほかに何が?
いやいや、カレーラスがおりますた。
若くて健康だった頃の録音だけあって、これまた素晴らしいのですよ。
特に、お得意の“のび太くん唱法”が。
いや~カレーラスの歌唱って、どうしてこんなにオモシロイんでしょうか。
何を歌っても「うわぁぁぁんヽ(`Д´)ノ」って泣いているようにしか聴こえない(笑)
カレーラスの大ファンであるところの私の母に言わせると、その一生懸命っぽいところがたまらなくかわゆいんだそーです。
私なんぞはカレーラスのCDを聴くたびに、
「ダイジョブですか?」 「今からこんなに飛ばしてダイジョブですか?」 「このあと難しくなるけどホントにダイジョブですか?」 「アラ、成功しやがった(*゚Д゚)(←失礼)」
な~んてやるのが、最近の楽しみだったりするのですケド(*´∨`)
この人、音がフラフラするのでねえ、結構ハラハラするのです。
でもそれが、ネモリーノのキャラ的には大当たり。林靖子のアディーナとのコンビは、当時の人気だったとか。
そして、カレーラス@ネモリーノをリアルにイジメるのが、トーマス・アレンのベルコーレ。
いや~アレンの歌唱って、どうしてこんなに意地悪そうなんでしょうか。
年とってきたらそうでもなくなってきましたけど。若い頃の録音を聴くとね~、ジメジメ陰湿なんですよね~。声の響きが。
おまけに、これは年とった今でもそうですが、何か鼻につくのよね~。「オレ様って上手いダロ?」的なオーバーな歌唱が。
まぁ、兄さんの大ファンである私にとっては、「その自意識過剰な歌唱と演技がかわゆいのん♪」ってことになるんですヨ!!(`・ω・´) シャキーン
ゴホム。それはともかく。
この、のび太くんと、スマートで歌のうまいジャイアンの、ストーリを超越したリアルな闘いが笑えるのです。
ウタコさん的に言えば、相撲?
でも、二人とも声がか細い系だから、序の口とか序二段あたりのヒョロヒョロ相撲だと思ってください。パヴァ神vs大関ヴィクセルのような神々しい取り組みとは一味もニ味も違います。
■1幕
“Come Paride vezzoso porse il pomo...”:
ジャイアン登場するも、不得意な低音が始発のためか、歌いだしの声が聞こえねー!!ヽ(`Д´)ノ
既に喉の温まっているのび太、得意げに泣き声を響かせるも、勢いあまって音が外れる。
“Tran, tran, tran,... In guerra ed in amor”以下の、ベルコーレvsネモリーノの早口合戦:
「オレ様は声量より早口勝負だ」とばかり。ジャイアン含み笑いとともにダッシュ開始。ぐんぐんのび太を引き離し――と思いきや、ウワァァンヽ(`Д´)ノ!!と大泣きしながら追ってくるカレーラス。
ソロではモタつくくせに、意外に速いヨ!!(*゚Д゚)
“Adina credimi, te ne scongiuro...”以下の三重唱:
うわぁぁんヽ(`Д´)ノと泣くのび太の後ろで、“Andiam!!”(←たぶんね)とアディーナをせっつくジャイアン。まるで人さらいかのような極悪歌唱(*゚Д゚)
つか、恐い。これじゃまるで、デートDV。イメージ画像はコレ。
一幕フィナーレ:
ウワァァンヽ(`Д´)ノと泣くのび太。ジャイアンの声、合唱にかき消される。
(後日、ドミンゴvsヴィクセル盤を聴いたらバリトンのパート、ちゃんと聴こえた)
■ニ幕
“Venti scudi”:
のび太は相変わらずぐずり続ける。ようやく本調子のジャイアン、得意げに「プクク…」と低音を響かせるも、キャラは既に悪人そのもの。
“Qua la mano, giovinotto”
か細い男声による大声(?)合戦。つか、大して大声に聴こえないが、二人とも「ゼェゼェ…」と息をきらしている気配から推測。
な、なんて低レベルな!!(*゚Д゚)
しかも息の長さはジャイアンの負け。
つか、だめじゃん、ジャイアン……(つД`)
ちなみに、このCDでの大声大将は林康子オネエタマです(爆)
エヴァンスのパフォーマンスも一級品です。ライブ盤なので、彼のドゥルカマーラが登場すると場内拍手喝采です。この人の、全ての音を微妙に調子っぱずれにして歌う技術、すごいと思うわ。
演技がどうのこうのと言う前に、こういう歌唱の伝統を絶やさないで欲しいと願う、スタイリッシュ・オペラ反対派のしまタンです。
このCDではジャイアンベルコーレだったアレン兄さんも、今やドゥルカマーラ爺さんを演じるお年頃になりましたが……。
(←写真右。可愛げのカケラもないドゥルカマーラ)
その歌唱をチェックできてはいませんが。なんか、聴かなくても、どういうことになっていたかは想像がつく。
ジャンニ・スキッキと並んで、あまり聴きたくない役の一つに数えられるかもしれんです。ドゥルカマーラは。
いや~ドニゼッティって天才じゃないかと(*゚Д゚) この演目を聴くたびに思います。
200年前のモノとは思えない、文句のつけどころの無い完璧なプロットもさることながら。
音楽そのものが笑えるからね。コレ、喜劇として重要。モーツァルトですら、音楽だけで笑いをとるところまではいってないっしょ。
私が最も笑えるのは、2幕のネモリーノの「人知れぬ涙」です。
“U~na~ furti~~va la~grima~~~♪”の後に、クラリネットだかが“チャ~ララ~~♪”と合いの手を入れるじゃないですか。
もう 演歌 そのものですよ。ここなんか。
さて、傑作オペラといえども、演じ手によって面白さの度合いは変わってきます。
やはりパヴァロッティとバトルのDVD(神の口からヨダレと固形物が飛び出すアレね)が最強に面白いので好きなんですが。
別の意味で笑える音源もございます。
コチラ↓
1976年、ROHでのライブ録音。
ネモリーノ :ホセ・カレーラス
アディーナ :林康子
ベルコーレ :トーマス・アレン
ドゥルカマーラ :ジェライント・エヴァンス そこ。
単にアレンのツンデレ語りしたいだけダロとか、
言わない。
しまタンの脳内……
ほかに何が?
いやいや、カレーラスがおりますた。
若くて健康だった頃の録音だけあって、これまた素晴らしいのですよ。
特に、お得意の“のび太くん唱法”が。
いや~カレーラスの歌唱って、どうしてこんなにオモシロイんでしょうか。
何を歌っても「うわぁぁぁんヽ(`Д´)ノ」って泣いているようにしか聴こえない(笑)
カレーラスの大ファンであるところの私の母に言わせると、その一生懸命っぽいところがたまらなくかわゆいんだそーです。
私なんぞはカレーラスのCDを聴くたびに、
「ダイジョブですか?」 「今からこんなに飛ばしてダイジョブですか?」 「このあと難しくなるけどホントにダイジョブですか?」 「アラ、成功しやがった(*゚Д゚)(←失礼)」
な~んてやるのが、最近の楽しみだったりするのですケド(*´∨`)
この人、音がフラフラするのでねえ、結構ハラハラするのです。
でもそれが、ネモリーノのキャラ的には大当たり。林靖子のアディーナとのコンビは、当時の人気だったとか。
そして、カレーラス@ネモリーノをリアルにイジメるのが、トーマス・アレンのベルコーレ。
いや~アレンの歌唱って、どうしてこんなに意地悪そうなんでしょうか。
年とってきたらそうでもなくなってきましたけど。若い頃の録音を聴くとね~、ジメジメ陰湿なんですよね~。声の響きが。
おまけに、これは年とった今でもそうですが、何か鼻につくのよね~。「オレ様って上手いダロ?」的なオーバーな歌唱が。
まぁ、兄さんの大ファンである私にとっては、「その自意識過剰な歌唱と演技がかわゆいのん♪」ってことになるんですヨ!!(`・ω・´) シャキーン
ゴホム。それはともかく。
この、のび太くんと、スマートで歌のうまいジャイアンの、ストーリを超越したリアルな闘いが笑えるのです。
ウタコさん的に言えば、相撲?
でも、二人とも声がか細い系だから、序の口とか序二段あたりのヒョロヒョロ相撲だと思ってください。パヴァ神vs大関ヴィクセルのような神々しい取り組みとは一味もニ味も違います。
■1幕
“Come Paride vezzoso porse il pomo...”:
ジャイアン登場するも、不得意な低音が始発のためか、歌いだしの声が聞こえねー!!ヽ(`Д´)ノ
既に喉の温まっているのび太、得意げに泣き声を響かせるも、勢いあまって音が外れる。
“Tran, tran, tran,... In guerra ed in amor”以下の、ベルコーレvsネモリーノの早口合戦:
「オレ様は声量より早口勝負だ」とばかり。ジャイアン含み笑いとともにダッシュ開始。ぐんぐんのび太を引き離し――と思いきや、ウワァァンヽ(`Д´)ノ!!と大泣きしながら追ってくるカレーラス。
ソロではモタつくくせに、意外に速いヨ!!(*゚Д゚)
“Adina credimi, te ne scongiuro...”以下の三重唱:
うわぁぁんヽ(`Д´)ノと泣くのび太の後ろで、“Andiam!!”(←たぶんね)とアディーナをせっつくジャイアン。まるで人さらいかのような極悪歌唱(*゚Д゚)
つか、恐い。これじゃまるで、デートDV。イメージ画像はコレ。
一幕フィナーレ:
ウワァァンヽ(`Д´)ノと泣くのび太。ジャイアンの声、合唱にかき消される。
(後日、ドミンゴvsヴィクセル盤を聴いたらバリトンのパート、ちゃんと聴こえた)
■ニ幕
“Venti scudi”:
のび太は相変わらずぐずり続ける。ようやく本調子のジャイアン、得意げに「プクク…」と低音を響かせるも、キャラは既に悪人そのもの。
“Qua la mano, giovinotto”
か細い男声による大声(?)合戦。つか、大して大声に聴こえないが、二人とも「ゼェゼェ…」と息をきらしている気配から推測。
な、なんて低レベルな!!(*゚Д゚)
しかも息の長さはジャイアンの負け。
つか、だめじゃん、ジャイアン……(つД`)
ちなみに、このCDでの大声大将は林康子オネエタマです(爆)
エヴァンスのパフォーマンスも一級品です。ライブ盤なので、彼のドゥルカマーラが登場すると場内拍手喝采です。この人の、全ての音を微妙に調子っぱずれにして歌う技術、すごいと思うわ。
演技がどうのこうのと言う前に、こういう歌唱の伝統を絶やさないで欲しいと願う、スタイリッシュ・オペラ反対派のしまタンです。
このCDでは
(←写真右。可愛げのカケラもないドゥルカマーラ)
その歌唱をチェックできてはいませんが。なんか、聴かなくても、どういうことになっていたかは想像がつく。
ジャンニ・スキッキと並んで、あまり聴きたくない役の一つに数えられるかもしれんです。ドゥルカマーラは。
2007-11-21 00:24
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コメント(7)
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私も「愛の妙薬」を記事にしたことがありますが、完璧ベルコーレ無視してますね。(笑
アレンのベルコーレにゴジラこと林康子のアディーナ、そんな録音があるとは、吃驚です。
上の白黒の写真は左はラモン・ヴァルガスのようですが、右がアレンなんですか、全然わかりませんね。
↓ターフェルのプレスリー・ドゥルカマーラがなかなか面白いんですけど、ビデオクリップ見られませんでしたかしら?
http://blog.so-net.ne.jp/keyaki/2007-03-13
http://blog.so-net.ne.jp/keyaki/2007-03-15
by keyaki (2007-11-22 16:05)
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お久しぶりです、こんにちは。
私はカレーラスの歌を聴くとドキドキします。別にカッコよくてドキドキとか、かわゆくてドキドキというわけではなく……高音が引っくり返るんじゃないかとか、頭の血管がプチっといっちゃうんじゃないかしらこの人、という意味でドキドキします(笑)
ちなみに三大テノール物を家で鑑賞すると、パヴァロッティとドミンゴにはファンがつきますが、カレーラスにはファンがつきません……所詮私の家族ってことですよ。
by アオイ (2007-11-22 22:20)
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■keyakiさん
>完璧ベルコーレ無視してますね
ハハハ♪ 逆に《愛の妙薬》について書きながらアディーナを無視するのはウチくらいなもんかも(笑)
>右がアレンなんですか、全然わかりませんね
私も最初は「はァ!?(*゚Д゚)」って思ったのですが、よく見ると顔の輪郭とかちゃんとアレン。あと、この斜めった指立てポーズもアレンお得意のソレです(笑)
ビデオのご紹介、ありがとうございました。
■アオイさん
このCDでもハラハラドキドキものですが、でも声はかなりキレイに出てるよ~♪
by しま (2007-11-23 12:39)
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同じ視点からオペラを眺める人間として、今回の日記はものすごく笑えましたw
カレーラスねぇ、彼はいつも必死ですよね。
でも、あののび太っぷり、結構好きですw
がんばりすぎて音はずしちゃってるとことかw
カレーラス&ヌッチの妙薬は我が家にもあったんですが、&兄さんも存在したんですね。
今度探して聴いてみますw
by ぶどう (2007-11-24 01:30)
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■ぶどうくん
必死っぽさが伝わってくるのは、テノールの仕事としては正解ですよね。ゲッダニコライの何が「笑える」って、必死さが皆無でふてぶてしく聴こえるところだと思うのね。
ただ、カレーラスは「必死っぽい」を通り越してリアルに「必死」だからw
そーゆートコロ、大好き(笑)
>同じ視点からオペラを眺める人間として
そうなんですよねぇ。貴重な同士です。
つか、私はこーゆー聴き方しかできんの(´・ω・`) だから私的には大真面目w
by しま (2007-11-24 10:57)
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Keyakiさんblogの「愛の妙薬」ビデオクリップを見て、初めてオペラ全曲DVDを購入した人間です。
(こんなに面白いオペラ、どうして今まで誰も教えてくれなかったのよ~! と本気で思いました。
「椿姫」「ラ・ボエーム」あたりじゃ、わざわざ見てみたいなんて思えませんでしたから・・・;苦笑)
というわけでこれ、大のお気に入り演目なのですが、珍しく好みから外れた2005年のウィーン公演。
この公演、レオ・ヌッチがベルコーレ、ダルカンジェロがドゥルカマーラやってるんです。
で、年齢逆でしょ!? とずーっと思ってたのですが。
素人ながら、ご贔屓歌手を中心にバス、バリトンのレパートリーをつらつら眺めてるうちに、
・「ドン・ジョ」のレポレッロを歌える人はドン・ジョも歌えるけど、逆は成り立つとは限らない
・「フィガロ」のフィガロを歌える人は伯爵も歌えるけど、逆は上に同じ(「セビリャ」のフィガロは歌える)
という声域の関係がどうやらあるらしいということに気がつきまして。
そうか、ヌッチの声域が高くて、ダルカンジェロの声域が低いからこのキャスティングなのね、とやっと納得したところが・・・・。
ド素人の素朴な質問なのですが、あの、サー・アレンって、声域高い方のバリトンですよね?
バスのドゥルカマーラ歌えるんですか?
by 彩 (2007-11-25 16:04)
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■彩さん
>サー・アレンって、声域高い方のバリトンですよね?
>バスのドゥルカマーラ歌えるんですか?
………。
………。
………。
………ヒサンなことになっていたんだと思いますよ?
だからこの人のファンはやめられない(*´∨`)
by しま (2007-11-26 09:37)