SSブログ

《サロメ》@新国立劇場2/9(土) [オペラ実演レポ]

sinkoku-salome1.jpg この日を着物デビュー日にと企てていたのですが、練習する時間がとれず、ちょっとお流れ。余裕をもって、デビューは《椿姫》にでもしましょうか(いちこ、一緒に着物にしない?)。

 でも、着物にしなくてよかったかもしれません。慣れない衣装が気になって、舞台に集中できなくなったに違いありませんもの。

 今回の《サロメ》、大変よかった。

 演奏じたいは必ずしもパーフェクトと言えるものではありませんでしたが(特にサロメのナターリア・ウシャコワ)、我を忘れて没頭したのは本当に久しぶりのことです。

 え、ネタ探し? 誰ですか、そんなお下品な根性でオペラを観ている不届き者はっ(←感動すると手のひらを返します)。

 洗礼者ヨハネの首を持つサロメ――元々の題材が好きということもありますし、加えてオスカー・ワイルドの描く女のグロテスクにして痛々しい愛欲に、(恥ずかしながら)己の人生の原体験を見出してしまったりもするのです。

 なぜ私を見なかったの、ヨハナーン  見たらあなたも、私を愛したに違いないのに

 ヨハナーンの首を手に入れてからのサロメの長いモノローグでは、不覚にも涙がじわ~っと溢れそうに……。

 私にとって本気で泣けるオペラはこの《サロメ》と、《利口な女狐の物語》と、あともう一つ二つくらいかしら。

sinkoku-salome2.jpg だからこそ悔やまれる2階席なのでして、せめてバルコニーとか、もうちょっと前のほうでサロメとヨハナーンの表情を見たかったなぁと思います。

 まぁ、最近はなぜか演出面にも興味を持ちはじめているので、チケットを買った時にはあえて舞台から遠い席を選んだのでした。
 その目論見は大当たりで、やはり全体を見るなら2階以上の席がいい。音もこちらのほうがだんぜん良い。

 でも、どうしても「物足りない」感が拭えないので、好きな演目だったら前のほうの席と全体を見渡せる席、少なくとも2回は通うべきなのかなと思いました。歌手のコンディションも日によって違いますし。
 こうして私の贅沢病は悪化の一途をたどるわけです。

続きを読む


タグ:新国 サロメ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。