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Томас Аллен(トーマス・アレン)も映っていますよ! -- ボリショイ《ばらの騎士》 予告映像と演出について [アレンのニュース]

 祭りの最中ですが、またまた臨時ニュース。
 ボリショイ劇場の《ばらの騎士》の予告映像がYouTubeにUPされました。
 (今度はヴァランシエンヌさんからの“通報”です。ありがとうございます!)



 まったく、YouTubeくらい、人に頼らないで自分で何とか探しなさいよ!と、我が怠惰さに呆れておりますが、なにしろトレアドール祭りで忙しかったんでネ(私のファン道は皆様の生温かい応援と通報、施しによって成り立っております)。

 で、ファニナルに扮する“世界的に有名な”(そう紹介されているんですw)サー・トーマス・アレンの姿も、一瞬ですが、ちゃーんと確認できました。
 クリックすると拡大します。

bolishoiallen1.jpg bolishoiallen2.jpg


 ポップで賑やかな舞台ですね。
 演出は英国のスティーブン・ロウレス。ボリショイの「ばら」ではおもしろい試みをしていて、1幕~3幕まで、それぞれ別の時代を設定しているんだそうです。(ソースはこちら

 1幕はオリジナルの設定どおりの18世紀。
 2幕は、オックス男爵が口ずさむ“ワルツ”がより時代にフィットするようにと、19世紀の設定です。
 ロウレス曰く、ワルツという音楽が成熟したのは19世紀。18世紀の風俗に当てはめては時代錯誤だ…とのこと。

bolishoirosen1.jpg
 

 3幕は、一転してファシズムの台頭する1930年代へ。
 台本ではウィーン郊外の居酒屋ですが、ロウレスはオックスとマリアンデル(女装したオクタヴィアン)との逢引の場をプラーター公園に移すのだそうです。
 オックスが淫行罪(?)であわや逮捕されかかるシーンに、その時代特有の緊迫感が加わるのかもしれません。

 モノを知らない私は、プラーター公園といったら芝生や森の広がった場所…といったイメージを持っていたんですが、1873年にウィーン万国博覧会がプラーターで開催され、また1895年にはヴェネチアを模した世界初のテーマパークがオープンしたりと、なかなか賑やかな行楽地だったようですね。(参照

 時代設定がオリジナルのままでしたら、1幕で元帥夫人がオクタヴィアンに言うように、プラーターは「馬車を走らせる」場所だったんでしょうけど、ロウレスの演出では↑の写真のように、オックスとマリアンデルは遊園地の一角にある出店でデート…ということになるんですね。

 となると、しかし、マリアンデルが「誰が寝るのかしら~?」とカマトトぶる巨大なベッドはどうするんでしょうね!?!?

 スティーブン・リチャードソンもなかなか良い声してそうだし、イヤラシイけど憎めないオックスを好演している様子。そしてあの赤毛のカツラは…? と、ますますワクワク。

 さて。明日はレビューが出ますでしょうか。しばらくはモスクワから目が離せません!!

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関連記事リンク
ボリショイ劇場の《ばらの騎士》 4/3いよいよ初日!

No.21~25 レリエ, エステス, バスティアニーニ②, ヴィノグラードフ, ブラン② ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 だんだん嫌気がさしてきた(←早っ)こともあり、感想がおおむねネタ化してます。
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No.21 ジョン・レリエ(John Relyea)カナダ/
原調/フランス語/2010年Met
シャープでダークな声。歌唱はやや♭。
一昔前のエスカミーリョのイメージとは違うけど、イケメン感はあるかも。


No.22 サイモン・エステス(Simon Estes)アメリカ/1938 -
原調/フランス語/1988年の録音風景の録音
まさに王者。ブラック・ダイアモンドな美声。
歌唱はきわめてシンプルだが、声そのものに自信があるからこそ。並の歌手ではこうはいかない。


aniniport2.jpgNo.23 エットレ・バスティアニーニ②(Ettore Bastianini)イタリア/1922-1967
原調/イタリア語/1961年ヴェローナのライブ ⇒ YouTube
のっけからとんでもない大声で、
「我輩がバスティアニーニだ。さあ惚れろ~! 惚れるのだ~!!」
ってものすごい勢いで迫ってきて、
くそっその手には乗るもんか私にはシュテキなブランのエスカミーリョがあるんだモン耳をっ耳を塞げ~っ!!…なんて抵抗もむなしく……モジ(((´ω` *)(* ´ω`)))モジ…… (←惚れた)
転調する時の「あ~~~」が“デレカント”。


Vinogradov_2.jpgNo.24 アレクサンドル・ヴィノグラードフ(Alexander Vinogradov)①ロシア/1976 -
原調/フランス語/2007年東京のライブ ⇒ YouTube
(えっと、意図的じゃないですよ。この順番)
生聴きもした懐かしい音源
ヨーロッパの寄宿制男子校の優等生を思わせる優雅な声に、愛嬌者の顔(盛大なビブラート)が見え隠れ。
モテるけど、好きになった娘には一途でしょう?って感じのエスカミーリョ。
重さは普通にバスカミーリョ。
いつか母国語で歌ってもらいたいと思わせられる、いかにもロシアっぽい低音が魅力。


sawayakablanc.jpgNo.25 エルネスト・ブラン②(Ernest Blanc) フランス /1923 - 2010
原調/フランス語/1960年の録音 ⇒ YouTube
(だから、意図的じゃないんだって。この順番)
爽やかなのに艶っぽく、青臭いのに成熟していて、強さの内に脆さを秘め・・
歌声の成分は男性フェロモン100%。
こんなお方と駆け落ちしたい・・(*´Д`)
え? 客観的じゃない? ンなもん、この企画を立ち上げた時点で期待しちゃダメ。
あとひとつ音源があるので続きはそちらで。

ボリショイ劇場の《ばらの騎士》 4/3いよいよ初日! [アレンのニュース]

※4/3 kasitankaさんがロシアのニュース動画を更に紹介してくださいましたので、追加でリンクを貼っておきます。アレンもチラリと映っています(笑)

"Кавалер розы" впервые в Большом
На сцене Большого театра премьера оперы "Кавалер Розы"

bolirosen.jpg

 祭りの最中ですが、ここで臨時ニュース。

 明日(4/3)にロシアはボリショイ劇場の《ばらの騎士》がいよいよ初日を迎えます。
 サー・トーマス・アレンがファニナル役で出演予定ですが、そのゲネの様子を伝えるニュース映像がネットにUPされました。⇒こちら
 (Kasitankaさんの"通報"です。ありがとうございます!)

 なぜこんなに話題になっているのかといいますと、ボリショイ劇場で《ばらの騎士》がレパートリーに入るのは、ロシアのオペラ史上初めてだから。

 欧米各国の主要劇場では当たり前に上演されている演目ですけれども、ロシアでは1928年のキーロフ(現在のマリインスキー劇場)と、1971年のウィーン国立歌劇場のモスクワ公演の時だけなんだそうです。

 ソース記事は英語のがこちら、ロシア語のがこちらですが、特にロシア語のほうは翻訳サイトを使ってもイマイチよーわからんのです。間違っていたら訂正してくださいね>「ロシアン・シンガーを愛でよう委員会」の皆様

 まぁとにかく歴史的な大イヴェントであることは間違いなさそう。
 アレンがロシアで《ばら》を…と知った時には、正直「またですかぁ~?」と思った私ですが、こんな栄えあるプレミエに声がかかったということだったんですね。
 いやはや、ファンとしても鼻高々であります。

 ボリショイのサイトにもようやく名前が載りました。⇒こちら

 おや、愛娘のゾフィーはリューボフ・ペトロヴァではありませんか。
 映画《魔笛》の夜の女王でウチのブログに登場したこともあります。

 映像にちらっと映っているスティーブン・リチャードソン(オックス男爵)もカッコ良くて好みだし。

 モスクワでは大盛り上がりのようですから、映像なども見られる可能性大!
 衣装もポップで華やかだし、DVD化されないかな~なんて今から期待しちゃっています。

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関連記事リンク:
4月はロシアで《ばらの騎士》 -- ボリショイ劇場デビュー
《ばらの騎士》@METライブビューイング

タグ:ばらの騎士

No.16~20 キリコ, ブラン① , グロソップ, カンボン, マルドネス ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 大本命のブランが早くも登場。そして直後にグロソップも。iPhoneでシャッフルで聴いているのに。この順番、ネタですか?
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No.16 ジーノ・キリコ (Gino Quilico)カナダ/1955 -
原調/フランス語
父のルイ・キリコが好きなので、それだけで合格!(これを書くまでおとっつぁんのほうだと思っていた。すまぬな、ジーノ)。
気品と男気を感じます。普通に歌ってるだけなんだけど、それがこの歌の良さを引き立てているというか。シンプル・イズ・ベストの好例。
ラストの長伸ばしがきれいで気持ちがいい。


sawayakablanc.jpgNo.17 エルネスト・ブラン①(Ernest Blanc)フランス/1923 - 2010
原調/イタリア語/1960年ナポリのライブ ⇒ YouTube
早々と「神」の登場です。
専売特許“デレカント”が控えめなのはイタリア語歌唱がゆえと思われます。それでも要所要所で発動してるけどw
それよりも何よりも、何なのだ、この独特の爽やかさとお色気は?
もう「カッコ良い」とか「素敵」とか「セクシー」の領域を超えている。
世界一のエスカミーリョとは言わないけど、唯一無二の存在であることはまちがいない。
あと2つ音源があるので続きはそちらで。


pg.jpgNo.18 ピーター・グロソップ (Peter Glossop)イギリス/1928 - 2008 ⇒ YouTube
原調/イタリア語/67年の録音
おやまぁ続けざまにご贔屓さんが。飽き始めたところだから嬉しいです。
それにしても、バリトンのくせにこんなに重量モタモタ歌唱でいいの?
爽やか軽やかなブランの後だから言うわけでもないけれど、大声コンテスト以外の何物でもない。
ヴェルディを敬愛しているからって、おフランスのオシャレな歌までヴェルディにしてしまっては・・。
押し付けがましさ、鬱陶しさ、暑苦しさではナンバーワン!
「脳みそも声帯」なグロ様だけど、私にとってのオンリーワン!


No.19 シャルル・カンボン(Charles Cambon)フランス/1892 - 1965
半音下げ(レコードの回転速度の影響かも)/フランス語/録音年不詳
歌唱は地味だが、声音がどこかなまめかしく、じっと聴き入ってしまう。
この人の声を現代の録音技術で録ったらどんなふうに聴こえるんだろう。
別格のブランを除けば、フランス勢ではマッサールの次に好き・・かも・・。


No.20 ホセ・マルドネス(José Mardones)スペイン/1869 - 1932
原調/スペイン語??/録音年不詳 ⇒ YouTube
すごい録音を聴いてしまった。合唱がスリー・アミーゴスになってる~www
これぞ「歴史的ネタ」。
そもそも1869年生まれって…(*゚Д゚)

No.11~15 ローズ, ギャウロフ, ホロストフスキー, コロンボ, ダルカンジェロ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 へえぇ~バスが歌うエスカミーリョ(バスカミーリョ)もいいじゃん、と思い始めた。
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No.11 テディ・タフ・ローズ(Teddy Tahu Rhodes)ニュージーランド/1966-
原調/フランス語/2010年Metのライブ
ブランのような微妙なハスキーヴォイスでセクシー。一方低音はよく響いて全体的にはマッチョな歌唱。
「ら〜あ〜むぅ〜〜る♪」はかなりエロかも。でも下品にはならないのね。
現代的で良いんじゃないかな?


ghiaurov.jpgNo.12 ニコライ・ギャウロフ(Nicolai Ghiaurov)ブルガリア/1929 - 2004
原調/フランス語 ⇒ YouTube
美麗、端整、勇壮、そして紳士。
バス歌手は重いので私は敬遠しがちなんだけど、この人のはテンポも良く気にならない。
歌に振り回される歌い手も多いけど、ギャウロフはさすが、安定してます。
こんな人とケッコンしたいね+(0゚・∀・) +


horo.jpgNo.13 ディミトリー・ホロストフスキー(Dmitri Hvorostovsky)ロシア/1962 -
原調/フランス語/2006年モスクワでのコンサート音源 ⇒ YouTube
ビブラート、盛大な♯、どれをとってもオモシロイ!(褒めてます、褒めてますよ!)
歌い崩しもこの人なら許せる。
歌い手の個性が歌に勝つ、これが「その歌をモノにした」ってことなんでしょうね。


No.14 シピオ・コロンボ(Scipio Colombo)イタリア/1910 - 2002
原調/イタリア語/1959年東京のライブ
第二次イタリア歌劇団来日時の貴重な録音。
ヴェルディを聴きたくなってくる歌唱ですがエスカミーリョも悪くない。声の明るさが曲に合ってる。


No.15 イルデブランド・ダルカンジェロ(Ildebrando D'Arcangelo)イタリア/1969 -
原調/フランス語/2006年ROHのライブ
有名な、馬に乗って歌ったやつです。
実演でも聴いたことがあるけど、この人が歌うとえらく地味。
メロディラインもはっきりしないしテンポもモタつき感がある。
ファンの方が読んでらしたらゴメンナサイだけど、この人の歌唱を生かす歌はもっと他にあるんだと思う。
同じくROHで聴いたフィガロ(ケッコンするほう)はとっても良かった。

No.6~10 ロヴァーノ , ゴリン , エディ , ポリトコフスキー , バスティアニーニ① ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 いきなりバスティアニーニ登場。テンション上がるけど、お楽しみは後にとっておきたかった気も…。
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No.6 ルシアン・ロヴァーノ(Lucien Lovano)
原調。フランス語。1942年の録音。
闘牛士の歌に限ってはフランス語圏の歌手にとことん甘い私ですけど、この人のはどうも・・。録音技術が古いので、あくまでも想像の範疇ですが、歌謡曲みたい。声の響きはきれいですけど。


No.7 イゴール・ゴリン(Igor Gorin) オーストリア/1904-1982
全音上げ(*1)。フランス語。1945年の録音。
バリトンらしい明るい声でほのかになまめかしさもあり。キーが高すぎる違和感を除けば好感度の高いエスカミーリョ。


No.8 ネルソン・エディ(Nelson Eddy) アメリカ/1901-1967
半音上げ(*1)。フランス語。1938年の録音。
YouTubeにあったから追加したけど、この人はオペラ歌手じゃないよね。なんか別の歌みたい。いかにこの歌が有名か証明するような録音でしょう。
とはいえ、歌は上手い。


No.9 ウラジミール・ポリトコフスキー(Vladimir Politkovsky)
原調/ロシア語/録音年不詳 ⇒YouTube
ロシア語のトレアドール、初めて聴いた!! かなり不思議な感じですが、音楽的な違和感はさほどありません。
何と歌っているのかはKasitankaさんならおわかりになると思います。
私もまぁ、「と~れあど~る」と「あ~~~~」くらいは聴き取れたけどね~(←そこはロシア語じゃない)
声は、"泣きべそルーナ"のレナード・ウォーレンをもちっと爺さんにしたような感じです。


aniniport2.jpgNo.10エットレ・バスティアニーニ①(Ettore Bastianini) イタリア/1922-1967
原調/イタリア語/58年ナポリのライブ ⇒YouTube
えこひいきをしちゃいけないと思いつつも、やっぱりこの人もド本命です。
某お仲間に「忘年会で録ったのか」と言われたほどの音質ですが、遠くから聞こえてくる歌唱は王様のようにカッコ良い。
あえて言わせていただけるのなら、エスカミーリョというより「バスティアニーニ」。 バスティアニーニが牛と相撲をとっていますよ?
別にも音源があるので続きはそちらで。


(*1)演奏スピードも速いので、レコードの回転速度の影響かと思われます。

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