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二つめの“動く”ブラン -- 《サムソンとデリラ》 チリ サンティアゴ市民歌劇場 [オペラの話題]

blangranpedre.jpe かなり以前になりますが、こちらの記事エルネスト・ブランが(たまたま)出演していたLD《ボリス・ゴドノフ》(ライモンディ盤)を話題にしたことがありました。

 これが唯一の“動く”ブランと思われていたのですが、灯台下暗し、YouTubeのこの映像にも(たまたま)ブランが映っていたのです!! またもやBasilioさんからの“通報”です。毎度ありがとうございます。

 '84年、チリのサンティアゴ市民歌劇場での《サムソンとデリラ》。

 ブランはお得意のダゴンの大司祭役ですね。

 右上の画像をクリックすると、該当のYouTubeページへ飛びます。
 画質がかなり悪いので絵を見ただけでは「本当にブランか?」と疑いたくなりますが、声を聴けば一目(耳)瞭然。ブランに間違いありません。

 前出の《ボリス・ゴドノフ》が'80年の収録ですから、更に新しい映像となります。
 なんと、御年61才!!

 若い頃にくらべて声量は落ちていますが、敵役とは思えない爽やかな声音は健在。“デレカント”なレガートも’62年にヴィッカーズゴールと組んだスタジオ録音での歌唱と変わりません。

 この歌い癖を“売り”としてきたブランですから。大司祭役も何度も歌ったと思いますが、何十年も同じ歌唱スタイルを貫いてきたんでしょう。ファンとしてとっても嬉しいです。

 映像の詳細はこちらです。ちゃんと正規盤。YouTubeに上がっているのはVHSだと思いますが、嬉しいことにDVDも出ているんですね。
 リージョンコードに阻まれるのでなければ、なんとか手に入れたいものです。
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 それにしても、チリのサンティアゴとは。世界的に活躍していたとのことですが、ヨーロッパ以外ではアメリカの都市名(サンフランシスコとか)がよく引き合いに出されていたのです。まさか南米にまで足を運んでいようとは。

 80年代ですから。ブランがまさに人気絶頂だった50~60年代でしたら、「世界」といったら普通に「欧米」を指したんだと思いますが。70才近くまで舞台に立っていたそうですので、オペラのグローバル化や、歌手の時代から指揮者の時代、そして演出の時代へと変化していくさまを肌で感じていたことと思います。

 さて、共演者のことも少し。
 この公演でサムソンを歌ったのはジルベール・ピーという人だそうです。

 Wikiによりますと、'33年生まれのフランス人。ドラマティックテノール、ヘルデンテノールとの事です。サムソンはもちろんのこと、オテロ、トリスタン、ジークフリート等を得意としていたみたいですね。

 チリのサンティアゴでサムソンを歌ったこともこのWikiの記事に書いてあります。

 Wikiでの扱いも大きいので、そこそこ有名な人だったのかも。でも、ここ日本では全く無名で、当然私も知らなかったし、名前を検索しても日本語のページはまったくヒットしませんでした。
 まぁ一昔前のフランス人歌手はそうですね。ブランにしても、亡くなってからはYouTubeにどさどさ動画が上がっていますが、ぐぐってみるとブランを取り上げている日本語のページはいまだに私とkeyakiさんちくらいです。

 録音は《カルメン》や《エロイアード》などフランスものが中心のよう。まぁ、せっかくフランス人ですものねぇ。


 デリラを歌うのはアン・ハワードという人だそうです。この人のことも全くわからなかったので、軽く日本語と英語でぐぐってみました。












4thdauter.jpg  エドワード4世の王女、サリー伯トマス夫人













 私はどうすればよいのでしょうか…。


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関連記事リンク
ブランク出演の『ボリス・ゴドノフ』@ライモンディ版の詳細


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コメント 8

Basilio

ピーについては調べようと思っていたの(を怠けていたの)で、教えていただいて感謝感謝です♪
仏国内では有名な方のようですね。結構イケメンだし、舞台映えしたのではなかろうか。

南米はあんまりイメージないですが、植民地時代に結構オペラの土壌ができてるようで、カラスもブエノスアイレスの舞台に立ってますし、ブラジルではアントニオ・カルロス・ゴメスという作曲家が『サルヴァトーレ・ローザ』とか『グァラニー』とかっていうオペラを作ってますよ。『ローザ』はヴェルディ風味の結構いい曲♪

ところで…わたくしブランのシチェルカーロフはまだ観れても聴けてもおりませんで…(泣)
by Basilio (2012-03-08 12:35) 

しま

■Basilioさん
さすが…既にピーに目をつけていらっしゃったとは。
私はウィキペディアしか見てないので、調べればもっと詳しいことがわかるかもしれないですね。
確かに、魅力的なサムソンです!!

>ブランのシチェルカーロフ
keyakiさんがYouTubeに上げてくださっています。と言ってもシチェルカーロフのアリアの部分はカットされていますが、金の玉(?)を持って立っているブランの立ち姿は見られます。
オカッパ頭がかわいいですよ。
http://youtu.be/1bFM5sr_kOE

この映像はkeyakiさんから頂いているので、ちと探してみますね。
たぶんHDのどこかに入れたはず…(←整理整頓されていない)
by しま (2012-03-08 21:56) 

Basilio

>ピー
ロンバール指揮クレスパンの『カルメン』に出てるとのことなので、ひょっとすると中古屋探せばあっさりこのアイテムは手に入るかもしれませんね。

>シチェルカーロフ
keyakiさんが上げてらっしゃるのは(私のほうで一方的に)存じ上げてましたが、シチェルカーロフのアリアがカットなので出てこないもんだとてっきり(^^;
家のPCがいま修理中なんで、それが直ったら見てみます!

>映像
すみませんです(>_<)ありがとうございます!
by Basilio (2012-03-09 13:04) 

しま

■Basilioさん
>ロンバール指揮クレスパンの『カルメン』に出てる
ふむふむ・・メモメモ・・
6年前はフランスのオペラ事情なんて全く知らなかったのに、なんだかんだで深みにはまってきました。

ブランのシチェルカーロフ、も少し待っててくださいね♪(金曜日が私の月曜日なもんで)。
そうそう、EMIのgreat opera singersにも動くブランがありますね。ひたすら座っているブランを眺めるという、これまたマニアックなアイテム・・
by しま (2012-03-10 01:57) 

Basilio

>シチェルカーロフ
ありがとうございます♪

ああ…なんでまたブランがいるのにこの部分…ってやつですねww
by Basilio (2012-03-11 12:18) 

しま

■Basilioさん
>ブランがいるのにこの部分…
そうなんですよねっプンプンッ
でも、座りながら足をモゾモゾやってる(痒かったのかな?)お姿にウケましたので、それはそれで貴重な体験ww

いや~こんなに思いっきりブランの話ができるなんて、至福です!!

by しま (2012-03-12 00:30) 

Basilio

>モゾモゾ
待ち時間が長すぎて腰が痛くなったんじゃない?ww

こちらこそ!
これまではほとんどおふくろとぐらいしかブラン・トークはできなかったので笑。
ただいま相方に布教中…
by Basilio (2012-03-12 23:40) 

しま

■Basilioさん
私もブラン・トークができるのは妹だけでしたので。
しかもネタにされるのが主でしたので(お前もだ!!というツッコミが聞こえてくるわけですがw)

ブランの評価がここ日本でももっと高まるといいですね~。ということで、せっせとブログで布教してます。
by しま (2012-03-13 00:22) 

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