サー・トーマス、フィッシャー=ディスカウの思い出を語る [オペラの話題]
※5/25 アレンとフィッシャー=ディスカウ、イアン・ボストリッジの3ショット写真を追加しました。
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5/18に亡くなったディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウの追悼番組がBBC Radio4 の“Last Word” で放送されました。
その週に亡くなった有名人の思い出語りをするというもので、30分弱の番組内で毎回3~4人が取り上げられます。
フィッシャー=ディスカウの名は今週のトップなのですが、サー・トーマス・アレンがスタジオに招かれ、ホストのマシュー・バニスターにフィッシャー=ディスカウについての思い出を語っています。
clevelanderさんに教えていただきました。
いつも本当にありがとうございます。
BBCのIPlayerで聴けますので、ご興味のある方は是非どうぞ。⇒(こちら)
また、右上の画像をクリックすると、フィッシャー=ディスカウとリーザ・デラ・カーザの《アラベラ》が観られます。アレンの思い出話に登場する作品です。
以下、アレンの語った内容を、「心の耳」を駆使してざっくりと意訳してみました。
アレンが感激したというROHの《アラベラ》は、65年1月の公演のことのようです。
ROHのデータベースは⇒こちら
ちなみに、1988年のバイエルン国立歌劇場来日公演で《アラベラ》が日本で初上演されましたが、この時のマンドリカ役がトーマス・アレンでした。
23年前のフィッシャー=ディスカウの歌唱に感動したことを思い出した、なんて瞬間もあったのではないかと思います。
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※5/25追記 こちらのサイトからアレンとフィッシャー=ディスカウの写真を拝借しました。(Photo credit: Keith Saunders)
左からトーマス・アレン、フィッシャー=ディスカウ、イアン・ボストリッジ。
2000年にウィグモア・ホールで行われた、若い音楽家の為の基金集めイヴェント(直訳で恐縮です)にパネリストとして招かれた時のものらしいです。御大、御年75才。
おそらくその時のインタビューと思われる記事はこちらです。
照れたように視線をそらしているフィッシャー=ディスカウがなんとも微笑ましいですね。
そして、両脇を固めるアレンとボストリッジの嬉しそうなこと(笑) すっかり「普通のファン」の顔になっています。
アレンもドイツ・リートを歌いますし、ボストリッジはフィッシャー=ディスカウを聴いてその道を選んだとのことですから、二人にとっては神様みたいな存在でしょう。
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5/18に亡くなったディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウの追悼番組がBBC Radio4 の“Last Word” で放送されました。
その週に亡くなった有名人の思い出語りをするというもので、30分弱の番組内で毎回3~4人が取り上げられます。
フィッシャー=ディスカウの名は今週のトップなのですが、サー・トーマス・アレンがスタジオに招かれ、ホストのマシュー・バニスターにフィッシャー=ディスカウについての思い出を語っています。
clevelanderさんに教えていただきました。
いつも本当にありがとうございます。
BBCのIPlayerで聴けますので、ご興味のある方は是非どうぞ。⇒(こちら)
また、右上の画像をクリックすると、フィッシャー=ディスカウとリーザ・デラ・カーザの《アラベラ》が観られます。アレンの思い出話に登場する作品です。
以下、アレンの語った内容を、「心の耳」を駆使してざっくりと意訳してみました。
初めて聴いたフィッシャー=ディスカウのレコードは学生時代に買ったブラームスのアルバム。オペラに関する様々な指導を受けていた頃だった。その一つがドイツ・リートで、その時にフィッシャー=ディスカウのことも教えられた。その後の自分の歌唱を確立していく上で、とても影響を受けた。
彼の最大の魅力は、汚れのない声、歌唱にあると思う。とても美しく自然だ。彼の録音はどれを聴いてもまがうことのない正確さがある。エレガントな声のトーンが特に発揮されているのは、おそらくシューベルトなんじゃないかと思う。もっと彼らしいと思うのは、ヴォルフの歌曲だ。
64年か65年に、コヴェント・ガーデン(ROH)で《アラベラ》を観た。フィッシャー=ディスカウがマンドリカ、リーザ・デラ・カーザがアラベラ、指揮はショルティだった。劇場の最も天井に近い席から観て、(マンドリカは)なんて難しい役なんだろう、そしてフィッシャー=ディスカウはなんて易々とそれを歌ってのけるんだろうと、とても心を打たれた。
後年、私がミュンヘンで歌い始めた時、劇場のボックスオフィスに、まるで『風と共に去りぬ』のクラーク・ゲーブルとヴィヴィアン・リーのような写真が掲げてあって、それがフィッシャー=ディスカウ(のマンドリカ)とデラ・カーザ(のアラベラ)だった。美しい二人の舞台は素晴らしかった。1幕が終わったら観客は拍手喝采。あの瞬間はまさに魔法がかかっていた。胸が高鳴る公演だった。
フィッシャー=ディスカウと初めて会ったのは、ロイヤル・アルバート・ホールでの《戦争レクイエム》のコンサートで、初日のリハーサルが終わった朝のことだった。彼と会ったのは全くの偶然で、たまたま私はホールの中を歩いていたんだが、誰かの足音がこちらに近づいてくるのが聞こえてきた。あのホールは円形なので、いきなりフィッシャー=ディスカウと出くわすという形になった。まるで小学生みたいにその場に立ちすくんでしまった。
それから数年後に、ザルツブルクでまたフィッシャー=ディスカウと再会することになった。彼の75才の祝賀会だった。彼は自分の業績についてとても謙虚な態度で語っていたが、その業績とは実は計り知れないものだったんだ。彼は本当に計り知れない、歴史に残る偉大な人物だ」
アレンが感激したというROHの《アラベラ》は、65年1月の公演のことのようです。
ROHのデータベースは⇒こちら
ちなみに、1988年のバイエルン国立歌劇場来日公演で《アラベラ》が日本で初上演されましたが、この時のマンドリカ役がトーマス・アレンでした。
23年前のフィッシャー=ディスカウの歌唱に感動したことを思い出した、なんて瞬間もあったのではないかと思います。
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※5/25追記 こちらのサイトからアレンとフィッシャー=ディスカウの写真を拝借しました。(Photo credit: Keith Saunders)
左からトーマス・アレン、フィッシャー=ディスカウ、イアン・ボストリッジ。
2000年にウィグモア・ホールで行われた、若い音楽家の為の基金集めイヴェント(直訳で恐縮です)にパネリストとして招かれた時のものらしいです。御大、御年75才。
おそらくその時のインタビューと思われる記事はこちらです。
照れたように視線をそらしているフィッシャー=ディスカウがなんとも微笑ましいですね。
そして、両脇を固めるアレンとボストリッジの嬉しそうなこと(笑) すっかり「普通のファン」の顔になっています。
アレンもドイツ・リートを歌いますし、ボストリッジはフィッシャー=ディスカウを聴いてその道を選んだとのことですから、二人にとっては神様みたいな存在でしょう。
2012-05-21 01:36
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コメント(4)
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DFDとデラ・カーザとの「アラベラ」の映像は,その一部が以前市販されたことがあり、全曲を見たいと思っているものです。そういえば、昔、サントリーが彼と夫人のヴァラディが歌う、「アラベラ」の二重唱をCMで使ったことがあったと思います。
88年のアレンのマンドリカを見ました。アラベラはアンナ・トモワ・シントウで、マッテオはザイフェルトだったと記憶してます。アレンはこの役を歌い始めたばかりだったはずで、この前年にザルツブルクで見たウリッセ(モンテヴェルディのオペラにヘンツェが手を入れたもの)ほどには、印象に残りませんでした。まあ、ウリッセがとても格好良かったこともあるんですがね、舞台づくりもスペクタクル路線ですごかったし。
by 名古屋のおやじ (2012-05-21 14:43)
■名古屋のおやじさん
デラ・カーザって本当に美しいですね。
確かに「ヴィヴィアン・リー」かも。この映像は全曲見たいですね!
サントリーのCMといえば、私の最古の記憶は松田聖子とペンギンです(笑)
アレンのマンドリカをご覧になったとは羨ましいっ。・゚・(ノ∀`)・゚・。
しかもザルツのウリッセも!!
私はこのウリッセはDVDで観ました。ファンの贔屓目ですが、確かにカッコ良いですね♪
アレンのマンドリカは(見ても聴いてもいないので)私もいまいちピンとこないです・・
by しま (2012-05-22 01:10)
しまさんはじめまして。
私も記事にしたのですが、デラ・カーザとF=Dのアラベラのこの映像、ユーチューブで全曲見られますよ。
ヴィヴィアン・リーばりのデラ・カーザももちろん美しいですが、ショートヘアのローテンベルガーもローマの休日のヘップバーンばりにキュートです。本当に映画みたいな美しい映像で、しかも素晴らしい演奏です。
消されないうちにぜひご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=5xeCbF-a33g
http://www.youtube.com/watch?v=sXTzO2njlH8
by たか (2012-06-04 01:15)
■たかさん
はじめまして。コメントをありがとうございます。
そしてアラベラの情報もありがとうございました。YTに全曲あったんですね。さっそく鑑賞してみたいと思います。休みの日に・・
by しま (2012-06-05 01:36)