《さまよえるオランダ人》@新国立劇場 3/14 -- スイッチとかキャスト交代とか地震とか [オペラ実演レポ]
ワーグナーってあんまり気乗りしないんですけど。
行ってきました。
なぜなら、この演目のタイトルロール、オランダ人は、私めの愛するエルネスト・ブランのレパートリーのひとつだからです。(⇒こちら参照)
そんなこと言ったら《ローエングリン》やら《タンホイザー》やらも行かなきゃいけなくなるわけですが、この先ずっとオペラファンを続けるつもりなら避けては通れない道ですし、《オランダ人》ならヴェルディ派でも大丈夫だと聞いていたので、初心者にはちょうどいっかなと思って。
まぁ私にとって最も重要なのは上演時間が長くないってことなのですけど。
一応、ワーグナーの実演を見るのは初めてではないんです。デビューはいきなりの《ジークフリート》と、翌月の《神々の黄昏》でした。ブログ休止中だったんで感想書いていませんけど。
どちらもそれなりに楽しめたんですが、楽曲を全く知らずに鑑賞したので、音楽がスル~っと耳を通り抜けてしまって、そこがちょっと物足りなかったんですよね。
なので、今回の《オランダ人》は、事前にちゃんとCDを聴き込んで、自分なりの鑑賞ポイントを固めてから観に行こうと思っていました。だってホラ、「あ~この旋律をブランも歌ったんだなぁ…」と感傷に浸りたいじゃないですか。
とはいえ、脳内が常にアドレナリンな似非ヴェルディアンとしては、この“予習”がけっこう大変だったんですよ。タワレコで「いちばん安い」CD買って、全曲1周するのにまる2日かかりましたからね。まぁ《マイスタージンガー》完聴に1週間を要したあの頃に比べれば成長したと思ってください(笑)
慣れたら普通に聴けるようになりましたけど、およそ3周めにして悟りました。
ワーグナーを聴く時は、テンションだの大声合戦だのオモシロ歌唱だのヴィブラートだのと言ってないで、ちゃんと芸術鑑賞しなくちゃダメってこと。お祭り騒ぎなヴェルディ・スイッチをOFFにする必要があるのですな。…って、ヴェルディをそんなアホな聴き方をしているのは私だけですけど。
--------------------------------------------
座席からの眺めはこんな感じ。
今回は3階のR1列で鑑賞しました。
ええ、モロにバルコニーです。
実は今日のチケットはネットオークションで格安で手に入れたのでして、「おそらく右側のすみっこだろうな~」くらいにしか思っていなかったのです。
特に座席表で確認しなかったあたり、私のテンションがそう高くはなかったことが伺えます。
今回の演出ではオランダ人がけっこう右サイドに立って歌いますので、この席だとちょっと見切れて残念でしたが、舵手の望月哲也は左側で演技することが多く、その点では良かったです。
手すりも視界にお邪魔なので席のランクはCなんですが、3階席といいながら実は2階席と同じ高さで、しかも舞台に近いので、お目当ての歌手をガン見するならうってつけの席です。
幽霊船がぐわーっとせり上がってくる光景も正面席ならそれは迫力あったと思いますが、船の舳先を斜め上から眺めるのもこれまた卑猥でなかなか興味深かったです。
さて、演奏ですが。
ワーグナー初心者の私がこんなことを言って良いのかわかりませんが、オケに特化して言えば、期待していたほどのドライブ感はありませんでした。《オランダ人》はその後の《マイスタージンガー》やら何やらに比べると、もともと音の厚みは少ないですが、大海原の波のうねりとか嵐とか、それこそベタベタな風景描写を期待していたわけです。
じゃ~ん、これぞワーグナー!! みたいな、良い意味で押し付けがましいドラマチックな演奏をです。なにしろ初心者なんでネ…(^^;
あえてそういう演奏を避けたのかもしれませんが、イマイチ盛り上がりに欠ける。平面的。“3D”じゃないんです。ヴェルディ・スイッチがあるように、ワーグナーにもワーグナー・スイッチがあるはずと思うんですけど…(←えっ、そうなの?)
それとも、これが《オランダ人》なんだろうか。先に《ジークフリート》とか観ちゃったから、こんなふうに感じるんでしょうか。
まぁ、幽霊船の舳先が不気味にせり上がってくるシーンは迫力があって良かったけど。視覚効果もあるんでしょうが、ワーグナーの音楽に演劇的センスを感じました。ヴェルディだとこうはいかん。
ただ、アレですね。ワグネリアンの方も《オランダ人》はどうも…と感じてらっしゃる方が少なくないようですけれども、なんとなくわかります。誤解を恐れずに言えば、中途半端ですよね。成りきれてない。いろんな意味で。蝶が孵化する前の蛹みたいなもの。
私もワーグナーを聴くなら、もっと後の作品がいいです(って、全曲完全制覇はマイジンだけですけどね)。
歌手は良かったと思います。
なにしろ初心者なので、ワーグナー歌いとしてどうのこうのと偉そうなことは言えないですけど、オランダ人のエフゲニー・ニキティン(ニキーチン)はなかなかの美声で。鐘のような…と言いましょうか。力強さと繊細さを兼ね備えた声でしたね。
歌唱は生真面目な印象です。声量はまぁまぁという感じでしたが、2幕ではかなりビンビンきた。
(オケについてもそうなんですけど、なにせバルコニーで聴いてますので、他の席とは聴こえ方が違うのかもしれません)
私の偏った好みでしたらこの役は「むくつけき中年男の大声で…」と言いたいところなんですが、でもこのお話はロマンスですからねぇ。ゼンタがその絵姿に恋をしてしまうくらいだから、オランダ人はやはり「美丈夫」でなきゃならんわけです。その点、ニキティンの声は役柄にハマっていたと思います。
容姿もカッコ良かったな。
どこかで「顔が大きい」とか何とか、私のツボを刺激してくださるような感想を目にしまして、どれどれ…と観察していたんですよ。
あいにく視力が悪いので、端正なお顔はあまりよく堪能できなかったんですが(後で新国の舞台写真を見て知ったの。めちゃんこカッコ良くてセクシーやん)、ええ、確かに大きいです。
というか、顔の大きさ。これって主役を張る歌手の必須条件だと思うんです。アレンもグロ様も、めちゃんこ顔おっきいでしょ!?
…と、話がどんどんズレてきましたが、とにかく、ニキティンは存在感があったと言いたかったのです。
私にはとっても卑猥に見えた船の舳先からあんなイイ男が登場するなんて、演出の裏の意味をあれこれと妄想勘ぐったりしちゃいましたよ。
えっと、元々の鑑賞目的であるところの、「所々をエルネスト・ブランの声に脳内変換しながら聴いてみる」というのもちょびっとだけやっちまいましたが(スミマセン…)。ブランの声もセクシーだし、悲哀感もあっていいけれど、どうしても“爽やかなオランダ人”になってしまって呪いもへったくれもなくなりそうです(笑)
ゼンタはジェニファー・ウィルソンという人。久々に「いかにもオペラ歌手っぽい」方でした(^^;
実は私、ゼンタのバラードが好きではない。というか、嫌い。かなり昔にTVで何かのガラ・コンサートをやってて、「ふぃ~~!! ふぃ~~!!」(←って聞こえるのよ)と繰り返す歌に身震いするほどの拒否感を持ってしまったことがあるのです。
その時は何の歌だかわからなかったのですが、今回の“予習”でその歌が出てきた時には「げっ、これだったのかっ!!」とかなり鬱になりました。
いえ、ワーグナーだから嫌いって言うんじゃないですよ。敬愛するヴェルディにも大嫌いなヤツあるし。ぶっちゃけ、”うんちか”の「ラタプラン」です。もうこれは生理的にダメ。"うんちか"そのものは好きですけど。
「ふぃ~」にしろ「ラタプラン」にしろ、多分、擬音をキモチワルイと感じてしまうんでしょうけど。
まぁヴェルディは置いといて、この嫌いなバラードをですね、ウィルソンが歌ったらそれほど嫌じゃなかったという…(笑) おそらくウィルソンの声に、いわゆる娘っ子らしい軽々しさがなかったからだと思います。たぶん。
舵手の望月哲也は元気いっぱい。この人も美声ですね。ピンッと張った強さがあるので、彼がもしエリックを歌ったら、トミスラフ・ムツェックとはまた別のキャラクターになるでしょう。
ムツェックのエリックはいかにもやぼったい漁師って感じで鬱陶しい。望月ならちょっとヒステリックな、これまた鬱陶しいヤキモチ男になるかな?(笑)
望月さんにはエリックを歌ってもらいたいというのもあるけど、私的にはマイジンのダヴィドがいいな。舵手もダヴィドも透き通った美声がはまる役でしょ?
ところで、3/14の公演はいろいろとハプニングがありまして。
まず、ダーラント役のディオゲネス・ランデスが体調不良で、2幕めからキャストが変更になったこと。確かに、1幕でのランデスは全然声が出ておらず、調子が悪いにもほどがあると感じていた矢先でした。
代役は長谷川顯で、この人に代わってからは重唱を聴くのにストレスが無くなりました。
そして21時を過ぎた頃、身体に響く小刻みな縦揺れ……と思っていたら、いきなり横揺れが襲ってきました。もちろん演奏中なんですが、ガガガッ…とかなり大きな音が響きました。一瞬オケが止まるかと思ったほど。ですが、すぐに何事もなかったかのように演奏が続けられ、歌手陣も平然としていました(そのように見えました)。
舞台がハネてから知ったのですが(入り口に張り紙があったので)、銚子と神栖で震度5強だったそうですね。
東京は震度3で、全然大したことはなかったんですけど。
ただ、バルコニーってけっこう揺れるんですね。地震は比較的平気なほうですが、あの地震からちょうど1年というタイミングだったので、さすがにちょっと焦りました。
演出についても語りたかったんですが、風邪ぎみなので今回はこれまで。
さぁて、来月は《オテロ》ですよ。
さんぐぅぇ!! さんぐぅぇ!! ひゃっほ~い!! (←ヴェルディ・スイッチが入った瞬間)
--------------------------------------------
【ダーラント】ディオゲネス・ランデス(1幕)、長谷川顯(2幕)
【ゼンタ】ジェニファー・ウィルソン
【エリック】トミスラフ・ムツェック
【マリー】竹本節子
【舵 手】望月哲也
【オランダ人】エフゲニー・ニキティン
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
行ってきました。
なぜなら、この演目のタイトルロール、オランダ人は、私めの愛するエルネスト・ブランのレパートリーのひとつだからです。(⇒こちら参照)
そんなこと言ったら《ローエングリン》やら《タンホイザー》やらも行かなきゃいけなくなるわけですが、この先ずっとオペラファンを続けるつもりなら避けては通れない道ですし、《オランダ人》ならヴェルディ派でも大丈夫だと聞いていたので、初心者にはちょうどいっかなと思って。
まぁ私にとって最も重要なのは上演時間が長くないってことなのですけど。
一応、ワーグナーの実演を見るのは初めてではないんです。デビューはいきなりの《ジークフリート》と、翌月の《神々の黄昏》でした。ブログ休止中だったんで感想書いていませんけど。
どちらもそれなりに楽しめたんですが、楽曲を全く知らずに鑑賞したので、音楽がスル~っと耳を通り抜けてしまって、そこがちょっと物足りなかったんですよね。
なので、今回の《オランダ人》は、事前にちゃんとCDを聴き込んで、自分なりの鑑賞ポイントを固めてから観に行こうと思っていました。だってホラ、「あ~この旋律をブランも歌ったんだなぁ…」と感傷に浸りたいじゃないですか。
とはいえ、脳内が常にアドレナリンな似非ヴェルディアンとしては、この“予習”がけっこう大変だったんですよ。タワレコで「いちばん安い」CD買って、全曲1周するのにまる2日かかりましたからね。まぁ《マイスタージンガー》完聴に1週間を要したあの頃に比べれば成長したと思ってください(笑)
慣れたら普通に聴けるようになりましたけど、およそ3周めにして悟りました。
ワーグナーを聴く時は、テンションだの大声合戦だのオモシロ歌唱だのヴィブラートだのと言ってないで、ちゃんと芸術鑑賞しなくちゃダメってこと。お祭り騒ぎなヴェルディ・スイッチをOFFにする必要があるのですな。…って、ヴェルディをそんなアホな聴き方をしているのは私だけですけど。
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座席からの眺めはこんな感じ。
今回は3階のR1列で鑑賞しました。
ええ、モロにバルコニーです。
実は今日のチケットはネットオークションで格安で手に入れたのでして、「おそらく右側のすみっこだろうな~」くらいにしか思っていなかったのです。
特に座席表で確認しなかったあたり、私のテンションがそう高くはなかったことが伺えます。
今回の演出ではオランダ人がけっこう右サイドに立って歌いますので、この席だとちょっと見切れて残念でしたが、舵手の望月哲也は左側で演技することが多く、その点では良かったです。
手すりも視界にお邪魔なので席のランクはCなんですが、3階席といいながら実は2階席と同じ高さで、しかも舞台に近いので、お目当ての歌手をガン見するならうってつけの席です。
幽霊船がぐわーっとせり上がってくる光景も正面席ならそれは迫力あったと思いますが、船の舳先を斜め上から眺めるのもこれまた卑猥でなかなか興味深かったです。
さて、演奏ですが。
ワーグナー初心者の私がこんなことを言って良いのかわかりませんが、オケに特化して言えば、期待していたほどのドライブ感はありませんでした。《オランダ人》はその後の《マイスタージンガー》やら何やらに比べると、もともと音の厚みは少ないですが、大海原の波のうねりとか嵐とか、それこそベタベタな風景描写を期待していたわけです。
じゃ~ん、これぞワーグナー!! みたいな、良い意味で押し付けがましいドラマチックな演奏をです。なにしろ初心者なんでネ…(^^;
あえてそういう演奏を避けたのかもしれませんが、イマイチ盛り上がりに欠ける。平面的。“3D”じゃないんです。ヴェルディ・スイッチがあるように、ワーグナーにもワーグナー・スイッチがあるはずと思うんですけど…(←えっ、そうなの?)
それとも、これが《オランダ人》なんだろうか。先に《ジークフリート》とか観ちゃったから、こんなふうに感じるんでしょうか。
まぁ、幽霊船の舳先が不気味にせり上がってくるシーンは迫力があって良かったけど。視覚効果もあるんでしょうが、ワーグナーの音楽に演劇的センスを感じました。ヴェルディだとこうはいかん。
ただ、アレですね。ワグネリアンの方も《オランダ人》はどうも…と感じてらっしゃる方が少なくないようですけれども、なんとなくわかります。誤解を恐れずに言えば、中途半端ですよね。成りきれてない。いろんな意味で。蝶が孵化する前の蛹みたいなもの。
私もワーグナーを聴くなら、もっと後の作品がいいです(って、全曲完全制覇はマイジンだけですけどね)。
歌手は良かったと思います。
なにしろ初心者なので、ワーグナー歌いとしてどうのこうのと偉そうなことは言えないですけど、オランダ人のエフゲニー・ニキティン(ニキーチン)はなかなかの美声で。鐘のような…と言いましょうか。力強さと繊細さを兼ね備えた声でしたね。
歌唱は生真面目な印象です。声量はまぁまぁという感じでしたが、2幕ではかなりビンビンきた。
(オケについてもそうなんですけど、なにせバルコニーで聴いてますので、他の席とは聴こえ方が違うのかもしれません)
私の偏った好みでしたらこの役は「むくつけき中年男の大声で…」と言いたいところなんですが、でもこのお話はロマンスですからねぇ。ゼンタがその絵姿に恋をしてしまうくらいだから、オランダ人はやはり「美丈夫」でなきゃならんわけです。その点、ニキティンの声は役柄にハマっていたと思います。
容姿もカッコ良かったな。
どこかで「顔が大きい」とか何とか、私のツボを刺激してくださるような感想を目にしまして、どれどれ…と観察していたんですよ。
あいにく視力が悪いので、端正なお顔はあまりよく堪能できなかったんですが(後で新国の舞台写真を見て知ったの。めちゃんこカッコ良くてセクシーやん)、ええ、確かに大きいです。
というか、顔の大きさ。これって主役を張る歌手の必須条件だと思うんです。アレンもグロ様も、めちゃんこ顔おっきいでしょ!?
…と、話がどんどんズレてきましたが、とにかく、ニキティンは存在感があったと言いたかったのです。
私にはとっても卑猥に見えた船の舳先からあんなイイ男が登場するなんて、演出の裏の意味をあれこれと
えっと、元々の鑑賞目的であるところの、「所々をエルネスト・ブランの声に脳内変換しながら聴いてみる」というのもちょびっとだけやっちまいましたが(スミマセン…)。ブランの声もセクシーだし、悲哀感もあっていいけれど、どうしても“爽やかなオランダ人”になってしまって呪いもへったくれもなくなりそうです(笑)
ゼンタはジェニファー・ウィルソンという人。久々に「いかにもオペラ歌手っぽい」方でした(^^;
実は私、ゼンタのバラードが好きではない。というか、嫌い。かなり昔にTVで何かのガラ・コンサートをやってて、「ふぃ~~!! ふぃ~~!!」(←って聞こえるのよ)と繰り返す歌に身震いするほどの拒否感を持ってしまったことがあるのです。
その時は何の歌だかわからなかったのですが、今回の“予習”でその歌が出てきた時には「げっ、これだったのかっ!!」とかなり鬱になりました。
いえ、ワーグナーだから嫌いって言うんじゃないですよ。敬愛するヴェルディにも大嫌いなヤツあるし。ぶっちゃけ、”うんちか”の「ラタプラン」です。もうこれは生理的にダメ。"うんちか"そのものは好きですけど。
「ふぃ~」にしろ「ラタプラン」にしろ、多分、擬音をキモチワルイと感じてしまうんでしょうけど。
まぁヴェルディは置いといて、この嫌いなバラードをですね、ウィルソンが歌ったらそれほど嫌じゃなかったという…(笑) おそらくウィルソンの声に、いわゆる娘っ子らしい軽々しさがなかったからだと思います。たぶん。
舵手の望月哲也は元気いっぱい。この人も美声ですね。ピンッと張った強さがあるので、彼がもしエリックを歌ったら、トミスラフ・ムツェックとはまた別のキャラクターになるでしょう。
ムツェックのエリックはいかにもやぼったい漁師って感じで鬱陶しい。望月ならちょっとヒステリックな、これまた鬱陶しいヤキモチ男になるかな?(笑)
望月さんにはエリックを歌ってもらいたいというのもあるけど、私的にはマイジンのダヴィドがいいな。舵手もダヴィドも透き通った美声がはまる役でしょ?
ところで、3/14の公演はいろいろとハプニングがありまして。
まず、ダーラント役のディオゲネス・ランデスが体調不良で、2幕めからキャストが変更になったこと。確かに、1幕でのランデスは全然声が出ておらず、調子が悪いにもほどがあると感じていた矢先でした。
代役は長谷川顯で、この人に代わってからは重唱を聴くのにストレスが無くなりました。
そして21時を過ぎた頃、身体に響く小刻みな縦揺れ……と思っていたら、いきなり横揺れが襲ってきました。もちろん演奏中なんですが、ガガガッ…とかなり大きな音が響きました。一瞬オケが止まるかと思ったほど。ですが、すぐに何事もなかったかのように演奏が続けられ、歌手陣も平然としていました(そのように見えました)。
舞台がハネてから知ったのですが(入り口に張り紙があったので)、銚子と神栖で震度5強だったそうですね。
東京は震度3で、全然大したことはなかったんですけど。
ただ、バルコニーってけっこう揺れるんですね。地震は比較的平気なほうですが、あの地震からちょうど1年というタイミングだったので、さすがにちょっと焦りました。
演出についても語りたかったんですが、風邪ぎみなので今回はこれまで。
さぁて、来月は《オテロ》ですよ。
さんぐぅぇ!! さんぐぅぇ!! ひゃっほ~い!! (←ヴェルディ・スイッチが入った瞬間)
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【ダーラント】ディオゲネス・ランデス(1幕)、長谷川顯(2幕)
【ゼンタ】ジェニファー・ウィルソン
【エリック】トミスラフ・ムツェック
【マリー】竹本節子
【舵 手】望月哲也
【オランダ人】エフゲニー・ニキティン
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
タグ:望月哲也 エフゲニー・ニキーチン
2012-03-15 01:21
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コメント(16)
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ハプニング満載の中での鑑賞、お疲れ様でした。
地震、大事に至らなくて何よりでした。時期が時期だけに、つい構えてしまいますよね。
ランデス、初めて聴く歌手さんですし、11日も高音域がちょっと苦しそうだったので「こんなもんかな~」と思っていたんですが、その頃から調子が悪かったのかな。新国での途中交代は、あまり例がないように思います。
やっぱり、時間はかかっても(笑)予習して行く方が、楽しめる度合いが変わってくると思います。
よかった、しまさんが「やっぱりワーグナーは、もうイヤだ!!」とは、なっていらっしゃらないようでw
さ、次はブラン先生のテルラムント…もとい、6月の「ローエングリン」に向けて、頑張りましょ!(^m^)
by ヴァランシエンヌ (2012-03-15 17:16)
■ヴァラリンさん
あ、しまった。コメントが付いちゃった。…なんて、自分で公開しておいてなんですが、真夜中に飲めない酒飲みながら書いてたんで、誤解されそうな表現があちこちにあって、直さなきゃなと思っていたんですよー。
一応、表現は少し直して、ニキーチンについての感想ももちっと付け足しました。いろいろ言いたかったんですけど、ゆうべは風邪のせいでテンションが激低くて・・すみませんです。
>やっぱりワーグナーは、もうイヤだ!!
とはなりませんよ(笑) もともと嫌いではありませんのでね。
ただ、私の内面性とあまりにもかけ離れた美しすぎる音楽なので、しっくりこないんです。
ひたすらハイテンションにズンチャッチャというのが私という人間ですね(笑)
予習はほぼ音楽だけで、ストーリーは劇場で初めて知ったようなものなので、もう一度復習でCD聴きなおしてます。ええ、間にトロヴァトーレを挟みながらですね(爆) 我ながらどういう神経してるんでしょうwww
>ローエングリン
テルラムントが死んだ後にも興味を持続させるのが課題ですわ…。
by しま (2012-03-15 23:56)
私も千秋楽に行くけど、そうそう、オケの響きが重くないらしく、まるでベッリーニやドニゼッティのようなベルカント作品のような印象を持った方も…
私もR側のコーナー最前列での観賞だから、望月さん観るにはベスポジだわ(笑)
船…卑猥な形してるの!?www
ヒャダ…楽しみ~(^ω^)
by ゆっこです (2012-03-16 12:25)
■ゆっこちゃん
>ベルカント作品のような印象
なるほど…言われてみればそんな気も…。
あえてそういう演奏にしたのかな。
>望月さん観るにはベスポジ
ですです。
なんかカワイイ感じの舵手だったですよ。双眼鏡買っておけばよかったってちょっと後悔しましたもん。
ニキーチンももっとよく観察したかったし。
船…はですね、ここで言うのもなんですが、「屹立し、やがて下がった」という感じ。2幕では四角く囲われた空間に舳先が突き入れてくる感じ。
正面からはどう見えたかはわからないけど……あ、あんまり語るとネタバレになっちゃう?(笑)
いや、ま、私の妄想はさておき、オランダ人楽しんできてね~!!
by しま (2012-03-17 00:30)
こんばんは。
しまさん、R側だったんですね・・・
いいなあ・・・。
望月氏目当てで行ったのに、L側席しか取れなくて(それも1500円のZ席だったので;;)、見えない見えない・・・(T_T)。
演奏は、そうそう。あっさりしてましたよね。「おお~っ、きたきた~!」っていうのが、あんまりかなったような・・・。
でもやっぱり、ワーグナー作品の、上から目線っぽいおはなしがいまいち苦手です・・・;;;
by YOSHI-CO (2012-03-17 23:42)
■YOSHI-COさん
こんばんは! コメントくださって嬉しいです!!
>R側
はい。演出を知らずに、しかもヤフオクで落としたチケットだったので、今回はラッキーでした。
望月さん、ほんと、左側のポジションが多かったですもんねぇ。
でも1幕では、左側ではずっと寝そべっておられましたよ(笑)
それにしてもZ席が取れたなんてすごい。あれって抽選ですよね。もしくは当日の朝に並ぶとか。
気合い入れないとなかなか手に入らないってイメージです。
>上から目線っぽいおはなし
テーマが抽象的なんですよね~。うかうかしていると置いてけぼりにされちゃいそうな…;;;;
YOSHI-COさん、ナブッコで「おお~!!」となられたんですよね。
ご一緒にヴェルディを愛でませんか?
ちょっとスカウト(笑)
by しま (2012-03-18 00:39)
こんばんは。
Z席は、ダメもとでネット抽選に申し込んだら、
わりとすんなりと第一希望が獲れちゃいまして・・・
ビギナーズラック・・・かな?(笑)
去年所属合唱団でヴェルレクを歌ったこともあり、ヴェルディはかなり好きかも・・・です。
オペラはあまり知らないので、ここで入門???(笑)
師匠、よろしくお願いしますm(__)m。
by YOSHI-CO (2012-03-19 00:03)
■YOSHI-COさん
そっか、私も挑戦してみようかな>Z席
いえいえ師匠なんてとんでもない!
私は邪道なオペラ聴きでして、ネタにして面白がっているだけなんです。
でも、ありがたいことに、知識も経験も豊富な先輩方が遊びにいらしてくださるので、どうにかこうにか面子を保っているような・・(え、保ててない?)
YOSHI-COさんのように合唱や声楽をやってらっしゃる方も結構いらっしゃいますよ(私は特にしてないですが)。
望月さんのファンの方も。
というわけで、楽しくお付き合いさせていただけたら嬉しいです~。
私はクラシックはあまり知らないので、いろいろ教えてくださいませ!
by しま (2012-03-19 00:48)
突然、申し訳ございません。
Web のZ席 今、何倍なのでしょうか(?)
一番初めの時、2倍で、当選
もう一度、当選。
バレエも、一度当選
それ以降、operaは、落選続きで、
申し込みを止めました。
一時期、倍率が、かなり高かったです。
わざわざ、倍率を問い合わせしてました。
by Yuhko (2012-03-20 16:59)
■Yuhkoさん
こんばんは。
残念ながら私はZ席を狙ったことがないので、全くわからないのです。
確かに倍率が高いというイメージはありますね。
今回のオランダ人ではどうだったのでしょう。
by しま (2012-03-21 00:11)
みたび失礼します。
Z席の倍率って、発表されているのですか? 今回、全く気がつきませんでした(^_^;)。たまたま今回は当たりましたが、どんなものなのかなあ?
あ、すみません。
私は声楽はやってないですよー(笑)。
ドシロウトでございます(^_^;)。
by YOSHI-CO (2012-03-22 00:49)
■YOSHI-COさん
倍率が発表されている、もしくは問い合わせれば教えてもらえるのでしたら、それを利用しない手はないですよね。
無駄打ちも少しは避けられるかもしれないし・・。
当日券狙いで並ぶ場合は、寝袋持参で・・ということもあったらしい、とどこかのブログで読みました。
YOSHI-COさん、ラッキーでしたね!
by しま (2012-03-22 08:50)
わー しまさんも同じような感想でよかった
>ワーグナーを聴くなら、もっと後の作品が・・
私もしまさんを見習って、CDで予習してみましたが、これは昼間でも十分聞けましたね。やっぱり「らしさ」という点では物足りなさがあるのかも。
それと、YOSHI-COさんの感想も読ませていただきましたが、やっぱり私も同じく。私は同じワーグナーの作品の中でも、妙に感動したり、これはちょっとと思ったり、そういうのがあるような気がします。って、そんなに聞いてるわけではありませんが。
ところでアレンってビリー・エリオットのモデルだったんですか?
バレエじゃなくて??
by straycat (2012-03-22 18:46)
先だっては拙ブログにあたたかいコメントいだだきありがとうございました。
なんだか私恥ずかしくて照れててしまってなんだかすみません。。。
こちらのレポも楽しく読ませていただいておりました。
すでに祭り終了なのに、遅まきながらおじゃましてすみません。
私もやっと落ち着いてきたものですから。。。。
今回のオランダ人でニキーチンがしまさまのお目に止まって、私もなんだか嬉しいです。
ニキーチン、ヴェルディではバンコー、ランフィスなんかは今でもマリインスキーでちょくちょく歌ってるんですよ。
フィリッポ2世も歌うんですが、、、galahadさんには「枯れ度」がまだまだと言われてしまいました。
そちらもいつかお聞かせできる機会がありましたら~
私、地方在住者なのでオペラは基本がDVD鑑賞、ちゃんとした実演はこれが2回目で、オペラファンの方々に混ぜていただくとか気遅れしちゃて。。。
ど素人なんですが、今後とも宜しくお願いいたします~、ツィッターの方でも。
by kasitanka (2012-03-23 19:15)
■straycatさん
いやいや私の感想は参考になりまへん・・
ワーグナーでは特に。
>「らしさ」
やっぱりワーグナーはワーグナーらしいものが良いですねぇ。
イタオペっぽさを求めるのなら、ヴェルディを聴けばいいので。
とはいえ、《オランダ人》にもワーグナーらしさの片鱗はあって、そこはそこなりに「すごいなぁ」と思ったりしました。
なんつーか、ヴェルディの「1日だけの王様」とは雲泥のr(ry
>ビリー・エリオット
ほっほっほ。straycatさんにつっこんでもらえて光栄。
私もアレンが勝手にそう言ってるだけだと思っていたんですけどね。
↓こちらのインタビュー参照。
http://everydayopera.blog.so-net.ne.jp/2008-09-28
最近はなんかそーゆーことになっているみたい。
主人公とアレンの出身地がダーラムなのと、ビリーはロイヤル・バレエ、アレンはロイヤル・オペラのスターになったっていうことで。
アレンがバレエを踊るところとか、想像したらかなりウケました♪
by しま (2012-03-24 01:32)
■kasitankaさん
お越しいただけて嬉しいです。ありがとうございます。
いえいえ祭りはまだまだ続いていますよ!
kasitankaさんのお気持ち、すごくよくわかります。
私も初めてアレンの追っかけをした時は、1~2週間はあっちの世界へ飛んでいましたよ。
2回目の時に「今度、日本に行くよ」と言われ、一気に舞い上がってしまったりして…(*´艸`*)
本当に来日の予定はあったらしいんですが、諸事情で結局ぽしゃっちゃったんですけどね。
こうやって会える機会は少ないんですから、思いっきり幸せを噛みしめましょう!
>ニキーチンがしまさまのお目に止まって
「さま」だなんて、やめてください~。
私なんて呼び捨てくらいがちょうどいい奴なんですから。
それに私が気に入ると、後日大変な目に……まぁ最近はそんな鬼畜なことは控えるようにしていますが(笑)
冗談はさておき、ニキーチンの漢(オトコ)の色気はなかなかのものだったので、「ブランを偲ぶ会」のはずが「ニキーチンを愛でる会」にいつのまにかすり替わってしっていました(笑)
なので今からフィリッポ2世にハマりすぎるのは惜しいような気がします。もっと若くて色気のある役もいっぱい聴きたいです。
サロメのヨカナーンは当然レパートリーでいらっしゃいますよね?
それから、これは私の超個人的な興味ですが、カルメンのエスカミーリョはいかがですか?
>オペラは基本がDVD鑑賞
私なんぞ、基本はCD鑑賞ですよ(笑) DVDすらあまり観ない。実演もそんなに行ってないです。最近の歌手さん達のこともほとんど知りません。
オペラもクラシックもkasitankaさんのほうが何倍も造詣が深くていらっしゃると思います。
こちらこそ、ブログでもツイッターでも、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
by しま (2012-03-24 02:07)