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《ローエングリン》@新国立劇場 6/13 -- フォークト! フォークト! そして伝令 [オペラ実演レポ]

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《ローエングリン》の1文あらすじ。

無実の罪をきせられたエルザ姫は、突然現れた白鳥の騎士に「決して名前を問わぬ」ことを条件に窮地を救われ、愛し合うも、魔女に唆されて騎士の名前を尋ねてしまい、騎士の愛と庇護を失う話。

 とにかく目当てはクラウス・フロリアン・フォークトです。

 フォークト! フォークト!

 演奏の良し悪しや歌のテクニック云々より、歌手の「声」そのものに興味のある私にとって、フォークトさえ聴けるのなら、苦手な作曲家だろうがその中でも特に苦手な演目だろうが(たぶんそうだと思う)関係ない。

 苦手といいつつ、演奏を聴いていて鳥肌が立ったポイントは2つあって、1つ目は1幕への前奏曲。2つ目がフォークトの登場の第一声で、あれを聴いた瞬間に、オケも他の歌手も作品の好き嫌いも拘束時間5時間の恐怖も消えてなくなってしまいました。

 神懸りとでも言いましょうか。あの透明感、清らかさ、曲がることのない光のように、真っ直ぐに響く力強さ。これが人間であってよいものか。「天上の声」とはこのことだ。

 その清らかな美声の、なんと残酷であったこと……。

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