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夢とロマンの「ある夜のこと」/14人のイァーゴ [オペラ録音・映像鑑賞記]

othelloiago.jpg 19世紀生まれのアンティーク歌手たちによる《オテロ》名場面集より。14人のイァーゴ聴き比べ。

“ある夜のことです。宿舎でカッシオと眠っていた折、私は聞いてしまったのです。
 彼の唇がゆっくりと動いて、デズデーモナへの禁断の愛を囁くのを…!”


 オテロの妻デズデーモナと腹心カッシオの不義を吹き込むイァーゴの語り。
 淫らな夢を見るカッシオ(もちろん全くの作り話)を真似て、甘美で官能的な言葉を囁き、オテロの嫉妬心を煽ります。

「酒の歌」では豪快に、「クレド」では悪魔的な歌唱を繰り広げるこの役に与えられた、唯一のお色気っぽい歌唱が聴けるシーン…ということで、妙なハイテンションで聴いてしまう私(笑) イヴをそそのかす蛇のような狡猾なアプローチでも構わないのですが、ここを官能的に歌うからこそ、証拠もないのにオテロの猜疑心が一気に沸点に達するのでは?と思っております。

 バリトンのセクシー歌唱を聴きたいだけという、「趣味」の問題かもしれませんが(笑) 我らがアンティーク・バリトンの先生方のお色気度は如何に。

 尚、この回には、1887年の《オテロ》初演時にイァーゴを歌ったヴィクトール・モレルが参戦します。

 ※右上は1995年の映画『オセロー』の1シーン。ローレンス・フィッシュバーンのオセローと、ケネス・ブラナーのイァーゴ。


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