好評ですね♪ -- “衝撃”の、《ジャンニ・スキッキ》演出詳細 [アレンのジャンニ・スキッキ(08年9月L.A.)]
※9/21演出詳細を追記しました。
ウッディ・アレンの演出、だいぶ好評のようでして、次々と(似たような)レビューが出てます。「オペラ界の新星」とまで褒めちぎっている記事もありました。とにもかくにも、よかったです。
それにしても、《ジャンニ・スキッキ》の単独ではなく、一応《三部作》上演でありますのに、《外套》と《修道女アンジェリカ》の二作品はそれほど注目されず、終始「ウッディが」「ウッディが」という記事も多いです。
ウチのブログで応援しているじーちゃんだって、一応“デビュー”なんですが、そっちのほうは完全にスルーされていますぜw 確かに、直前のインタビューでも話題になっていましたが、芸達者なトーマス・アレンが、スキッキみたいなオイシイ役を歌ったことが無かったなんて、ちょっと意外ではあります。
何よりもまぁ、ウッディ・アレンは超有名人ですから、多くのレビューは映画ファンや一般向けに書かれたもので、トーマスのほうは「知らん!!」って人も多いだろうからなぁ。トーマス・アレンについて言及する際、わざわざ「(ウッディの)親戚ではない」とか、「もう一人のアレン」とかの枕詞をつけている記事もあってウケました。
で、そんなウッディ版《ジャンニ・スキッキ》の詳細。
写真からもわかる通り、現代読み替えですね。「舞台をナポリに移し替えた?」との説もありましたが、Los Angeles Timesでは"Updated to Florence in the 1960s"だそうですので(注1.)、リヌッチョの歌う「フィレンツェは花咲く木のように」との齟齬は無い、ということで良いでしょう。でなきゃ困りますもんねぇ。
(注1.9/21追記。レビューによっては40年代だったり20年代だったり、説がまちまち。舞台もフィレンツェ説やナポリ説が飛び交っており、要は「昔のイタリアっぽい感じ」を出したかっただけなのかもしれません)
アレン扮するジャンニ・スキッキはマフィアのボス。オールバックに小洒落た口ひげ、ピンストライプのダブルスーツと、ベタベタな扮装がそれだけでも面白いんですが、スキッキって「口を割ったら、おまーら、片手を切断するゾ」と親戚連中を脅しますんで、マフィアという設定もけっこう説得力がありますね。
(小指を詰めるっつー、ジャパニーズ・マフィアに通じるものが……w)
どうやらウッディの演出コンセプトは、古いイタリアン・コメディやマフィア映画へのオマージュ的なものなんだそうです。例えばリヌッチョの扮装は、マルチェロ・マストロヤンニのなんたらっつう映画からインスパイアされたとか何とか。その映画を知らないので「そうですか」としか言えないのですが、ウッディなら確かに、そういうこともするかもしれません。
ゴチャゴチャした舞台セットの中にも、いろんなお遊びが詰め込まれていそうですね。コリャますます見てみたいです。
※9/21追記
その他、ネットで拾った演出のディテールは以下の通り。(ソース:4KNBC.COM The (Neurotic) New Face Of Opera: Woody Allen)
そして、ここから先はちょっとネタバレなので、これからL.A.にこの舞台を観に行く方はお読みにならないほうがいいかもしれませんが――---------------------------
なんとラストで、ジャンニ・スキッキはツィータに刺されて死ぬのだそうです!!
先にご紹介したインタビューの締めくくりで、インタビュアーに「(ウッディの)コンセプトを信じているか」と問われたトーマス・アレンが「上手くいくと思う。時がたてばわかる」と答えていた――ような気がします(なにせ“心の耳”で聞いているのでw)。
なるほど、このことを言っていたのかもしれません。
「“ブー”されるのがこわいヨ~(つД`)」なんて言っていたウッディ・アレンですが、カーテンコールに現れずとも、こんなふうに「顔の見える」シゴトをやってのけるなんて、やはり只者ではないんですね。
この先、ウッディがオペラの演出をする機会があるのかどうかはわかりませんが、たとえこの《ジャンニ・スキッキ》が最初で最後であっても、長く記憶に残るのではないかと思います。
ウッディ・アレンの演出、だいぶ好評のようでして、次々と(似たような)レビューが出てます。「オペラ界の新星」とまで褒めちぎっている記事もありました。とにもかくにも、よかったです。
それにしても、《ジャンニ・スキッキ》の単独ではなく、一応《三部作》上演でありますのに、《外套》と《修道女アンジェリカ》の二作品はそれほど注目されず、終始「ウッディが」「ウッディが」という記事も多いです。
ウチのブログで応援しているじーちゃんだって、一応“デビュー”なんですが、そっちのほうは完全にスルーされていますぜw 確かに、直前のインタビューでも話題になっていましたが、芸達者なトーマス・アレンが、スキッキみたいなオイシイ役を歌ったことが無かったなんて、ちょっと意外ではあります。
何よりもまぁ、ウッディ・アレンは超有名人ですから、多くのレビューは映画ファンや一般向けに書かれたもので、トーマスのほうは「知らん!!」って人も多いだろうからなぁ。トーマス・アレンについて言及する際、わざわざ「(ウッディの)親戚ではない」とか、「もう一人のアレン」とかの枕詞をつけている記事もあってウケました。
で、そんなウッディ版《ジャンニ・スキッキ》の詳細。
写真からもわかる通り、現代読み替えですね。「舞台をナポリに移し替えた?」との説もありましたが、Los Angeles Timesでは"Updated to Florence in the 1960s"だそうですので(注1.)、リヌッチョの歌う「フィレンツェは花咲く木のように」との齟齬は無い、ということで良いでしょう。でなきゃ困りますもんねぇ。
(注1.9/21追記。レビューによっては40年代だったり20年代だったり、説がまちまち。舞台もフィレンツェ説やナポリ説が飛び交っており、要は「昔のイタリアっぽい感じ」を出したかっただけなのかもしれません)
アレン扮するジャンニ・スキッキはマフィアのボス。オールバックに小洒落た口ひげ、ピンストライプのダブルスーツと、ベタベタな扮装がそれだけでも面白いんですが、スキッキって「口を割ったら、おまーら、片手を切断するゾ」と親戚連中を脅しますんで、マフィアという設定もけっこう説得力がありますね。
(小指を詰めるっつー、ジャパニーズ・マフィアに通じるものが……w)
どうやらウッディの演出コンセプトは、古いイタリアン・コメディやマフィア映画へのオマージュ的なものなんだそうです。例えばリヌッチョの扮装は、マルチェロ・マストロヤンニのなんたらっつう映画からインスパイアされたとか何とか。その映画を知らないので「そうですか」としか言えないのですが、ウッディなら確かに、そういうこともするかもしれません。
ゴチャゴチャした舞台セットの中にも、いろんなお遊びが詰め込まれていそうですね。コリャますます見てみたいです。
※9/21追記
その他、ネットで拾った演出のディテールは以下の通り。(ソース:4KNBC.COM The (Neurotic) New Face Of Opera: Woody Allen)
Santo Loquastoによる舞台セットは背景にフィレンツェ大聖堂があり(※写真では確認できませんが…。by諸書別館)、色彩は(舞台に吊るされている洗濯物にいたるまで)黒・白・グレーで統一。色があるのは歌手の顔色と黄色いランプの灯火くらい。
ゲラルディーノ坊や(サージュ・ライアン、9歳)は、このドタバタ・コメディの要の一人。オトナたちに「ナイフで遊ばないように」叱られたり、ビールをこっそり飲もうとしたり、ユーモラスな演技で観客を魅了。
屋敷のあるじ、ブォーゾ・ドナーティ翁はたった今亡くなったばかりで、親戚連中はブォーゾの遺言状を探そうとやっきになっている。ベッドの下、遺体の下、はては遺体のナイトキャップの中まで調べまくり、ようやっと遺言状が出てきたのは何と、パスタのビンの中。
そして、ここから先はちょっとネタバレなので、これからL.A.にこの舞台を観に行く方はお読みにならないほうがいいかもしれませんが――---------------------------
なんとラストで、ジャンニ・スキッキはツィータに刺されて死ぬのだそうです!!
先にご紹介したインタビューの締めくくりで、インタビュアーに「(ウッディの)コンセプトを信じているか」と問われたトーマス・アレンが「上手くいくと思う。時がたてばわかる」と答えていた――ような気がします(なにせ“心の耳”で聞いているのでw)。
なるほど、このことを言っていたのかもしれません。
「“ブー”されるのがこわいヨ~(つД`)」なんて言っていたウッディ・アレンですが、カーテンコールに現れずとも、こんなふうに「顔の見える」シゴトをやってのけるなんて、やはり只者ではないんですね。
この先、ウッディがオペラの演出をする機会があるのかどうかはわかりませんが、たとえこの《ジャンニ・スキッキ》が最初で最後であっても、長く記憶に残るのではないかと思います。
2008-09-21 00:03
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写真としまさんの解説で、いろいろ想像をめぐらせてます。
洗濯物をつるしているのがナポリの定番だし、マフィアは、シチリアってことで、場所を変えたか、と思いますね。フィレンツエェにはその昔、数ヶ月滞在したこともありますが、洗濯物を吊るす習慣はなかったかも.......
私も音だけでも聞きたいのですが、まだ出ません。ジュネーヴの《ドン・カルロ》は、あっというまに2つもアップされたのに....やっぱりアメリカということがちょっとネックかな。再放送を待つしかないかもです.....
《ジャンニ・スキッキ》は、昔のスカラ座のをLDで見ただけで、あとは、全部パスだったんですが、今年は、スカラ座のはグリゴーロが出ていたので見ましたし、ダブル・アレンのもぜひとも見たいですね。
普通は三部作として上演の場合は、指揮と演出は全部同じなのが普通ですよね。あとの2つはフリードキンだったのかな。
ところで、さっき、オペラCHICに行って吃驚、エリンギじゃない、ピーター・グロソップさんのお写真が....
エェーーーー亡くなったって.....
http://www.telegraph.co.uk/news/obituaries/2712488/Peter-Glossop.html
by keyaki (2008-09-11 08:18)
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しまさん ウッディ・アレンの演出面白そうですね!
最後に++が**されるのも、どういう展開になっているのか興味をそそります。
でもそういうのもあってウッディ・アレンは
>「“ブー”されるのがこわいヨ~(つД`)」
なんて言っていたのでしょうね。
スキッキも田舎者のオヤジではなく、ピンストライプのスーツなんか着ちゃって胡散臭そう~(笑)、なるほど古いイタリアン・コメディやマフィア映画へのオマージュですか。
オペラに興味のない観客層にもアピールしそうな、新鮮なプロダクションのようですね。私もこの演出見てみたいです。
by straycat (2008-09-11 08:53)
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今回の「三部作」はウディー・アレンが演出すると発表されて以来、期待されて話題になってたのでトーマス・アレンの事が余り書かれなくてもしょうがないでしょう。自分としてはプラシド・ドミンゴがオペラの外の人に演出をさせたのが嬉しいです。LAは映画の中心地なのでこれからもハリウッドの影響が出てくるでしょう。
by 蘭丸 (2008-09-11 13:59)
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このダンディーなインイキおやじ(?)があのじーちゃんだとはとても思えないんですけど・・・。
ほんとにあのじーちゃん??
すごいな、特殊メイクって・・・。
by ぶどう (2008-09-11 20:39)
TITLE: keyakiさん
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■keyakiさん
>洗濯物をつるしているのがナポリの定番だし、マフィアは、シチリアってことで、場所を変えたか、と思いますね。
なるほど、そういうことなんですね!
洗濯物を吊るすのって、なぜかイタリアっぽいイメージがあるんですが、場所によって違うなんて面白いですねぇ。
>ジュネーヴの《ドン・カルロ》は、あっというまに2つもアップされたのに....
ヨーロッパの公演だし、出演者もいいしってことで、注目度も違うんでしょう。ウッディで話題になっても、音だけでは演出はわかりませんし。
まぁ、何かの折に聴けるでしょう。と、根拠のない楽天主義。
>あとの2つはフリードキンだったのかな。
はい、フリードキンでした。もしも《外套》と《アンジェリカ》もアレンが手がけたのなら、どんなふうになったんでしょうねぇ。悲劇の中に皮肉をいっぱい散りばめるとか…?
そしてそして、グロソップのこと、知らせてくださってありがとうございます。
たまたま出勤前にこちらのコメントを読みまして(普段はその時間には見ないのに)、通勤中に携帯でOpera Chicさんの記事を読みました。
とても残念です。80歳ですから、どこかで覚悟はしていたんですけどね…;;;
by しま (2008-09-11 22:35)
TITLE: straycatさん
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■straycatさん
>ウッディ・アレンの演出面白そうですね!
ですよね♪
私も当初は、トーマスのほうばかりが気になっていたんですが、詳細を知るにつけウッディの演出に興味津々です。
もう何度でも言っちゃうけど、映像化して欲しいわ~。
>なるほど古いイタリアン・コメディやマフィア映画へのオマージュですか。
らしいです。でも、「心の目」で読んでいますので、違っていたらゴメンナサイね(笑)
トーマスじーちゃんがこのプロダクションに参加してくれて、ファンとしても嬉しいです。胡散臭いアレンって大好き♪
by しま (2008-09-11 22:44)
TITLE: 蘭丸さん
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■蘭丸さん
こんばんは。
>トーマス・アレンの事が余り書かれなくてもしょうがないでしょう。
ウッディ・アレンですもん、比べ物にならないですよね。こちらもネタでブーたれているだけですよって、ご心配なく(^^;
>オペラの外の人に演出をさせた
これって大切なことですよね。芸術は守りに入ったら終わりですから。
by しま (2008-09-11 22:52)
TITLE: ぶどうくん
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■ぶどうくん
こんばんは。お引越しはまだ?
>あのじーちゃんだとはとても思えないんですけど・・・。
アレンって化けるんですよ・・・。私も初見ではビックリしたんですけどね。
心の目をかっ開いて、よ~く拝んでごらんなさい(*´∨`) エヘン
by しま (2008-09-11 23:01)