[ドンジョ映画化につき再掲]アレンの“愛弟子”!? -- 勇者マルトマンのインタビュー [オペラの話題]
※’12/3/19追記。
インタビューの後半でちょっとだけご紹介した“ドンジョ映画化”の件、実現しました。(⇒公式サイト)
書いた私は忘れていた気付いていなかったのですが、教えてくださったgalahadさんが鑑賞記事をアップされましたので、リンクさせていただきます。⇒映画 JUAN:In fernem Land unnahbar euren Schritten....
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2008-10-18
ヴィノ君のヒゲ剃りクリームであやしく盛り上がっているROHの《ラ・ボエーム》。真相は、マルチェッロ役のクリストファー・マルトマンの気が効かなかったってことでOK?
そのマルトマンのインタビューがMusicalCriticism.comに出ています。長いので、オイシイ部分だけご紹介。
まず《ラ・ボエーム》のマルチェッロについてですが、彼が初めてプロとしてMid-Wales Operaに出演した時に歌った役なのだそうで、それなりに思い入れもあるみたいですね。今回ROHのこのプロダクションでマルチェッロを歌うことは「ちょっとした心の休日」なんて言っています。
かと言って、気を抜いているというわけではなく(弟分のクリームを拭うのは忘れたようですがw)、「どんな役であってもないがしろにはしたくない。可能な限りその役を理解して演じることが僕の仕事です」と言い添えたりなんかしているところ。歌唱からうかがえる“生真面目さ”が言葉の端々からもにじみ出ている感じがします。
さて、マルトマンは今年の夏のザルツブルク音楽祭の《ドン・ジョヴァンニ》でタイトルロールを務めたばかり。
「エーベルハルト・ヴェヒター、ティト・ゴッビ、シエピとか、伝説の歌手たちの後に僕が続くのかと思うと、肩にずっしりと責任がのしかかったみたいで……『神様、僕なんかでいいんでしょうか』という思いと『やったぁ!! スバラシイ!!』という思いが半々で……」
なんて、またもや真面目な好青年ぶりのうかがえるお言葉(笑)
ですが、謙虚なだけでなく、自分のシゴトの方向性にかなり意識的で誇りを持っているのだろうと思わせる発言もあるのです。例えば今年2月にサイモン・キーンリーサイドとダブルキャストだった《魔笛》のパパゲーノについては、こんな感じ。
「音楽の水準が保たれるというのであれば、フィジカルな面が要求されるような演技・演出もアリだと思います。僕にとってオペラとは、歌を聴かせるだけで、美術や衣装は付けたしってもんじゃないんです。演奏者側にとっても観客側にとっても、これぞ最高のオペラだ!!と思えるのは、音楽やヴィジュアルやドラマ全ての芸術が融合されたもの。それらの要素をいっしょくたにして放り投げて、パァッ!!ときらめく。そうやってオペラにドラマ性とリアリズムをもたらすんです」
そしてここで、インタビュアーがナイス質問。
実はマルトマン、2007年6月に、ニューカッスルのセージ・ゲーツヘッドにて、我らがじーちゃんトーマス・アレン演出による《ドン・ジョヴァンニ》でタイトル・ロールを歌っているんですよね。
なんて勇者な…!!
と、私がマルトマンを応援しちゃう理由も、半分以上はこんなところにあったりします。
というのは、ここ日本での評判はともかくとして、じーちゃん本人は「オレ様こそがドン・ジョヴァンニの生まれ変わり」みたいなイタタな発言が多いですから、そんなじーちゃんのもとでドンジョを歌って演じるだなんて、さぞかしプレッシャー……というか、ぶっちゃけウザかったろうなぁと想像に難くないわけで。
しかし、そこは“大人”なマルトマン。
「トムには確かに特別なものを感じました。イギリス人の“ドン・ジョヴァンニ”だからってことではないですけど、彼には僕が歌手として尊敬している全ての特質があるんです。歌唱力や演技力だけじゃなくて、鋭敏な知性もそうですし、ステージで歌うことだけに満足せずに役柄になりきろうとする渇望などです。その役に没入して、命を吹き込もうとするんですね。僕も彼も演劇という伝統を有するこの国の人間なので、より演技の面に意識が向きやすいし、音楽の伝統もきちんと受け継がれているんじゃないかと思います」
ちゃんと“師匠”(*1)を立ててくれていますネ。ありがとーマルトマン。いい子だネ(*´∨`)
ちなみに、アレン演出の《ドン・ジョヴァンニ》がどんな舞台だったのか。ソースはネット上にちょこちょこあるので、こちらも暇をみつけてブログにまとめる予定です。(“愛弟子”マルトマンとのカンドー的なエピソードもあるのヨ)
さて、マルトマンの今後の予定は、ROHでは《ラ・ボエーム》と《利口な女狐の物語》、Metでの《魔笛》、ケルンで《ドン・ジョヴァンニ》など。
なんだかドンジョづいてますね。
私はマルトマンのドンジョって、なんだかピンとこないんですが。ザルツでのドンジョの写真を見ますと、演出のせいかもしれませんが、いわゆるカッコよくてセクシーなジョヴァンニとは違いそうだし。
歌唱かなぁ~? でも歌唱も、特にそれらしい特徴が見出せないんだけどなぁ~、今のところは。
でも、ザルツブルク音楽祭でも歌ったわけですし、なんとドンジョの映画化の話もあるんだそうですから、ドンジョ歌いとして評価され始めているのかもしれません。
いいなぁ~。“師匠”のアレンだって、ドンジョの映画は無いですよ。というか、映像でも録音でも、正規盤ではアレンの最高のジョヴァンニってのは残っていないんじゃないかしら。
そういう意味では、“愛弟子”マルトマンがドンジョ歌いとして名を馳せてくれて、それを追っかけたりしたら楽しいだろうなって気もするのですけど。でも愛って意図的に芽生えるものではないですし、そもそも代償とするにはちょっとタイプが違いすぎるし。しばらくは、「アレンと縁のあるバリトン君」として、気にかけておくくらいにしようかな;;;
(*1)アレンとマルトマンが実際に師弟関係にあるわけではありません。
インタビューの後半でちょっとだけご紹介した“ドンジョ映画化”の件、実現しました。(⇒公式サイト)
書いた私は
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2008-10-18
ヴィノ君のヒゲ剃りクリームであやしく盛り上がっているROHの《ラ・ボエーム》。真相は、マルチェッロ役のクリストファー・マルトマンの気が効かなかったってことでOK?
そのマルトマンのインタビューがMusicalCriticism.comに出ています。長いので、オイシイ部分だけご紹介。
まず《ラ・ボエーム》のマルチェッロについてですが、彼が初めてプロとしてMid-Wales Operaに出演した時に歌った役なのだそうで、それなりに思い入れもあるみたいですね。今回ROHのこのプロダクションでマルチェッロを歌うことは「ちょっとした心の休日」なんて言っています。
かと言って、気を抜いているというわけではなく(弟分のクリームを拭うのは忘れたようですがw)、「どんな役であってもないがしろにはしたくない。可能な限りその役を理解して演じることが僕の仕事です」と言い添えたりなんかしているところ。歌唱からうかがえる“生真面目さ”が言葉の端々からもにじみ出ている感じがします。
さて、マルトマンは今年の夏のザルツブルク音楽祭の《ドン・ジョヴァンニ》でタイトルロールを務めたばかり。
「エーベルハルト・ヴェヒター、ティト・ゴッビ、シエピとか、伝説の歌手たちの後に僕が続くのかと思うと、肩にずっしりと責任がのしかかったみたいで……『神様、僕なんかでいいんでしょうか』という思いと『やったぁ!! スバラシイ!!』という思いが半々で……」
なんて、またもや真面目な好青年ぶりのうかがえるお言葉(笑)
ですが、謙虚なだけでなく、自分のシゴトの方向性にかなり意識的で誇りを持っているのだろうと思わせる発言もあるのです。例えば今年2月にサイモン・キーンリーサイドとダブルキャストだった《魔笛》のパパゲーノについては、こんな感じ。
「音楽の水準が保たれるというのであれば、フィジカルな面が要求されるような演技・演出もアリだと思います。僕にとってオペラとは、歌を聴かせるだけで、美術や衣装は付けたしってもんじゃないんです。演奏者側にとっても観客側にとっても、これぞ最高のオペラだ!!と思えるのは、音楽やヴィジュアルやドラマ全ての芸術が融合されたもの。それらの要素をいっしょくたにして放り投げて、パァッ!!ときらめく。そうやってオペラにドラマ性とリアリズムをもたらすんです」
そしてここで、インタビュアーがナイス質問。
実はマルトマン、2007年6月に、ニューカッスルのセージ・ゲーツヘッドにて、我らがじーちゃんトーマス・アレン演出による《ドン・ジョヴァンニ》でタイトル・ロールを歌っているんですよね。
なんて勇者な…!!
と、私がマルトマンを応援しちゃう理由も、半分以上はこんなところにあったりします。
というのは、ここ日本での評判はともかくとして、じーちゃん本人は「オレ様こそがドン・ジョヴァンニの生まれ変わり」みたいなイタタな発言が多いですから、そんなじーちゃんのもとでドンジョを歌って演じるだなんて、さぞかしプレッシャー……というか、ぶっちゃけウザかったろうなぁと想像に難くないわけで。
しかし、そこは“大人”なマルトマン。
「トムには確かに特別なものを感じました。イギリス人の“ドン・ジョヴァンニ”だからってことではないですけど、彼には僕が歌手として尊敬している全ての特質があるんです。歌唱力や演技力だけじゃなくて、鋭敏な知性もそうですし、ステージで歌うことだけに満足せずに役柄になりきろうとする渇望などです。その役に没入して、命を吹き込もうとするんですね。僕も彼も演劇という伝統を有するこの国の人間なので、より演技の面に意識が向きやすいし、音楽の伝統もきちんと受け継がれているんじゃないかと思います」
ちゃんと“師匠”(*1)を立ててくれていますネ。ありがとーマルトマン。いい子だネ(*´∨`)
ちなみに、アレン演出の《ドン・ジョヴァンニ》がどんな舞台だったのか。ソースはネット上にちょこちょこあるので、こちらも暇をみつけてブログにまとめる予定です。(“愛弟子”マルトマンとのカンドー的なエピソードもあるのヨ)
さて、マルトマンの今後の予定は、ROHでは《ラ・ボエーム》と《利口な女狐の物語》、Metでの《魔笛》、ケルンで《ドン・ジョヴァンニ》など。
なんだかドンジョづいてますね。
私はマルトマンのドンジョって、なんだかピンとこないんですが。ザルツでのドンジョの写真を見ますと、演出のせいかもしれませんが、いわゆるカッコよくてセクシーなジョヴァンニとは違いそうだし。
歌唱かなぁ~? でも歌唱も、特にそれらしい特徴が見出せないんだけどなぁ~、今のところは。
でも、ザルツブルク音楽祭でも歌ったわけですし、なんとドンジョの映画化の話もあるんだそうですから、ドンジョ歌いとして評価され始めているのかもしれません。
いいなぁ~。“師匠”のアレンだって、ドンジョの映画は無いですよ。というか、映像でも録音でも、正規盤ではアレンの最高のジョヴァンニってのは残っていないんじゃないかしら。
そういう意味では、“愛弟子”マルトマンがドンジョ歌いとして名を馳せてくれて、それを追っかけたりしたら楽しいだろうなって気もするのですけど。でも愛って意図的に芽生えるものではないですし、そもそも代償とするにはちょっとタイプが違いすぎるし。しばらくは、「アレンと縁のあるバリトン君」として、気にかけておくくらいにしようかな;;;
(*1)アレンとマルトマンが実際に師弟関係にあるわけではありません。
[命日訂正]リタ・ゴールの訃報(2012年1月22日) -- ブランとの共演を偲んで [オペラの話題]
※keyakiさんにご指摘いただき、ゴールの命日を訂正しました。
ネットをさまよっていて、あっとびっくり。
私の大好きなメゾソプラノ、リタ・ゴールが、今年の1月に亡くなっていたんですね。
2012年1月21日22日、スペインのバレンシア州、デニアで長い闘病の末に逝去。享年85才との事です。
主な訃報記事は、OPERA NEWS と、GRAMOPHONE、Telegraph紙 です。
右上の画像をクリックすると、YouTubeに飛びます。リタの歌う《ドン・カルロ》のエボリ公女、"O don fatale"。
ヴェルディのメゾの歌で私が唯一涙してしまう曲で、この人の冷たくてマチュアな声で聴くのがとても好きでした。
Wikiや上記の記事を参考に、簡単に略歴をまとめておきます。
1926年、ベルギーのゼルザーテ生まれ。
看護師として働いていたところ、雇い主が彼女の歌の才能を見出して、声楽のレッスン料を負担してくれたのだそうです。
ヘントやブリュッセルで学んだ後、1946年のスイス、ベルビエでのコンテストで1等賞を受賞し、同年アントワープで《ワルキューレ》のフリッカ役でデビュー。
さらに1952年にはローザンヌでのコンテストで優勝し、同年にパリ・オペラコミーク座でデビュー(ウェルテルのシャーロット役)、続いて《ニュルンベルクのマイスタージンガー》でパリ・オペラ座デビューを果たしています。
OPERA NEWSによると、バイロイト音楽祭に初めて登場したのは1958年、《ラインの黄金》、フリッカ役で。続いて《ワルキューレ》、《神々の黄昏》の第3のノルン。(メゾソプラノなら””the second"のノルンだと思いますが、"the third"と書いてあります。これは記事の間違いでしょうか?)
記事では言及されていませんが、'59年のバイロイトでは《ローエングリン》でエルネスト・ブランと共演しています。
リタ・ゴールの歌手人生はたいへん長く、最後の舞台は2007年、チャイコフスキー《スペードの女王》の伯爵夫人。ベルギー、アントワープのVlaamse operaにて。なんと81才の時でした。
彼女の主なレパートリーは上記のワーグナー諸役に加えて、《サムソンとデリラ》のデリラ、《アイーダ》アムネリス、《ドン・カルロ》エボリ、《イル・トロヴァトーレ》アズチェーナ、カルメンなど。
おもしろいところでは、プーランクの《カルメル派修道女の対話》のマリーとクロワシー夫人、両方の録音を残しています。前者はデルヴォー、後者はケント・ナガノの指揮によるもの。どちらも是非聴いてみたい。
ネットをさまよっていて、あっとびっくり。
私の大好きなメゾソプラノ、リタ・ゴールが、今年の1月に亡くなっていたんですね。
2012年1月
主な訃報記事は、OPERA NEWS と、GRAMOPHONE、Telegraph紙 です。
右上の画像をクリックすると、YouTubeに飛びます。リタの歌う《ドン・カルロ》のエボリ公女、"O don fatale"。
ヴェルディのメゾの歌で私が唯一涙してしまう曲で、この人の冷たくてマチュアな声で聴くのがとても好きでした。
Wikiや上記の記事を参考に、簡単に略歴をまとめておきます。
1926年、ベルギーのゼルザーテ生まれ。
看護師として働いていたところ、雇い主が彼女の歌の才能を見出して、声楽のレッスン料を負担してくれたのだそうです。
ヘントやブリュッセルで学んだ後、1946年のスイス、ベルビエでのコンテストで1等賞を受賞し、同年アントワープで《ワルキューレ》のフリッカ役でデビュー。
さらに1952年にはローザンヌでのコンテストで優勝し、同年にパリ・オペラコミーク座でデビュー(ウェルテルのシャーロット役)、続いて《ニュルンベルクのマイスタージンガー》でパリ・オペラ座デビューを果たしています。
OPERA NEWSによると、バイロイト音楽祭に初めて登場したのは1958年、《ラインの黄金》、フリッカ役で。続いて《ワルキューレ》、《神々の黄昏》の第3のノルン。(メゾソプラノなら””the second"のノルンだと思いますが、"the third"と書いてあります。これは記事の間違いでしょうか?)
記事では言及されていませんが、'59年のバイロイトでは《ローエングリン》でエルネスト・ブランと共演しています。
リタ・ゴールの歌手人生はたいへん長く、最後の舞台は2007年、チャイコフスキー《スペードの女王》の伯爵夫人。ベルギー、アントワープのVlaamse operaにて。なんと81才の時でした。
彼女の主なレパートリーは上記のワーグナー諸役に加えて、《サムソンとデリラ》のデリラ、《アイーダ》アムネリス、《ドン・カルロ》エボリ、《イル・トロヴァトーレ》アズチェーナ、カルメンなど。
おもしろいところでは、プーランクの《カルメル派修道女の対話》のマリーとクロワシー夫人、両方の録音を残しています。前者はデルヴォー、後者はケント・ナガノの指揮によるもの。どちらも是非聴いてみたい。
二つめの“動く”ブラン -- 《サムソンとデリラ》 チリ サンティアゴ市民歌劇場 [オペラの話題]
かなり以前になりますが、こちらの記事でエルネスト・ブランが(たまたま)出演していたLD《ボリス・ゴドノフ》(ライモンディ盤)を話題にしたことがありました。
これが唯一の“動く”ブランと思われていたのですが、灯台下暗し、YouTubeのこの映像にも(たまたま)ブランが映っていたのです!! またもやBasilioさんからの“通報”です。毎度ありがとうございます。
'84年、チリのサンティアゴ市民歌劇場での《サムソンとデリラ》。
ブランはお得意のダゴンの大司祭役ですね。
右上の画像をクリックすると、該当のYouTubeページへ飛びます。
画質がかなり悪いので絵を見ただけでは「本当にブランか?」と疑いたくなりますが、声を聴けば一目(耳)瞭然。ブランに間違いありません。
前出の《ボリス・ゴドノフ》が'80年の収録ですから、更に新しい映像となります。
なんと、御年61才!!
若い頃にくらべて声量は落ちていますが、敵役とは思えない爽やかな声音は健在。“デレカント”なレガートも’62年にヴィッカーズ、ゴールと組んだスタジオ録音での歌唱と変わりません。
この歌い癖を“売り”としてきたブランですから。大司祭役も何度も歌ったと思いますが、何十年も同じ歌唱スタイルを貫いてきたんでしょう。ファンとしてとっても嬉しいです。
映像の詳細はこちらです。ちゃんと正規盤。YouTubeに上がっているのはVHSだと思いますが、嬉しいことにDVDも出ているんですね。
リージョンコードに阻まれるのでなければ、なんとか手に入れたいものです。
これが唯一の“動く”ブランと思われていたのですが、灯台下暗し、YouTubeのこの映像にも(たまたま)ブランが映っていたのです!! またもやBasilioさんからの“通報”です。毎度ありがとうございます。
'84年、チリのサンティアゴ市民歌劇場での《サムソンとデリラ》。
ブランはお得意のダゴンの大司祭役ですね。
右上の画像をクリックすると、該当のYouTubeページへ飛びます。
画質がかなり悪いので絵を見ただけでは「本当にブランか?」と疑いたくなりますが、声を聴けば一目(耳)瞭然。ブランに間違いありません。
前出の《ボリス・ゴドノフ》が'80年の収録ですから、更に新しい映像となります。
なんと、御年61才!!
若い頃にくらべて声量は落ちていますが、敵役とは思えない爽やかな声音は健在。“デレカント”なレガートも’62年にヴィッカーズ、ゴールと組んだスタジオ録音での歌唱と変わりません。
この歌い癖を“売り”としてきたブランですから。大司祭役も何度も歌ったと思いますが、何十年も同じ歌唱スタイルを貫いてきたんでしょう。ファンとしてとっても嬉しいです。
映像の詳細はこちらです。ちゃんと正規盤。YouTubeに上がっているのはVHSだと思いますが、嬉しいことにDVDも出ているんですね。
リージョンコードに阻まれるのでなければ、なんとか手に入れたいものです。
エルネスト・ブラン/Ernest Blanc (2010.12.22 逝去) 追悼盤を購入 [オペラの話題]
ブログ休止中にもオペラ界ではいろいろな出来事がありましたが、この『毎日オペラ』で最も大きく取り上げるべきは、エルネスト・ブラン(Ernest Blanc)(*1)が亡くなられたことでしょう。
クリスマス間近の2010年12月22日、生まれ故郷のプロヴァンス、サナリー・シュルメールにて。
享年87才でした。
1年以上も前のことですので今更記事にするのもどうかと思ったのですが、いまだに“Ernest Blanc”でググると日本語サイトの上位に私のブログが表示されてしまいますので、責任をとって(?)最低限の情報をまとめておこうと思います。
追悼記事はこちら“Ernest Blanc s'est tu pour toujours ”(『エルネスト・ブラン永久に逝く』とでも訳すのかな?)を参照。
フランス語が全くわかりませんので翻訳サイトによる怪しい訳文を読み解くしかないのですが、ブランもピーター・グロソップ同じく労働者出身。トゥーロンの軍需工場で働いていたそうです。
それからのキャリアは長く、70才近くまで歌っていたとか? 引退後はしばらくパリで後進の指導にあたっていたようですね。
ブランはフランス人だてらにバイロイトに2度も招待され、《ローエングリン》のテルラムントを歌いました。ヴォータンのオファーもあったそうですが、そちらは「私の声はふさわしくない」と断ったようです。
ワーグナー歌いにしてヴェルディ・バリトンであり、ご本家のフランス・オペラでは右に出る者なし。代表的な当たり役、《カルメン》のエスカミーリョについては、そのエレガントな歌いっぷりがこの追悼記事でも言及されています。
その幅広いレパートリーを彷彿とさせる追悼盤。本日、山野楽器で見つけてホクホク買って参りました。
Amazonのよか¥500も安かったの~(*´∨`)
CDジャケットの舞台写真は《タンホイザー》のヴォルフラムでしょうか。
こーゆー舞台衣装のオペラを私は「ネグリジェ演目」と呼んでいるのですが、そのネグリジェと、微妙に小首を傾げた仕草と、いかにも南仏人っぽいキラキラお目目・・。ちょっと…いや、かなり引く…。
やはりこのお方だけは、ワタクシ、本当に本当にそのセクシーなお声に一耳惚れをしたのであって、決して外見に惹かれたのではないワ~と断言できるのですけど(つまり、好みじゃないと言いたいんですが;;;)。
久しぶりにじっくりとブラン先生の“デレカント”歌唱を聞きながらこのお写真を眺めていると、結局「声が好きなら何でもイイ!!」という気がしてきますね(つまり、やっぱりカッコいい~!!と言いたいわけです;;;)。
まぁお顔のことはさておき、肝心の中身の感想です。
クリスマス間近の2010年12月22日、生まれ故郷のプロヴァンス、サナリー・シュルメールにて。
享年87才でした。
1年以上も前のことですので今更記事にするのもどうかと思ったのですが、いまだに“Ernest Blanc”でググると日本語サイトの上位に私のブログが表示されてしまいますので、責任をとって(?)最低限の情報をまとめておこうと思います。
追悼記事はこちら“Ernest Blanc s'est tu pour toujours ”(『エルネスト・ブラン永久に逝く』とでも訳すのかな?)を参照。
フランス語が全くわかりませんので翻訳サイトによる怪しい訳文を読み解くしかないのですが、ブランもピーター・グロソップ同じく労働者出身。トゥーロンの軍需工場で働いていたそうです。
それからのキャリアは長く、70才近くまで歌っていたとか? 引退後はしばらくパリで後進の指導にあたっていたようですね。
ブランはフランス人だてらにバイロイトに2度も招待され、《ローエングリン》のテルラムントを歌いました。ヴォータンのオファーもあったそうですが、そちらは「私の声はふさわしくない」と断ったようです。
ワーグナー歌いにしてヴェルディ・バリトンであり、ご本家のフランス・オペラでは右に出る者なし。代表的な当たり役、《カルメン》のエスカミーリョについては、そのエレガントな歌いっぷりがこの追悼記事でも言及されています。
その幅広いレパートリーを彷彿とさせる追悼盤。本日、山野楽器で見つけてホクホク買って参りました。
Amazonのよか¥500も安かったの~(*´∨`)
CDジャケットの舞台写真は《タンホイザー》のヴォルフラムでしょうか。
こーゆー舞台衣装のオペラを私は「ネグリジェ演目」と呼んでいるのですが、そのネグリジェと、微妙に小首を傾げた仕草と、いかにも南仏人っぽいキラキラお目目・・。ちょっと…いや、かなり引く…。
やはりこのお方だけは、ワタクシ、本当に本当にそのセクシーなお声に一耳惚れをしたのであって、決して外見に惹かれたのではないワ~と断言できるのですけど(つまり、好みじゃないと言いたいんですが;;;)。
久しぶりにじっくりとブラン先生の“デレカント”歌唱を聞きながらこのお写真を眺めていると、結局「声が好きなら何でもイイ!!」という気がしてきますね(つまり、やっぱりカッコいい~!!と言いたいわけです;;;)。
まぁお顔のことはさておき、肝心の中身の感想です。
フィリップ・ラングリッジが亡くなりました 2010.03.05 [オペラの話題]
少し出遅れておりますが、久々にネットに繋いだとたんに飛び込んできたニュースです。
英国人のテノール歌手、フィリップ・ラングリッジが3/5、癌のためロンドンで亡くなりました。享年70歳だったそうです。
(命日に諸説があるようですが、ROHの発表では3/5になっています)
08年12月のリチャード・ヴァン=アランに続いて、またもやENO《ビリー・バッド》でのアレンの共演者。この人のヴィア艦長もたいへん印象深かったですし、いつか生で歌唱を聴きたいと思っていたのでとてもショッキングでした。
昨今、英国のクラシック音楽関係者で亡くなった方々は、みなびっくりするほどの若さです。ラングリッジも、ついこないだまで普通にステージに立っていませんでしたか?
闘病生活は短かったそうですから病が発覚したのはつい最近のことだったのかもしれませんが…。
訃報を知ったのは、ロイヤルオペラハウスのサイトのプレスリリースから。⇒こちら
1939年ホークハーストの生まれ。
音楽家としてのキャリアはオーケストラのヴァイオリニストからスタートしたのだそうです。
オペラ歌手としての本格的なデビューは、1964年のグラインドボーン《カプリッチョ》でした。
レパートリーは、クラウディオ・モンテヴェルディから始まって、モーツァルトはもちろんのこと、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ヤナーチェク等の現代モノも。ワーグナーの《ラインの黄金》もキャリアの終盤にレパートリーに加えられたとの事です。(ウィキペディアより)
そして、忘れちゃいけない、ベンジャミン・ブリテン。《ビリー・バッド》のヴィア艦長、《ピーター・グライムズ》の題名役、《ねじの回転》のクィント、《ヴェニスに死す》のアッシェンバッハなど。
ブリテン好きな私としては、ラングリッジは決して決して外しちゃならない大切な歌手。
ピーター・ピアーズにさらにヒステリックさを加味したような歌唱が、ブリテンの雰囲気によく合っていたと思います。
追悼として、ラングリッジがヴィア艦長を歌ったENO《ビリー・バッド》マンガ編の記事をリンクしておきます。
ラングリッジの「テノール狂乱」音源もアップしてありますのでお聴きください。
暇だった頃におフザケで作った楽しいネタなのに、2度までも追悼…寂しいですね。
さすがに《ビリー・バッド》だけではワンパターンですので、08年Metの《ヘンゼルとグレーテル》で魔女を演じた動画も貼り付けておきましょう。
魔女なのて、通常はメゾソプラノの役なのですが、テノールが歌うこともあるんですね。ってゆーか、こういうオバさん、普通にいるな…。
知的で紳士なラングリッジにもこんな一面があるということで、けっこうお気に入りな動画です。
英国人のテノール歌手、フィリップ・ラングリッジが3/5、癌のためロンドンで亡くなりました。享年70歳だったそうです。
(命日に諸説があるようですが、ROHの発表では3/5になっています)
08年12月のリチャード・ヴァン=アランに続いて、またもやENO《ビリー・バッド》でのアレンの共演者。この人のヴィア艦長もたいへん印象深かったですし、いつか生で歌唱を聴きたいと思っていたのでとてもショッキングでした。
昨今、英国のクラシック音楽関係者で亡くなった方々は、みなびっくりするほどの若さです。ラングリッジも、ついこないだまで普通にステージに立っていませんでしたか?
闘病生活は短かったそうですから病が発覚したのはつい最近のことだったのかもしれませんが…。
訃報を知ったのは、ロイヤルオペラハウスのサイトのプレスリリースから。⇒こちら
1939年ホークハーストの生まれ。
音楽家としてのキャリアはオーケストラのヴァイオリニストからスタートしたのだそうです。
オペラ歌手としての本格的なデビューは、1964年のグラインドボーン《カプリッチョ》でした。
レパートリーは、クラウディオ・モンテヴェルディから始まって、モーツァルトはもちろんのこと、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ヤナーチェク等の現代モノも。ワーグナーの《ラインの黄金》もキャリアの終盤にレパートリーに加えられたとの事です。(ウィキペディアより)
そして、忘れちゃいけない、ベンジャミン・ブリテン。《ビリー・バッド》のヴィア艦長、《ピーター・グライムズ》の題名役、《ねじの回転》のクィント、《ヴェニスに死す》のアッシェンバッハなど。
ブリテン好きな私としては、ラングリッジは決して決して外しちゃならない大切な歌手。
ピーター・ピアーズにさらにヒステリックさを加味したような歌唱が、ブリテンの雰囲気によく合っていたと思います。
追悼として、ラングリッジがヴィア艦長を歌ったENO《ビリー・バッド》マンガ編の記事をリンクしておきます。
ラングリッジの「テノール狂乱」音源もアップしてありますのでお聴きください。
暇だった頃におフザケで作った楽しいネタなのに、2度までも追悼…寂しいですね。
さすがに《ビリー・バッド》だけではワンパターンですので、08年Metの《ヘンゼルとグレーテル》で魔女を演じた動画も貼り付けておきましょう。
魔女なのて、通常はメゾソプラノの役なのですが、テノールが歌うこともあるんですね。ってゆーか、こういうオバさん、普通にいるな…。
知的で紳士なラングリッジにもこんな一面があるということで、けっこうお気に入りな動画です。
バイエルン州立歌劇場の《ヴォツェック》(2008年11月初演) [オペラの話題]
新国立劇場の新プロダクション《ヴォツェック》はバイエルン州立歌劇場との共同制作で、2008年11月の初演(@バイエルン)は大変高く評価されたとあちこちのチラシやサイトに書いてあります。
宣伝の為ですからそう書くに決まっていますが、実際、ドイツ語圏でのオペラ演出は奇抜で前衛的なものが主流でして、YouTubeなどで覗いてみると本当に“ワケワカラン”な意味不明の映像がゴロゴロ出てきます。
そんな中で、演出家アンドレアス・クリーゲンブルクの《ヴォツェック》は、奇抜なところはあるものの、シロウトでもなんとな~く一貫したテーマを読み取ることができます。ゾンビっぽい群集とか、人造人間っぽい医者とか、モチーフ(?)もホラー映画でお馴染み、そうそう目新しいものではない為、観る側に共通したイメージが伝わりやすく、風刺性に優れているのではないでしょうか。
ドイツ語圏の観客はもともと奇抜なものに慣れているうえ、「演劇的で(比較的)わかりやすかった」ということで、実際に好評だったんだろうなぁと、勝手に想像しております。
さて、昨年11月のバイエルン初演でヴォツェックを歌ったのは、ミヒャエル・フォレ。
ドイツ人のワーグナー歌いで、バイロイトの《マイスタージンガー》にベックメッサー役でここ毎年登場していますが、日本では「マクヴィカー演出の《サロメ》@ROHのヨカナーン」のほうが有名かもしれないですね(→こちら)。
けっこう好きなバリトンですし、ちょうどヴォツェックに興味をそそられているところでしたので、今回取り上げてみることにしました。
宣伝の為ですからそう書くに決まっていますが、実際、ドイツ語圏でのオペラ演出は奇抜で前衛的なものが主流でして、YouTubeなどで覗いてみると本当に“ワケワカラン”な意味不明の映像がゴロゴロ出てきます。
そんな中で、演出家アンドレアス・クリーゲンブルクの《ヴォツェック》は、奇抜なところはあるものの、シロウトでもなんとな~く一貫したテーマを読み取ることができます。ゾンビっぽい群集とか、人造人間っぽい医者とか、モチーフ(?)もホラー映画でお馴染み、そうそう目新しいものではない為、観る側に共通したイメージが伝わりやすく、風刺性に優れているのではないでしょうか。
ドイツ語圏の観客はもともと奇抜なものに慣れているうえ、「演劇的で(比較的)わかりやすかった」ということで、実際に好評だったんだろうなぁと、勝手に想像しております。
さて、昨年11月のバイエルン初演でヴォツェックを歌ったのは、ミヒャエル・フォレ。
ドイツ人のワーグナー歌いで、バイロイトの《マイスタージンガー》にベックメッサー役でここ毎年登場していますが、日本では「マクヴィカー演出の《サロメ》@ROHのヨカナーン」のほうが有名かもしれないですね(→こちら)。
けっこう好きなバリトンですし、ちょうどヴォツェックに興味をそそられているところでしたので、今回取り上げてみることにしました。
ピーター・グロソップの《ヴォツェック》@Met in 1974 [オペラの話題]
話題が旬なうちに、“グロ様”ことピーター・グロソップの《ヴォツェック》について、自伝 “PETER GLOSSOP The Story of a Yorkshire Baritone” から得た情報を中心にまとめておくことにします。
グロソップは1974年、NYのメトロポリタン歌劇場(Met)にて、《ヴォツェック》のタイトルロールを演じました。
自伝の本文には1974年とありますが、写真の説明には1972年とありました。ちょっと混乱したのですが、Metのアーカイブで検索してみたところ、1974年が正しいようです。
10/7, 10/12, 10/17, 10/23, 11/2 の5回とも、グロソップが出演しています。
初日(10/7)のキャスト、スタッフは以下のメンバーとなっております。
------------------------------------------
WOZZECK
Wozzeck.................Peter Glossop
Marie...................Janis Martin
Captain.................Andrea Velis
Drum Major..............William Lewis
Doctor..................Donald Gramm
Andres..................Kenneth Riegel
Margret.................Joann Grillo
Apprentice..............Richard Best
Apprentice..............Robert Goodloe
Fool....................Robert Schmorr
Soldier.................William Mellow
Townsman................Robert Kelly [Debut]
Child...................Douglas Grober
Conductor...............James Levine
Director................Patrick Libby [Debut]
Designer................Caspar Neher
------------------------------------------
ちなみに、《ヴォツェック》の原語はドイツ語ですが、この時は英語で上演されました。
グロソップは1974年、NYのメトロポリタン歌劇場(Met)にて、《ヴォツェック》のタイトルロールを演じました。
自伝の本文には1974年とありますが、写真の説明には1972年とありました。ちょっと混乱したのですが、Metのアーカイブで検索してみたところ、1974年が正しいようです。
10/7, 10/12, 10/17, 10/23, 11/2 の5回とも、グロソップが出演しています。
初日(10/7)のキャスト、スタッフは以下のメンバーとなっております。
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WOZZECK
Wozzeck.................Peter Glossop
Marie...................Janis Martin
Captain.................Andrea Velis
Drum Major..............William Lewis
Doctor..................Donald Gramm
Andres..................Kenneth Riegel
Margret.................Joann Grillo
Apprentice..............Richard Best
Apprentice..............Robert Goodloe
Fool....................Robert Schmorr
Soldier.................William Mellow
Townsman................Robert Kelly [Debut]
Child...................Douglas Grober
Conductor...............James Levine
Director................Patrick Libby [Debut]
Designer................Caspar Neher
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ちなみに、《ヴォツェック》の原語はドイツ語ですが、この時は英語で上演されました。
スポレート(伊)でも共演していたのね -- アレンとコステロ in 《ジャンニ・スキッキ》 [オペラの話題]
旅行記の途中ですが、今更ながら知り得た情報がいろいろあり、また、過去記事の訂正なんぞも出さなくちゃならなくなりましたので割り込ませます。
今回ROHの《ジャンニ・スキッキ》でリヌッチョ役を好演したスティーヴン・コステロ君。
フィレンツェソングが惜しい惜しいとは言いながら、華のある歌声は気に入ったし、出待ちで目撃したちょっと寂しそうな後姿なんかがけっこう印象に残っていたので、さっそくYouTubeで検索をかけてみました。
そしたら、アラま…。
既視感ありまくりのマフィア・スキッキ動画がゾロゾロ・・・。
こ、これは…。
昨年9月に話題になったウッディ・アレン演出の《ジャンニ・スキッキ》!? ⇒(こちら)
いえ、初演のリヌッチョはサイミール・ピルグというアルバニア出身のテノールでした。
ということは…これはその再演版、スポレート音楽祭でのジャンニですか。ほうほう。
コステロ君、同じ役で既にスポレートでもアレンと共演をしていたのね。
この音楽祭での情報も一時期探していたんですけど、なかなか詳細がつかめなくて、いつしか諦めていたのだっけ。さすがはYouTube。コリャめでたい!!
大喜びで動画をアップした方による概要を読んでいたのですが・・・
ん?
ええ~??
スポレート音楽祭って、アメリカのほうのじゃなくて、
本家本元イタリアのドゥエ・モンディ祭のことだったの~!?!?(←アホだ)
こちらのニュース記事でも、ワタクシ、「イタリアのスポレートではなく、おそらくアメリカの方だと思います」だなんてガッツリ書いてしまっていますわ。
私としたことが、なぜこんな勘違いをしてしまったのでしょうか。単に初演がLAだったので、再演もおそらくアメリカでしょうと単純に考えただけなんだと思いますが(ますますアホだ)、ガセネタを書いてしまってゴメンナサイ、皆さん。
6月のことですので早10ヶ月経ってしまっていますが、ニュース記事のほうも訂正しておきました。
当時の記事を読み直すと、「このジャンニを観に行きたいワ~(*´艸`*) 」なんて言ってますね。結局はかなわなかったわけですけど、間違えてアメリカはチャールストンくんだりまで飛んでいかなくてよかったです。危ないところでした。
今回ROHの《ジャンニ・スキッキ》でリヌッチョ役を好演したスティーヴン・コステロ君。
フィレンツェソングが惜しい惜しいとは言いながら、華のある歌声は気に入ったし、出待ちで目撃したちょっと寂しそうな後姿なんかがけっこう印象に残っていたので、さっそくYouTubeで検索をかけてみました。
そしたら、アラま…。
既視感ありまくりのマフィア・スキッキ動画がゾロゾロ・・・。
こ、これは…。
昨年9月に話題になったウッディ・アレン演出の《ジャンニ・スキッキ》!? ⇒(こちら)
いえ、初演のリヌッチョはサイミール・ピルグというアルバニア出身のテノールでした。
ということは…これはその再演版、スポレート音楽祭でのジャンニですか。ほうほう。
コステロ君、同じ役で既にスポレートでもアレンと共演をしていたのね。
この音楽祭での情報も一時期探していたんですけど、なかなか詳細がつかめなくて、いつしか諦めていたのだっけ。さすがはYouTube。コリャめでたい!!
大喜びで動画をアップした方による概要を読んでいたのですが・・・
ん?
ええ~??
スポレート音楽祭って、アメリカのほうのじゃなくて、
本家本元イタリアのドゥエ・モンディ祭のことだったの~!?!?(←アホだ)
こちらのニュース記事でも、ワタクシ、「イタリアのスポレートではなく、おそらくアメリカの方だと思います」だなんてガッツリ書いてしまっていますわ。
私としたことが、なぜこんな勘違いをしてしまったのでしょうか。単に初演がLAだったので、再演もおそらくアメリカでしょうと単純に考えただけなんだと思いますが(ますますアホだ)、ガセネタを書いてしまってゴメンナサイ、皆さん。
6月のことですので早10ヶ月経ってしまっていますが、ニュース記事のほうも訂正しておきました。
当時の記事を読み直すと、「このジャンニを観に行きたいワ~(*´艸`*) 」なんて言ってますね。結局はかなわなかったわけですけど、間違えてアメリカはチャールストンくんだりまで飛んでいかなくてよかったです。危ないところでした。
ピーター・グロソップのリゴレット@イタリア歌劇団来日1971 [オペラの話題]
ずっと探していた“グロ様”ことピーター・グロソップ(Peter Glossop)のリゴレットがYouTubeにアップされましたヽ(´ー`)ノ
1971年、イタリア歌劇団来日時の貴重な貴重な映像です。
この時のマントヴァ公はルチアーノ・パヴァロッティ。ジルダはルイーズ・ラッセル。殺し屋スパラフチーレはルッジェーロ・ライモンディでした。
(配役はkeyakiのメモ、メモ…のこちらの記事を参照。情報量が豊富でいつも助かっています。ありがとうございます)
演奏は私の好みよりテンポが遅く、聴いていてちょっとイライラしますが、グロ様の歌唱がモタついているのはいつものこと(笑) それよりも何よりも、全盛期のグロ様のムキムキ声に・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・
リゴレットにしては身体もデカすぎると思いますが、パヴァ神はこの頃既に巨漢ですし、ライモンディも上背のある大男ですから、ちょうど釣り合いがとれていていいのかナ?
1971年、イタリア歌劇団来日時の貴重な貴重な映像です。
この時のマントヴァ公はルチアーノ・パヴァロッティ。ジルダはルイーズ・ラッセル。殺し屋スパラフチーレはルッジェーロ・ライモンディでした。
(配役はkeyakiのメモ、メモ…のこちらの記事を参照。情報量が豊富でいつも助かっています。ありがとうございます)
演奏は私の好みよりテンポが遅く、聴いていてちょっとイライラしますが、グロ様の歌唱がモタついているのはいつものこと(笑) それよりも何よりも、全盛期のグロ様のムキムキ声に・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・
リゴレットにしては身体もデカすぎると思いますが、パヴァ神はこの頃既に巨漢ですし、ライモンディも上背のある大男ですから、ちょうど釣り合いがとれていていいのかナ?
映画《ハンニバル》の劇中オペラ -- " Vide cor Meum " [オペラの話題]
映画の中でオペラが効果的に使われることがあります。
登場人物が実際にオペラを観劇するシーンだったり、BGMとして流れたり、特定のオペラを連想させる演出であったり、使われ方はさまざま。効果的に使われれば映画のテーマも強烈に浮き彫りにされますし、そのオペラの新たな一面を発見することができたりします。
映画に出てきたオペラのシーンが印象的で、そこからオペラに興味をもって聴くようになったという方々もけっこういらっしゃるようです。最近ではオペラの演出でも映画を意識したものが多いようですし、どちらも「総合芸術」ということで、血縁関係のような相性の良さがあるのかもしれません。
先日、久々に《ハンニバル》を鑑賞しました。
言わずと知れた、アンソニー・ホプキンスの怪演が凄い「ハンニバル・レクター」シリーズの二作目(2001年)で、日本ではR-15指定で公開された猟奇モノ。作品の出来じたいは一作目の《羊たちの沈黙》を凌ぐほどではありませんが、ダークなロマンスと映像美という点において、シリーズの中では群を抜いていると思っています。
この映画のゴシックロマン的な雰囲気をより印象付けているのが、中盤のフィレンツェでの野外オペラのシーン。
(※猟奇シーンでは全くありません。美しい映像ですので、グロ系や血が苦手な方も安心してご覧ください)。
レクター博士に見つけられて思わず目をそらすのは、フィレンツェ警察の捜査官パッツィ。彼は報奨金欲しさにレクター博士を売ろうとしており、この後で博士に惨殺されるのですが、その壮絶なシーンとは対照的な、清らかな祈りのような音楽、神秘的な舞台の様子がため息が出るほど美しい。客席に沿って並べられたキャンドルの炎も、我々を中世の時代へ誘っているかのようです。
登場人物が実際にオペラを観劇するシーンだったり、BGMとして流れたり、特定のオペラを連想させる演出であったり、使われ方はさまざま。効果的に使われれば映画のテーマも強烈に浮き彫りにされますし、そのオペラの新たな一面を発見することができたりします。
映画に出てきたオペラのシーンが印象的で、そこからオペラに興味をもって聴くようになったという方々もけっこういらっしゃるようです。最近ではオペラの演出でも映画を意識したものが多いようですし、どちらも「総合芸術」ということで、血縁関係のような相性の良さがあるのかもしれません。
先日、久々に《ハンニバル》を鑑賞しました。
言わずと知れた、アンソニー・ホプキンスの怪演が凄い「ハンニバル・レクター」シリーズの二作目(2001年)で、日本ではR-15指定で公開された猟奇モノ。作品の出来じたいは一作目の《羊たちの沈黙》を凌ぐほどではありませんが、ダークなロマンスと映像美という点において、シリーズの中では群を抜いていると思っています。
この映画のゴシックロマン的な雰囲気をより印象付けているのが、中盤のフィレンツェでの野外オペラのシーン。
(※猟奇シーンでは全くありません。美しい映像ですので、グロ系や血が苦手な方も安心してご覧ください)。
レクター博士に見つけられて思わず目をそらすのは、フィレンツェ警察の捜査官パッツィ。彼は報奨金欲しさにレクター博士を売ろうとしており、この後で博士に惨殺されるのですが、その壮絶なシーンとは対照的な、清らかな祈りのような音楽、神秘的な舞台の様子がため息が出るほど美しい。客席に沿って並べられたキャンドルの炎も、我々を中世の時代へ誘っているかのようです。
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