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夢とロマンの「クレド」/14人のイァーゴ [オペラ録音・映像鑑賞記]

gobija.jpg 19世紀生まれのアンティーク歌手たちによる《オテロ》、名場面集より。14人のイァーゴ聴き比べ。

 第2弾は「クレド(無慈悲な神の命ずるままに/悪の信条)」です。

 シェイクスピアの原作には無い、ヴェルディの《オテロ》独自のシーン。
「俺は残忍な神の申し子であり、悪そのものなのだ」と、イァーゴの本性があからさまに語られます。

 この独白により、イァーゴがオテロを陥れるのは「自分を引き立ててくれなかったことへの恨み」ではなく(それは表向きの理由)、そもそもが悪魔的な人間だからだということになるのですが、それを言葉どおりに受け取るか、裏に隠された意味を読み取るかで、この卑劣なキャラクターの演じ方が変わってきます。

 その昔はストレートに悪を肯定する表現が主流だったのではないかと思われます。イァーゴ名人ティト・ゴッビ(右上)はおそらくその最高峰。とんでもなく憎々しい「悪人イァーゴ」を見事に演じ、歌っています。一方、最近ではこの独白の言外に滲み出るイァーゴの自嘲を嗅ぎ付け、より複雑な性格表現を試みる歌唱も増えてきたのではないでしょうか。

「酒の歌」のコメント欄にてkeyakiさんが仰っていた、“ラストの高笑い” をどう処理するかも、それぞれの歌手の個性が見えて楽しめます。

 尚、「クレド」から我が家の最強ポケモンであるところのティッタ・ルッフォも参戦します。大声では負ける気がしません。大声では。

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