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マリウシュ・クヴィエチェンの 《ドン・ジョヴァンニ》@新国立劇場 4/24 [オペラ実演レポ]

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《ドン・ジョヴァンニ》の1文あらすじ。

1800人以上もの女性を手篭めにしてきたスペインの好色貴族ドン・ジョヴァンニが、ドンナ・アンナの夜這いに失敗して父親の騎士長を殺してしまい、そこから運気が下がり始めて、最終的には天罰が下り地獄へ引きずりこまれる話。


 理想的なドン・ジョヴァンニを生で聴けて、ガチでときめく日が来るなんて、数日前には考えもしなかったことです。

「アンタにはトーマス・アレンってアイドルがいるでしょうが」なんてツッコミが入りそうですが、私は特にアレンのドンが気に入って彼のファンになったわけではないのでして。そんなことはどーでもいいの。(もちろん、アレンがかつてドンジョ歌いとして名を馳せていたことは、ファンとして誇らしく思っていますよ)。

 思い入れはそれなりに強いので、ドンジョ歌いにはアレコレ文句はつけても滅多に褒めない主義ですけど、マリウシュ・クヴィエチェンのドンは間違いなく、新国上演史で語り継がれる伝説の一つになるでしょう。

 ついこないだまで「クヴィエチェン? 誰ですかそれ?」なんて、オペラファンにあるまじき発言をしていた私(メト来日公演の時期はモロに寝込んでいたんで…)に、「行ったほうがいい」「行かなきゃダメだよ」と背中を押してくださった皆さん、ありがとうです!

 クヴィエチェンを聴かずしてバリトン好きを名乗る資格はございません!(←気に入ると手のひらを返します)

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No.56~60 マズロク②, ナウリ, ブラン③, トゥマニャン①, ヘルマン ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

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No.56 ユーリ・マズロク ②(Yuri Mazurok)ポーランド(ウクライナ系)/1931 -
原調/ロシア語/1982年コンサート?
線は細いが、テンションの高さでカバーしている。エスカミーリョもキャラ的に脳みそ筋肉系だと思うので、こういうアプローチも良いですね。でもエレガントさはクライバーでのフラ語歌唱のほうが濃かったような。クライバー効果か、言語の持つ力なのか。


No.57 ローラン・ナウリ (Laurent Naouri)フランス/1964 -
原調/フランス語/2002年グラインドボーン
なかなか威勢がよく男前なのですが、「と〜れ〜あどーる、おんが〜〜ぁ〜〜るで〜」の小声がお化けが出ちゃいそうでいけません。エスカミーリョとしてのキャラは立ってると思いますが。


sawayakablanc.jpgNo.58 エルネスト・ブラン ③(Ernest Blanc) フランス /1923 - 2010
原調/フランス語/1963年ブエノスアイレス ⇒ YouTube
アラ先生、「Qu'un œil noir te regar〜〜〜de!」の伸ばしが1拍短いわ(笑) 爽やかでシュテキな歌唱をするお方ですが、たまにオンチになったりズレたりするというご愛嬌もありますの。ほほほ。
ブランは声で得をしているとつくづく思う。専売特許のデレカントを除けば、特に小技で攻めてくるわけでもない。楽譜どおりに歌っているだけ。それだけでこんなに素敵な闘牛士になれるのだから、もうこの歌はブランのために存在するとしか言いようがr(ry ←あまりに客観性のないコメントの為自主規制


barsegport.jpgNo.59 バルセク・トゥマニャン ①(Barseg Tumanyan) アルメニア /1958 -
原調/フランス語/録音年不詳
あら素敵な声…と惚れかけたんだけど、後に行きしに大声コンテスト、というか樽投げコンテスト的力みが…。「Et songe bien, oui, songe en combattant 」のレガートは色っぽいのになぁ。
(…と酷評したのですが、最近新たにもっとステキな音源を見つけたので、続きはそちらで)


No.60 ヨーゼフ・ヘルマン (Josef Hermann) ドイツ /1903 - 1955
半音下げ/ドイツ語/1942年の録音 ⇒YouTube
この人のせいではなく、全ては言語と旋律の相性の悪さなんだけど、これは既に「演説」だ…。ドイツリートを歌わせたら柔らかくていい声なんだろうけど。テンポも遅いから(レコードの回転速度の問題?)言語の違和感がよけいに際立つ。

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