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【相撲】/オモシロ歌唱鑑賞用語 [オモシロ歌唱事典]

Scarpiawixell.jpg 初出:《トスカ》@新国立劇場12/2 -- 不完全燃焼

 オモシロ歌唱鑑賞法の一つ。当ブログ特有の表現。

 歌唱のテクニックよりも声量を第一に誇る、いわゆる「大声歌手」同士が、重唱等で自慢の大声を張り上げ、演技そっちのけで目立とうとする、あるいは共演者の声をかき消そうとしている様子を、ネタとして面白がってこう呼ぶ。
 いわば「声による押し相撲」である。

 二重唱の場合は「タイマン」、三重唱の場合は「三つ巴」。

 《トスカ》の“テ・デウム”などでは、スカルピア歌手がオーケストラや合唱を相手に、自分の大声をかき消されまいと無謀なタイマンに及ぶことがある。それを「合唱との相撲」と呼ぶ。

 同義語として「大声大会」「大声合戦」がある。

 大声ではなく、息の長さや早口などを競う「技相撲」もある。
 (早口相撲はトーマス・アレンが得意とすると分野である)

 専門用語ではないため、一般的な使用は勧められない。



 兄ぃニのスカルピアについて語ったら、自分のブログにこんなカテゴリがあったことを思い出しました。

 ウチのブログで1、2を争うくっだらないカテゴリなんですが、常々私が「笑える」「笑える」と言っている意味を理解していただきたいのと、もしかしたら同じ視点でオペラを楽しむ“同士”が現れるかも・・?という淡い期待を抱いて、更新しときます。

 「続きを読む」以下に、《トスカ》のテ・デウムにおける“オケとの相撲”の名勝負をYouTubeから集めました。
 勝ち負けは関係ありません。歌手の気迫が大事です。

 ちなみに、右上の画像はスカルピア役で人気のあった大声バリトン、イングヴァール・ヴィクセル
 この人も昨年10月8日に亡くなりました。享年80才。このネタ記事はヴィクセルへのオマージュでもあります。

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タグ:ネタ YouTube

【デレカント唱法】/歌唱用語 [オモシロ歌唱事典]

※10/19 試聴ファイル、差し替えしました。

 初出:ブランク先生の『椿姫』/Le Chant Francais1948-1965

young-blanc.jpg オモシロ歌唱技法の一つ。当ブログの造語。
 
 フランスの往年のヘルデン・バリトン、エルネスト・ブランク(Ernest Blanc 1923~)独自の歌唱法を指す。過剰なレガートにより、デレデレとセクシーに聴こえることから、イタリア・オペラの歌唱用語「ベルカント」をもじってこう呼ばれる。

 技法としては強調された「レガート(連続する2つの音を途切れさせずに歌うこと)」に分類されるが、ブランクの歌唱においては、必ずしもスコアにその指定がされているとは限らない。また、2音の繋がりではなく、フレーズの最初の音の入りにデレカントを入れてくる例も多いため、「レガート」ではなく単なる「歌い癖」としか考えられない節もある。
 が、この特徴的な歌唱法が、時に「あっは~ん」「うっふ~ん」と悶えているかのようなお色気ニュアンスを添えるとして、現在にいたるまで一部のマニアックな聴き手の間で根強い人気を誇っている。

 レオ・ヌッチの「ずりあげ歌唱」とは、お色気の有無で一線を画す。

 専門用語ではないため、この用語の一般使用は勧められない。



 今ではすっかりアレン一色になっていますが、もともとオペラのブログを始めたのは、ブランク先生の歌唱について語りたかったためなのでした。
 初心に戻って、大盤振る舞いしときます。


 ↓↓「デレカント唱法」のサンプルはこちら↓↓


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【オホホホ唱法】/歌唱用語 [オモシロ歌唱事典]

 初出:サー・トーマス・アレンのリサイタル/Wigmore Hall 7/7

 オモシロ歌唱技法の一つ。当ブログの造語。

 アジリタ(細かくて速いパッセージ)を歌う時にレガートでやらずに、つまり音を繋げずに、音符の境目に子音「h」を入れてしまう歌い方の総称。例えば、母音「o」を伸ばしながらこれをやると「オホホホ」と言っているように聞こえる為にこう呼ぶ。
 母音によっては「イヒヒヒ(母音 i )」「アハハハ(母音 a )」と聞こえることもある。
 アレンは特に「オホホホ」が目立つ。アレンの場合、アジリタが短いと咳払いをしているようにも聞こえるため、そこから「咳払い唱法」という呼び名も派生した。
 専門用語ではないため、この用語の一般使用は勧められない。

 



 せっかく音声ファイルのたくさん上げられるso-netに引っ越してきたので、以前から密かに計画していた「オモシロ歌唱事典」の編纂に着手してみます。ハイ、ウチはネタblogですから(笑)

 

 さて、音の境目に「h」が入る歌い方は、べつにアレン独自のものではなく、こういう歌い方をしている歌手は普通に大勢いらっしゃいます。声楽の先生によっては「駄目」という方もいらっしゃるようですけど、私は歌をやっていないので実際のところはわかりません。

 「h」が入る歌い方と入らない歌い方を使い分けていると思われる歌手もいますし、頑なに入れない(ように頑張っていると思われる)歌手もいます。ちなみに私は入らない歌い方のほうが好きですが、アレンがやるとオモシロいのでチェックポイントにしています。

 アレンは本当に「オホホホ」「オホホホ」うるさいんですけど、ごくたまに意識的に音を繋げて滑らかに歌っている録音もあるのでして、 そんな時には「やればできるじゃないの~ォ(*゚Д゚)」なんて大騒ぎしちゃいます♪

 ↓↓「オホホホ唱法」のサンプルはこちら↓↓

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タグ:試聴
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