No.1~5 シュロット, グァッレーラ, マッサール①, ティベット, ミルンズ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]
■聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら■
※4/9 マッサールの写真を差し替えてみました。
---------------------------------------------------
No.1 アーヴィン・シュロット(Erwin Schrott) ウルグアイ 1972 -
原調/フランス語/2009年コンサート音源 ⇒YouTube
囁き声で歌ってみたり、シャンソンっぽく(?)崩したりしていますが、コンサートだからそういう歌唱をしているのかもしれませんが、とても器用だと思いますが、闘牛士のイメージには合わないと思う。
エスカミーリョは伊達男でモテるけど、英雄。女ったらしな放蕩者ではありません。
この人はドン・ジョヴァンニが良いでしょう。
No.2 フランク・グァッレーラ(Frank Guarrera) アメリカ/1923 - 2007
原調/フランス語/1953年のライブ録音(Met)
豪快で陽気なオジさんって感じ。粋な闘牛士のイメージは皆無だが、辛気臭いドン・ホセの対極にあってこれはこれで楽しいから良いです。
ただ、カルメンはエスカミーリョおじさんの金につられたって感じがするけど。
No.3 ロベール・マッサール①(Robert Massard) フランス/1925 -
原調/フランス語/1959年のライブ録音(パリ)⇒YouTube
(なんと! ご存命でいらっしゃいますか?)
シャッフルで聴いているので、いきなりのド本命です。
溌剌とした色気、華のある理想的なエスカミーリョ。
鼻母音の響きがたまりません。この歌がマッチョになりすぎず、上品な色気を漂わせているのは、ひとえにフランス語独特の発音が故だと思う。
Viva! Viva! Escamillo!
もうひとつ音源があるので続きはそちらで。
No.4ローレンス・ティベット(Lawrence Tibbett) アメリカ/1896 - 1960
半音上げ(?)/フランス語/録音年不詳 ⇒YouTube
同じアメリカ人ながらグァッレーラより仏語の発音がうまい(笑)
半音上げて歌っている(*1)が、F♯、後半のFも伸びやかで、力強さの中にエレガンスを感じます。
20世紀初頭のエスカミーリョのスタンダードって、こんな感じだったのかもしれない。
No.5シェリル・ミルンズ(Sherrill Milnes) アメリカ/1935 -
原調/フランス語/77年の録音
丁寧に歌っていて好感が持てます。
装飾音符(短前打音や三連符)をきっちりと歌うのがこの曲の「らしさ」の鍵で、そのおかげで(人によっては)ちょっとニョロけた、色っぽい歌唱が引き出されるのですね。
ミルンズの真面目さが功を奏しているって感じ。
(*1)確かに原調より半音上がっているのですが、レコードの回転速度の影響のようにも思えます。いかにも蓄音機っぽい音だし。わざわざ半音上げる理由がないし。演奏のスピードも速すぎる気がするし。
※4/9 マッサールの写真を差し替えてみました。
---------------------------------------------------
No.1 アーヴィン・シュロット(Erwin Schrott) ウルグアイ 1972 -
原調/フランス語/2009年コンサート音源 ⇒YouTube
囁き声で歌ってみたり、シャンソンっぽく(?)崩したりしていますが、コンサートだからそういう歌唱をしているのかもしれませんが、とても器用だと思いますが、闘牛士のイメージには合わないと思う。
エスカミーリョは伊達男でモテるけど、英雄。女ったらしな放蕩者ではありません。
この人はドン・ジョヴァンニが良いでしょう。
No.2 フランク・グァッレーラ(Frank Guarrera) アメリカ/1923 - 2007
原調/フランス語/1953年のライブ録音(Met)
豪快で陽気なオジさんって感じ。粋な闘牛士のイメージは皆無だが、辛気臭いドン・ホセの対極にあってこれはこれで楽しいから良いです。
ただ、カルメンはエスカミーリョおじさんの金につられたって感じがするけど。
No.3 ロベール・マッサール①(Robert Massard) フランス/1925 -
原調/フランス語/1959年のライブ録音(パリ)⇒YouTube
(なんと! ご存命でいらっしゃいますか?)
シャッフルで聴いているので、いきなりのド本命です。
溌剌とした色気、華のある理想的なエスカミーリョ。
鼻母音の響きがたまりません。この歌がマッチョになりすぎず、上品な色気を漂わせているのは、ひとえにフランス語独特の発音が故だと思う。
Viva! Viva! Escamillo!
もうひとつ音源があるので続きはそちらで。
No.4ローレンス・ティベット(Lawrence Tibbett) アメリカ/1896 - 1960
半音上げ(?)/フランス語/録音年不詳 ⇒YouTube
同じアメリカ人ながらグァッレーラより仏語の発音がうまい(笑)
半音上げて歌っている(*1)が、F♯、後半のFも伸びやかで、力強さの中にエレガンスを感じます。
20世紀初頭のエスカミーリョのスタンダードって、こんな感じだったのかもしれない。
No.5シェリル・ミルンズ(Sherrill Milnes) アメリカ/1935 -
原調/フランス語/77年の録音
丁寧に歌っていて好感が持てます。
装飾音符(短前打音や三連符)をきっちりと歌うのがこの曲の「らしさ」の鍵で、そのおかげで(人によっては)ちょっとニョロけた、色っぽい歌唱が引き出されるのですね。
ミルンズの真面目さが功を奏しているって感じ。
(*1)確かに原調より半音上がっているのですが、レコードの回転速度の影響のようにも思えます。いかにも蓄音機っぽい音だし。わざわざ半音上げる理由がないし。演奏のスピードも速すぎる気がするし。