《ドン・ジョヴァンニ》@新国立劇場 12/7 [オペラ実演レポ]
新国立劇場の《ドン・ジョヴァンニ》を鑑賞。
私、コレ、ほんっと~うに期待していなかったんですが、期待していなかったのが功を奏したのか、それなりに楽しむことができたのが収穫でした。
何を期待していなかったって、ルチオ・ガッロです。実際はけっこう気に入ったのでよかったのですが、当日までは「ガッロ? 知らん!!」ってな状態でして(爆)
ヴァランシエンヌさんに、「ほら、クーラとグレギーナの《マノン・レスコー》でレスコー兄だった人ですよ」と教えていただき、私、そのレスコー兄もあまり良い印象を持っていなかったもので、ますます「どーでもいいや」モードに入ってしまって(爆)
実際、幕が上がってからも「シラ~…;;;」としたままで、いまいち乗りきれなかったのです。歌もまずくはないし、ごく普通にドンジョを歌っているのねという感じなのですが、とりわけ光るものや目新しい部分は見当たらない。ワクワク感に欠けるな~と思っていたのですが、ツェルリーナを口説くあたりから次第に「これでいいのかな」と考え直しました。
実際、ガッロの歌唱も後半に行きしに精彩を放つようになってきたようです。2幕が始まったあたりからは、ついうっかり(?)笑い声を上げたりして、舞台上の出来事に集中できるようになっていました。
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思うに、ドン・ジョヴァンニというキャラクターには、奇抜さや新しさや深い洞察なんて付け加える必要はないのだと。普通に歌えさえすればじゅうぶんに魅力的なので、あまり欲をかかないほうがいいのです。
ガッロは本当に「普通に歌っています」という感じでしたので、はじめのうちは物足りなく、「なんかもっと、強烈なキャラにならんの?」なんて思いましたが、ジョヴァンニって元々はさほど強烈なキャラでもないのよね。モノにした女の数が尋常でないってだけで、本質的には現代のそこらへんにいる男性と変わりません。
行動に移すか移さないかは別として、酒と女に象徴される自由を追い求める“本能”は、大抵の男性には共感できるのでは? 殺人にしても、あれは不慮の事故ですからね(本人もけっこうクヨクヨしているではないですか)。ジョヴァンニは大犯罪者ではないんです。
最後の地獄落ちの選択も、要するに根性というか、肝っ玉の問題でしょう。18世紀なら、救済を拒むラストシーンはさぞ強烈だったかもしれませんが、現代人なら宗教心も薄れていますしね。特に驚くほどではないんです。
ガッロの歌唱と演技はさほど貴族的ではなく、少々俗っぽい感じがありましたが、その「現代人から見た普通っぽさ」が、かえってドン・ジョヴァンニというキャラクターに親しみやすさや愛嬌を与えていたと思います。“ちょいワル親父”とでもいいましょうか。ハンサムでもないのですけど、「こりゃ、モテるかもね」と思わせられるような。つまり、ジョヴァンニというキャラクターにリアリティを感じることができた、ということです。
ドン・ジョヴァンニがきちんと人間的なキャラとして下界に存在しさえすれば、ドンナ・アンナやドンナ・エルヴィーラ、ツェルリーナといった3人の女性も、より個性が際立っておもしろいです。
本音と建前の狭間で揺れるアンナ、恋愛依存症のエルヴィーラ(ジョヴァンニはセックス依存症ですから、この二人は本当に良いコンビ♪)、男性の地位とお金に一瞬だけ目がくらむツェルリーナ。彼女たちも、現代のどこにでもいる女性像です。
そのドンナ・アンナを演じたエレーナ・モシュク。6月の《椿姫》に引き続いて拍手喝采を浴びていました。私は彼女の歌唱はあまり好きではないのですけれども、確かに、ヴィオレッタよりはこちらのほうが合っているかも。
アガ・ミコライのドンナ・エルヴィーラは、まさに私の好みのタイプ。豊かな声色と正確な音程が素晴らしいと思いました。が、ちょっと声量不足、迫力不足でしたね。別の日の歌唱はどうだったのでしょうか。
女声陣でダントツによかったのは、高橋薫子のツェルリーナです。田舎のカワイイおぼこ娘といった感じで、声も若々しく輝いていました。
ドン・オッターヴィオのホアン・ホセ・ロペラは、残念ながら単調で退屈。まぁ大抵のオッターヴィオはこんなもんでしょう。アンドレア・コンチェッティのレポレッロは、ギリギリ及第点というところです。願わくば、もう少し演技が面白ければねぇ。
さて、演出なのですが、今回はちょっとボヤいていいかしら。
全体的な美術は素敵でした。幕開け、ジョヴァンニがアンナの部屋に忍び込むところはヴェネツィア風。レポレッロの漕ぐゴンドラに乗って登場します。ここもとっても美しかったし、ジョヴァンニが立つ食卓が次第に奈落に沈んでいく地獄落ちのシーンもドラマティックでした。
しかし、あの巨大な女性のマリオネットやチェスの駒のメリーゴーランドはいただけません。やりたいことはわかりますが、陳腐で見ちゃぁいられなかったワ…;;;
舞台セットのテイストとあまりにもちぐはぐで、とても残念でした。ハイセンスな美しさに重きを置くか、風刺的なシンボライゼーションを目玉にするか、どちらかに絞ればよかったのに。
ドン・ジョヴァンニのキャラクター設定と同様、この演目には過剰な意味付けも不要だと思うのですけど。まぁ、あれこれ手を加えたくなるってことは、それだけこの演目が人気があって、上演回数も多いことの証なのでしょう。
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2F バルコニー席より鑑賞 ⇒⇒⇒
モーツァルト 《ドン・ジョヴァンニ》 12/7 新国立劇場
【ドン・ジョヴァンニ】ルチオ・ガッロ
【騎士長】長谷川 顯
【レポレッロ】アンドレア・コンチェッティ
【ドンナ・アンナ】エレーナ・モシュク
【ドン・オッターヴィオ】ホアン・ホセ・ロペラ
【ドンナ・エルヴィーラ】アガ・ミコライ
【マゼット】久保和範
【ツェルリーナ】高橋薫子
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
私、コレ、ほんっと~うに期待していなかったんですが、期待していなかったのが功を奏したのか、それなりに楽しむことができたのが収穫でした。
何を期待していなかったって、ルチオ・ガッロです。実際はけっこう気に入ったのでよかったのですが、当日までは「ガッロ? 知らん!!」ってな状態でして(爆)
ヴァランシエンヌさんに、「ほら、クーラとグレギーナの《マノン・レスコー》でレスコー兄だった人ですよ」と教えていただき、私、そのレスコー兄もあまり良い印象を持っていなかったもので、ますます「どーでもいいや」モードに入ってしまって(爆)
実際、幕が上がってからも「シラ~…;;;」としたままで、いまいち乗りきれなかったのです。歌もまずくはないし、ごく普通にドンジョを歌っているのねという感じなのですが、とりわけ光るものや目新しい部分は見当たらない。ワクワク感に欠けるな~と思っていたのですが、ツェルリーナを口説くあたりから次第に「これでいいのかな」と考え直しました。
実際、ガッロの歌唱も後半に行きしに精彩を放つようになってきたようです。2幕が始まったあたりからは、ついうっかり(?)笑い声を上げたりして、舞台上の出来事に集中できるようになっていました。
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思うに、ドン・ジョヴァンニというキャラクターには、奇抜さや新しさや深い洞察なんて付け加える必要はないのだと。普通に歌えさえすればじゅうぶんに魅力的なので、あまり欲をかかないほうがいいのです。
ガッロは本当に「普通に歌っています」という感じでしたので、はじめのうちは物足りなく、「なんかもっと、強烈なキャラにならんの?」なんて思いましたが、ジョヴァンニって元々はさほど強烈なキャラでもないのよね。モノにした女の数が尋常でないってだけで、本質的には現代のそこらへんにいる男性と変わりません。
行動に移すか移さないかは別として、酒と女に象徴される自由を追い求める“本能”は、大抵の男性には共感できるのでは? 殺人にしても、あれは不慮の事故ですからね(本人もけっこうクヨクヨしているではないですか)。ジョヴァンニは大犯罪者ではないんです。
最後の地獄落ちの選択も、要するに根性というか、肝っ玉の問題でしょう。18世紀なら、救済を拒むラストシーンはさぞ強烈だったかもしれませんが、現代人なら宗教心も薄れていますしね。特に驚くほどではないんです。
ガッロの歌唱と演技はさほど貴族的ではなく、少々俗っぽい感じがありましたが、その「現代人から見た普通っぽさ」が、かえってドン・ジョヴァンニというキャラクターに親しみやすさや愛嬌を与えていたと思います。“ちょいワル親父”とでもいいましょうか。ハンサムでもないのですけど、「こりゃ、モテるかもね」と思わせられるような。つまり、ジョヴァンニというキャラクターにリアリティを感じることができた、ということです。
ドン・ジョヴァンニがきちんと人間的なキャラとして下界に存在しさえすれば、ドンナ・アンナやドンナ・エルヴィーラ、ツェルリーナといった3人の女性も、より個性が際立っておもしろいです。
本音と建前の狭間で揺れるアンナ、恋愛依存症のエルヴィーラ(ジョヴァンニはセックス依存症ですから、この二人は本当に良いコンビ♪)、男性の地位とお金に一瞬だけ目がくらむツェルリーナ。彼女たちも、現代のどこにでもいる女性像です。
そのドンナ・アンナを演じたエレーナ・モシュク。6月の《椿姫》に引き続いて拍手喝采を浴びていました。私は彼女の歌唱はあまり好きではないのですけれども、確かに、ヴィオレッタよりはこちらのほうが合っているかも。
アガ・ミコライのドンナ・エルヴィーラは、まさに私の好みのタイプ。豊かな声色と正確な音程が素晴らしいと思いました。が、ちょっと声量不足、迫力不足でしたね。別の日の歌唱はどうだったのでしょうか。
女声陣でダントツによかったのは、高橋薫子のツェルリーナです。田舎のカワイイおぼこ娘といった感じで、声も若々しく輝いていました。
ドン・オッターヴィオのホアン・ホセ・ロペラは、残念ながら単調で退屈。まぁ大抵のオッターヴィオはこんなもんでしょう。アンドレア・コンチェッティのレポレッロは、ギリギリ及第点というところです。願わくば、もう少し演技が面白ければねぇ。
さて、演出なのですが、今回はちょっとボヤいていいかしら。
全体的な美術は素敵でした。幕開け、ジョヴァンニがアンナの部屋に忍び込むところはヴェネツィア風。レポレッロの漕ぐゴンドラに乗って登場します。ここもとっても美しかったし、ジョヴァンニが立つ食卓が次第に奈落に沈んでいく地獄落ちのシーンもドラマティックでした。
しかし、あの巨大な女性のマリオネットやチェスの駒のメリーゴーランドはいただけません。やりたいことはわかりますが、陳腐で見ちゃぁいられなかったワ…;;;
舞台セットのテイストとあまりにもちぐはぐで、とても残念でした。ハイセンスな美しさに重きを置くか、風刺的なシンボライゼーションを目玉にするか、どちらかに絞ればよかったのに。
ドン・ジョヴァンニのキャラクター設定と同様、この演目には過剰な意味付けも不要だと思うのですけど。まぁ、あれこれ手を加えたくなるってことは、それだけこの演目が人気があって、上演回数も多いことの証なのでしょう。
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モーツァルト 《ドン・ジョヴァンニ》 12/7 新国立劇場
【ドン・ジョヴァンニ】ルチオ・ガッロ
【騎士長】長谷川 顯
【レポレッロ】アンドレア・コンチェッティ
【ドンナ・アンナ】エレーナ・モシュク
【ドン・オッターヴィオ】ホアン・ホセ・ロペラ
【ドンナ・エルヴィーラ】アガ・ミコライ
【マゼット】久保和範
【ツェルリーナ】高橋薫子
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
2008-12-17 23:24
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コメント(12)
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こんにちは
またすれ違いだったみたいですね〜〜
>期待していなかった
同様です。だいたい過剰な期待は
的外れなことも少なくないわけで、
百害あって一利なしかもしれません。
わくわくどきどき興奮なんてことはなかったけど、
落ち着いて楽しめました。
ガッロは、テレビでの初体験フィガロが最高!でした。
そのせいかどうか、その後いくつか視聴した映像は
どれもあまり魅力的ではありませんでした。
新国では確か2度目ですけど、手堅い歌手さんという
感じで、彼の演じる役に燃えるなんてことはないですねぇ・・^^。
TBしますのでよろしくお願いします。
by euridice (2008-12-18 10:15)
さすがにしまさん、ドンジョ鑑賞歴がなが~いので(^^)鑑賞記も読みごたえがありました。楽しい思い出も、蘇ります(笑)
>酒と女に象徴される自由を追い求める“本能”は、大抵の男性には共感できるのでは?
あ~~そうかもしれませんね。だから、たいていの男性歌手…特に低音歌手は一度は歌ってみたい…と思うのかも。
7日はアンサンブルがいま一つだったような気がする+私はまだこの作品の真の良さが、わかってないように思うので、それらの検証のために?もう一回行ってもいいかなぁ…とか、ちらっと思ってもみたのですが、結局パスしました。
急がなくても、嫌でも長い付き合いになるでしょうから(笑)その都度少しずつ、理解が深まるといいかなぁ…な気分に振れてしまったせいもあるんですけどね。
次回未定のお喋り時には、今度こそ真面目にドンジョ語りしましょうね(^^♪
お付き合いして下さって、ありがとうございました!
by ヴァランシエンヌ (2008-12-18 10:16)
しまさんの感想お待ちしていました!
さすがしまさん、深いですね~。私など足元にも及びません(^^ゞ
私はジョバンニのエロスの淵を垣間見るような暗黒の部分・・みたいなのを期待していたので、それはお呼びではなかったのかもしれませんね。でも総じて歌には満足したので、来春また見るドンジョを楽しみに、またその時はどんな風に感じるか、じっくり鑑賞したいな~と思っています。
by straycat (2008-12-18 12:32)
いいなぁ、ドン・ジョヴァンニも行ったんですね~
最近、チケット取るのが億劫になって、すっかり新国と距離ができてしまいました(^_^;)
1枚目のガッロの写真、悪の帝王みたいでなかなかステキですね(笑)
これで普通な歌唱だなんて・・・。
ぼくはまだまだオペラに非日常を求めてしまいますが、しまさんのドン・ジョヴァンニ論深いですね~
ところで、とある有名歌手も経験済みのドン・ジョヴァンニ影の主役、マゼットはどうだったんでしょう・・・。
by ぶどう (2008-12-18 19:50)
euridiceさん>
別の日だったのでしょうか。残念ですね。
ガッロは予想に反して好感度が高かったです。やはり明るいタイプのドン・ジョヴァンニが私は好きです。旋律を聞いていても、深い悩みなんて無さそうですもんね。
>手堅い歌手さん
確かに、そういう印象でした。ハズレが無さそうで、良い感じです。
TBありがとうございました。
by しま (2008-12-18 23:24)
ヴァランシエンヌさん>
鑑賞歴は長くないですよ。出会ってからの年数が長いだけで、録音実演映像を問わず鑑賞経験は微々たるものです。
鑑賞記も、あまり考えずにダダーッと書いただけなので、お見苦しい部分も多いかと思いますが、推敲してない分、正直度は普段より高いかも(笑)
>たいていの男性歌手…特に低音歌手は一度は歌ってみたい…と思う
男性で、ドン・ジョヴァンニというキャラクターに眉をひそめる人は殆どいないんじゃないかと思うんですよね。
せいぜい「オレはそこまではしない(できない)けど…」って言うくらい?
アレンなんて「生まれ変わり」とまで言い切っていますから(痛)、モテたい願望が相当強いんじゃないですかネ(笑)
こちらこそ、お付き合いくださってありがとうございました。
次回は何に行きましょうか?
by しま (2008-12-18 23:35)
straycatさん>
>感想お待ちしていました!
ありがとうございます。遅くなってすみません。
でも、深いだなんてとんでもない。洞察が浅いからこんなことを言ってるんです。だいたい男性の心理を女性がしたり顔で語るなんて、それこそイタイですよね(笑)
>ジョバンニのエロスの淵を垣間見るような暗黒の部分
↑のようなタイプのジョバンニを得意とする歌手もいますね。昨今はそういう演出も多いですし。
私は単純なナンパ系ジョバンニが好みなんですが、アレンじーちゃんのドンは、あれこれこねくり回して中途半端に珍妙なモノになっていますよ。じーちゃんに駄目出しをする伏線としてこの感想を書いたようなものです(笑)
by しま (2008-12-18 23:46)
ぶどうくん>
>チケット取るのが億劫
私もです(爆) 月1鑑賞をノルマにしている手前、必死になってるだけでw
そうでもしないと、何もしないまま時が過ぎ去ってしまいますから。
ブログの更新もけっこう必死(笑)
ちなみに、私の感想は深くなんかないですよ。お世辞を言っても何も出ません(笑)
>とある有名歌手も経験済みのドン・ジョヴァンニ影の主役
意外とみんな経験してるんですよねー。そういう方々のマゼットは、時にレポレッロを食ってしまうくらいに輝いていますね。大物は若手の頃から大物なんでしょう。
でも、マゼットが上手だと、それだけでウケます。
久保和範のマゼットはよかったですよ。日本人らしい、マジメなマゼットで。
by しま (2008-12-18 23:57)
>アガ・ミコライのドンナ・エルヴィーラ
初っ端のアリアは、知ったかぶり風に言えば、中低音がオケに負けてましたが、あとは、気になりませんでした。
しまさんが、ガッロを知らないって....1990年代にはまだオペラを見てなかったんですね。モーツァルトイヤーで、BSで放送した、「フィガロの結婚」とか「ドン・ジョヴァンニ」でお馴染みでしたし、フィガロの結婚はウィーン国立歌劇場の来日公演でも持って来てますし。確かに、実力はあるけど目立たないタイプでしたけど。
TBしますので、承認お願いします。
by keyaki (2008-12-19 02:15)
keyakiさん>
nice!とTBをありがとうございます。
>しまさんが、ガッロを知らないって
ガッロに限らず知らないことだらけです。当時はオペラは好きでも今のように熱心なファンでは全然ありませんでした。
当時から今のテンションで好き&今のようにお金を稼いでいたのだったら、アレンのドンだって生で体験できたはずなんて思うと、とても悔しいのです。ふ~ぅ(←ため息)
by しま (2008-12-20 00:43)
こんにちは。
私は15日の平日マチネーにいってまいりました。
忙しかったのと、普通の演出との前評判があったもので、こちらもごく普通の気分でいどみましたが、どうしてどうして、大いに楽しみました。
でも、美しい舞台背景だっただけに、ご指摘のあのへんな人形やチェスはいらなかったですね。なにかやらなきゃすまない・・・という思いが演出家にはあるんでしょうかね?
ガッロはよかったと思います。強烈さはありませんが、明るい声は共感を覚えました。
声だけですが、威勢のいいミルンズや、知能犯のF・ディースカウ、それとハイティンク盤のアレンも好きですよ。
モーツァルトのオペラのバリトンロールは、どれも個性豊かで好きですが、ドン・ジョヴァンニにはやはり惹かれるものがあります。
>酒と女に象徴される自由を追い求める“本能”は、大抵の男性には共感できるのでは<
う~む、そういうことでございましょうな・・・・。
それと、二人の日本人は、外国勢より素晴らしかったのでは!
追)
新国の次期音楽監督・尾高さんは英国好きですから、ブリテンが楽しみです。ピーター・グライムズをいずれやる、といっておられますね。
by yokochan (2008-12-21 10:09)
yokochanさん>
ドンジョに過度な期待をしない、というのは、「ガッカリしたくない」「素晴らしい舞台を見せてほしい」という大きな期待の裏返しなのかもしれませんね。
「お、いいゾ♪」と思っても、即座にそれを「最高だ」「スバラシイ」とは言いたくない⇒「もっとスゴイ演奏・舞台があるかもしれない+(0゚・∀・) + ワクワクテカテカ +」みたいな。
少なくとも、今回の自分のテンションの低さは、そういう心理的な理由があったんだと、今になると思います。
結果的に、けっこう楽しめたドン・ジョヴァンニで、嬉しいです。
私もガッロの明るい声は好感度大大大♪でした。白いカツラも似合ってたし♪
ところで演出ですが、keyakiさんの感想記事のコメント欄でシャンティさんが教えて下さっているんですけど、「フェリーニのカサノヴァ」をイメージしたものなんだそうです。なるほど、それならわかるなーと思うんですが、それでも唐突さやチグハグ感は残るかなぁ。
個人的な趣味ですが、どうせフェリーニでやるのなら、思いっきり白塗りでグロくやらなきゃー。
>なにかやらなきゃすまない・・・という思いが演出家にはあるんでしょうか
こちらも「何かやったれー!!」ってな思いで観てますしねぇ。
難しいですが、何かを鑑賞するというのは共感できることだけが全てではなく、「好みに合わないYO!!」とボヤくのもまた楽しみなわけですよね。むしろ自分にとって新しい世界が開けるチャンスは後者にこそありますし。
>ピーター・グライムズをいずれやる
ホントですか~?(人´∀`).☆.。.:*・゚ 嬉しー!!!!
その時にはボルストロード船長役にぜひアレンを呼んで欲しいですワ~(←来日の夢、捨ててはいません)
by しま (2008-12-21 16:21)