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ROHの《ラ・ボエーム》 -- アレンの“ふさふさ”マルチェッロ [アレンの録音・映像鑑賞記]

ROHラ・ボエーム ブログ仲間の皆さんがゾクゾクとロンドンから帰国されています。今年はロンドンへ行く方が多いですね。

 いいナ~なんて、久しぶりにRoyal Opera Houseのサイトを訪れてみましたところ、フムフム、10月は《ラ・ボエーム》なんてやるんですね。今シーズンのROHのラインナップはどうも地味ですから、ドンジョとか、ボエームとかの人気演目も間に挟んでおかないとね。

 配役もなかなかイイ感じよ。

 ロドルフォは韓国人の Wookyung Kimね。彼は昨年の《リゴレット》で観たことがあります。声はなかなか良いし、見た目は、はるか天井桟敷の席からでもちゃんと笑えました。ウム、ロドルフォの見た目が笑えるというのは、個人的にツボです。ハイ。

 そしてバリトン贔屓には気になるマルチェッロは、クリストファー・マルトマンなり~。そう、2月の《魔笛》パパゲーノ@Bキャストの彼です。これがなかなかよかった+アレンが演出した(*゚Д゚)ドンジョでタイトル・ロールを演じたという勇者っぷりを買って、ワタシが目をつけているバリトンですよ!

 ショナールは……知らない人だわ(爆)

 んで、コッリーネは……ほほう、ウチのブログのゲストであるところのアレクサンドル・ヴィノグラードフ@ヴィブラート震度6の君じゃありませんか。
 ワタシの記憶が正しければ、彼は去年もROHの《ラ・ボエーム》でコッリーネを歌ったはず。劇場デビューだったっけ? 瑞々しいコッリーネ(バスだけに、なかなか見られませんね~)で好評を博したのがまだ記憶に新しいです。

 飽きた、飽きた、とさんざん言っておりますけれども、こういうキャストなら観てみたいです。ああこれを新国でやってくれたらなぁ。平日であっても半休とって、S席被りつきで鑑賞するんですけどねぇ。

美少年ヴィノ だって、コレよ?

 この美少年がコッリーネよ?

 コッリーネっつったら、本の虫で、床屋なんかに行ったことのない髪ボーボー髭ボーボーの熊男で、たぶん風呂にも入っていない不精者。女のコにも(さほど)興味も持っていなさそうな、絶対に絶対にモテない系のオヤジ臭いキャラなのよ?

 ヴィノ君を取り上げる時には必ず引き合いに出しちゃう、


↓↓コチラのお方↓↓ ボリス


 ええと、わが愛しのボリス・クリストフ様みたいな、むくつけき中年のオッサンこそが歌うべき役なんじゃないかと思うんですけどね。いや、イメージよ、イメージが……;;;

 でも考えてみたら、主要4人のキャラはみな青春真っ只中な若者なわけで、まぁそれをメタボなオッサン歌手がやるから面白いわけだけど、リアルに若々しくてカッコイイ旬の歌手が歌ってくれる美しい舞台というのもたまには見てみたいと思います。マルトマンだってカツラを着ければ美青年。ええワタシだって、一応、人並みの美意識は持ち合わせているんですってば!

 ちなみに、伝説の名バス歌手、ボリス・クリストフ様のデビューは、この《ラ・ボエーム》のコッリーネだったそうです。4幕の外套のアリアでは拍手が鳴り止まなかったとか。  現代なら「是非ともオペラ・シェアで…!!」とジタバタするところですが、大昔の歌手ですからそんな至福は望むべくもありません。ボリスの盛大なヴィブラートを耳に焼付け、妄想する以外に鑑賞する方法はないんですよね。残念です。


 ……と、ここまでが前振りね(←おい)。

 このROH《ラ・ボエーム》、美しい演出で有名なんですが、息の長~い長~いプロダクションでして、もう20年は続いていますでしょうか。

niisan.jpg なにしろウチの三大じーちゃんバリトンの一人であるところのトーマス・アレンが、まだ兄さんだった時代にこの同じプロダクションでマルチェッロを歌っていたことがあるくらいです。

 その時(1982年)の映像がDVD化されていますが、ミミが可憐なコトルバスってのもあって、なにげに売れ筋なようですね。ついこないだも、小学館の魅惑のオペラシリーズにて選ばれたりして、ファンとしてもけっこう鼻高々であります。(いや~、もう一つが例のドンジョだしねぇ~。アレだけだったらいたたまれないですよ。ホント)

 というわけで、おっそろしく長い前振りでごめんなさい。これからたっぷりと、昔はカッコよかった"ふさふさ"な兄さんを、ご披露してさしあげるわね♪

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L.A.Operaの《ジャンニ・スキッキ》 -- 二人のアレンのインタビュー [アレンのジャンニ・スキッキ(08年9月L.A.)]

 ※9/28 酔狂にもトーマス・アレンのインタビュー全訳を試みております。こちら

 L.A.Operaの《三部作》。初日の舞台のスタートは日本時間の本日正午でした。

 そのうち三つ目の《ジャンニ・スキッキ》が、映画監督のウッディ・アレンのオペラ演出デビューということで、かなり以前から話題になっていましたから、レビューや批評はこれからたくさん見られるものと期待しています。

 今日はファンの私もドキドキでしたが、演出デビューとロール・デビューの二人の“アレンじーちゃん”は、それぞれどんな心持ちでいらしたんでしょうねぇ。

woddyallen2.jpg 既にあちこちのニュースで紹介されていますが、ウッディのほうは「どーしてボクちゃんがこんな目に……・゚・(つД`)・゚・」ってな、映画でのキャラそのまんまな心境だったようです。

 Hollywood Outbreakで、そんなウッディのインタビューを音声で聞けます。

 以下、テキトーな意訳ですみませんが、
「ボクちゃんはね、オペラなんて全~然やりたくなかったんよ。生の舞台の演出なんて、自分の1幕モノの作品以外やったことないんよ。でもドミンゴが『やれやれ』ってうるさいもんだから。三部作の中の、1時間程度の小品だから。アイーダみたいに大編成のコーラスとか像さんとか、無いからって。で、3年後の話だってゆーからさ、『その頃にはオイラ、死んでるや』って思って、Yesって言っちゃった。なのにボクちゃん、死なないやん(*゚Д゚)」

 な~んて言って、周囲を笑わせたりして。やっぱりこの人、おもしろいねぇ。

 ウッディのプリチーな画像をクリックすると上記のページに飛びますので、ご興味のある方は。「Click here to watch/listen to the media file」をクリックして、最後まで聞いてみて下さい。3分程度の長さです。

 はたして、ウッディの恐れるように、観客の「ブー」はあったんでしょうか。

allen2.jpg もう一人のじーちゃん、トーマス・アレンのインタビューは、L.A.オペラのBehind the Curtain Podcast Seriesで聞けます。(画像をクリックすると該当記事に飛びます)

 またもやテキトーな意訳ですみませんが、
「人生、何が起こるかわかんないね~。さすがのオレ様もそろそろ隠居して絵でも描こーか日曜大工でもやろーか考えたりしてたのに、こういうことになって、また歌うことを楽しんでいるわけだから、我ながら驚いてんだよね~」と、出だしからハイテンションな早口でまくしたてております。
 ただいま段階的に翻訳中。(続きを読む)以下に掲載します。

 このテンションで幼少時代の音楽的バックグラウンドやら、声変わり時代の思い出やら、ジャンニ・スキッキの役作りの方法やら、もちろん「Mr.Allen」ことウッディとの仕事の様子やら、延々と20分近くも喋りまくるのですが、特に中盤で「プッチーニはコメディの天才」とか何とか言い出すところがまさにトーマスじーちゃんらしくてウケました。

「喜劇は悲劇の中から自然に発生する」ってなことを言いたいらしいのですが(たぶん)、引き合いに出すのが《ドン・ジョヴァンニ》。この人、何かってーとすぐに「ドンジョ」「ドンジョ」なんですよね(笑) ホント、ドンジョ歌いだったこと、誇りに思っているんでしょうね(*´∨`)

 さらに、このインタビューで嬉しいのは、頭と尻尾のところでトーマスじーちゃんのジャンニ・スキッキ歌唱がちょっぴり聴けるってところです。

「どーよ、オレ様の声? 似てただろーがっ!?」 「ヴぃっとーりあー!!」♪のシーンですね。

 インタビューがアップされたのが9/4付ですので、リハーサルの音源だと思いますが、「ええ~っ!? これがアレンの声っ!?」って、かなり驚いてしまった私です。いや、アレンの声に違いないのですが、こんなにオッサン臭い声音は初めて。やればできる子なのねぇ~(*゚Д゚) 

 なんだかホント、ジャンニ・スキッキらしく聞こえるわ~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

 L.A.オペラの公演は、ラジオの生放送とかは無いようですけど(←あったんだっつーの!!・゚・(つД`)・゚・ 9/8追記)、シーズンが終わってからたまに放送してくれてるらしいので、是非ともこの《ジャンニ・スキッキ》を聴きたいものです。いや、音だけではなくて、映像も残してくれたらこの上ない幸せなんですけどねー。

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