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"闘牛士の歌" 聴き比べ ブログトップ
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No.31~35 トロッタ, ライモンディ, リシツィアン, Ahualli, ヒオルスキ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 後悔から一転して、「マラソンやっててよかった」と思えた回。良い歌い手との出会いがありました。
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No.31 アレッサンドロ・トロッタ(Alessandro Trotta)
原調/フランス語/1956年録音
昔の人の歌唱はシンプルってイメージがあるけど、この人のはけっこう気取ってる。シャンソンっぽい囁き連発。
ピアノ伴奏がやけに芸術的なことと関係あるのかないのか…?


No.32 ルッジェーロ・ライモンディ(Ruggero Raimondi)イタリア/1941-
原調/フランス語/1980年ライブ
バスだけど声が軽いからエスカミーリョも合います。粋ですね。もちっと速く歌ってくれたほうが好みなんですが、これは指揮者の問題かな。


lisitsianport.jpgNo.33 パーヴェル・リシツィアン(Pavel Lisitsian)アルメニア/1911 - 2004
原調/ロシア語/録音年不明 ⇒ YouTube
ロシア語圏のバリトンの中ではこの人の声がいちばん好き。ビブラートも細かくていい感じ。♯というより若干上ずった歌唱もステキ…・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・
何語であってもエスカミーリョはバリトンが好きです。華があって。


No.34 Gustavo Ahualli 南米の人だと思う・・
原調/フランス語/2007年ライブ
荒っぽくてステキな声だが、歌唱も荒い。ちょいワルな臭いがする。ドン・ジョヴァンニも歌っているようだ。そっちのほうが良いかもしれない。
名前のカタカナ表記がわかりません。ご存知の方教えてね♪


hiolskiport.jpgNo.35 アンジェイ・ヒオルスキ(Andrzej Hiolski)ポーランド/1922 - 2000
原調/ポーランド語?/録音年不明 ⇒YouTube
ロシア語に感じが似てるけど、よくよく聞いてみると全然違う。ポーランド人だそうだから、たぶんポーランド語でしょう。
すごい滑らかで柔らかなバリトン声に耳が釘付け。伸びのよい歌唱はNo.4のローレンス・ティベットを思い出します。
声域に制約がなさそうで、とても優雅。
この人をYouTubeでめっけたのは本当に幸運でした。

No.26~30 ウォーレン, カンパナーリ, タリアブエ, アルヴァレス, フィヌッチ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

 嫌気を通り越してマラソンを始めたことを後悔し始めました(笑) そんな中、ウォーレンの存在が一服の清涼剤。
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warrenport.jpgNo.26 レナード・ウォーレン(Leonard Warren)アメリカ/1911-1960
半音下げ/フランス語/1943年録音
あーもう、どーしてキミはこうなっちゃうの? 泣きべそかくと際限もなく♯で上がって戻ってこれなくなっちゃうんだから。
レシタティフの部分は二枚目っぽい素敵な声なのに。
でもオモシロイからお気に入り。
半音下がっているのは、もしかしたらレコードの回転速度の影響かも。
あ、全然関係ありませんが、ビヨルリンクと組んだ'47年の《トロヴァトーレ》、ウォーレンの“泣きべそルーナ” はオモシロイのでおススメ。


No.27 ジュゼッペ・カンパナーリ(Giuseppe Campanari)イタリア/1855 - 1927
原調/イタリア語/1902-3年録音
1855年生まれって…(*゚Д゚)
こういう歴史的録音を私なんぞがタダでネットで聴けるのは時代の奇跡。博物館ゆき。シロウトには評価不能…っていうか、しちゃいけないような気がする。ちなみに、オケじゃなくてピアノ伴奏。
カンパナーリはチェロ奏者だったそうだが、歌い方もチェロっぽいです(笑)


No.28 カルロ・タリアブエ(Carlo Tagliabue)イタリア/1898 - 1978
原調/イタリア語/1942年録音
イタリア人歌手で初めて「エレガント」という表現を使いたくなった!彼らにありがちなヴェルディ臭い気張りがない。滑らかで温かみのある美声も素敵。フランス語で歌ってほしかったな。


No.29 カルロス・アルヴァレス(Carlos Álvarez)スペイン/1866 - 1966 -
原調/フランス語/2007年コンサート
丁寧に注意深く歌っている印象ですが、大きな難は無いかわりに面白みもあまりない。
歌の後で入る女性アナウンサー北朝鮮っぽいMCのほうがずっと笑えるもので、ますます印象が薄れちゃう。
「闘牛士のイメージじゃない」と評したアーヴィン・シュロットのほうが、冒険をしたという点で優るのでは。
結局私は、歌の巧拙よりもオモシロさを求めてしまう、邪道な聴き手なんですね・・。


No.30 コスタンティーノ・フィヌッチ(Costantino Finucci)
原調/フランス語/2010年コンサート
この人も果てしなく普通だな~。声にギラギラした輝きがあるのとビブラートのおかげで聴いていられる。
あと、この人のせいじゃないけどティンパニの音が盛大に狂っていて、どうにもキモチがワルイです。

No.21~25 レリエ, エステス, バスティアニーニ②, ヴィノグラードフ, ブラン② ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 だんだん嫌気がさしてきた(←早っ)こともあり、感想がおおむねネタ化してます。
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No.21 ジョン・レリエ(John Relyea)カナダ/
原調/フランス語/2010年Met
シャープでダークな声。歌唱はやや♭。
一昔前のエスカミーリョのイメージとは違うけど、イケメン感はあるかも。


No.22 サイモン・エステス(Simon Estes)アメリカ/1938 -
原調/フランス語/1988年の録音風景の録音
まさに王者。ブラック・ダイアモンドな美声。
歌唱はきわめてシンプルだが、声そのものに自信があるからこそ。並の歌手ではこうはいかない。


aniniport2.jpgNo.23 エットレ・バスティアニーニ②(Ettore Bastianini)イタリア/1922-1967
原調/イタリア語/1961年ヴェローナのライブ ⇒ YouTube
のっけからとんでもない大声で、
「我輩がバスティアニーニだ。さあ惚れろ~! 惚れるのだ~!!」
ってものすごい勢いで迫ってきて、
くそっその手には乗るもんか私にはシュテキなブランのエスカミーリョがあるんだモン耳をっ耳を塞げ~っ!!…なんて抵抗もむなしく……モジ(((´ω` *)(* ´ω`)))モジ…… (←惚れた)
転調する時の「あ~~~」が“デレカント”。


Vinogradov_2.jpgNo.24 アレクサンドル・ヴィノグラードフ(Alexander Vinogradov)①ロシア/1976 -
原調/フランス語/2007年東京のライブ ⇒ YouTube
(えっと、意図的じゃないですよ。この順番)
生聴きもした懐かしい音源
ヨーロッパの寄宿制男子校の優等生を思わせる優雅な声に、愛嬌者の顔(盛大なビブラート)が見え隠れ。
モテるけど、好きになった娘には一途でしょう?って感じのエスカミーリョ。
重さは普通にバスカミーリョ。
いつか母国語で歌ってもらいたいと思わせられる、いかにもロシアっぽい低音が魅力。


sawayakablanc.jpgNo.25 エルネスト・ブラン②(Ernest Blanc) フランス /1923 - 2010
原調/フランス語/1960年の録音 ⇒ YouTube
(だから、意図的じゃないんだって。この順番)
爽やかなのに艶っぽく、青臭いのに成熟していて、強さの内に脆さを秘め・・
歌声の成分は男性フェロモン100%。
こんなお方と駆け落ちしたい・・(*´Д`)
え? 客観的じゃない? ンなもん、この企画を立ち上げた時点で期待しちゃダメ。
あとひとつ音源があるので続きはそちらで。

No.16~20 キリコ, ブラン① , グロソップ, カンボン, マルドネス ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 大本命のブランが早くも登場。そして直後にグロソップも。iPhoneでシャッフルで聴いているのに。この順番、ネタですか?
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No.16 ジーノ・キリコ (Gino Quilico)カナダ/1955 -
原調/フランス語
父のルイ・キリコが好きなので、それだけで合格!(これを書くまでおとっつぁんのほうだと思っていた。すまぬな、ジーノ)。
気品と男気を感じます。普通に歌ってるだけなんだけど、それがこの歌の良さを引き立てているというか。シンプル・イズ・ベストの好例。
ラストの長伸ばしがきれいで気持ちがいい。


sawayakablanc.jpgNo.17 エルネスト・ブラン①(Ernest Blanc)フランス/1923 - 2010
原調/イタリア語/1960年ナポリのライブ ⇒ YouTube
早々と「神」の登場です。
専売特許“デレカント”が控えめなのはイタリア語歌唱がゆえと思われます。それでも要所要所で発動してるけどw
それよりも何よりも、何なのだ、この独特の爽やかさとお色気は?
もう「カッコ良い」とか「素敵」とか「セクシー」の領域を超えている。
世界一のエスカミーリョとは言わないけど、唯一無二の存在であることはまちがいない。
あと2つ音源があるので続きはそちらで。


pg.jpgNo.18 ピーター・グロソップ (Peter Glossop)イギリス/1928 - 2008 ⇒ YouTube
原調/イタリア語/67年の録音
おやまぁ続けざまにご贔屓さんが。飽き始めたところだから嬉しいです。
それにしても、バリトンのくせにこんなに重量モタモタ歌唱でいいの?
爽やか軽やかなブランの後だから言うわけでもないけれど、大声コンテスト以外の何物でもない。
ヴェルディを敬愛しているからって、おフランスのオシャレな歌までヴェルディにしてしまっては・・。
押し付けがましさ、鬱陶しさ、暑苦しさではナンバーワン!
「脳みそも声帯」なグロ様だけど、私にとってのオンリーワン!


No.19 シャルル・カンボン(Charles Cambon)フランス/1892 - 1965
半音下げ(レコードの回転速度の影響かも)/フランス語/録音年不詳
歌唱は地味だが、声音がどこかなまめかしく、じっと聴き入ってしまう。
この人の声を現代の録音技術で録ったらどんなふうに聴こえるんだろう。
別格のブランを除けば、フランス勢ではマッサールの次に好き・・かも・・。


No.20 ホセ・マルドネス(José Mardones)スペイン/1869 - 1932
原調/スペイン語??/録音年不詳 ⇒ YouTube
すごい録音を聴いてしまった。合唱がスリー・アミーゴスになってる~www
これぞ「歴史的ネタ」。
そもそも1869年生まれって…(*゚Д゚)

No.11~15 ローズ, ギャウロフ, ホロストフスキー, コロンボ, ダルカンジェロ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 へえぇ~バスが歌うエスカミーリョ(バスカミーリョ)もいいじゃん、と思い始めた。
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No.11 テディ・タフ・ローズ(Teddy Tahu Rhodes)ニュージーランド/1966-
原調/フランス語/2010年Metのライブ
ブランのような微妙なハスキーヴォイスでセクシー。一方低音はよく響いて全体的にはマッチョな歌唱。
「ら〜あ〜むぅ〜〜る♪」はかなりエロかも。でも下品にはならないのね。
現代的で良いんじゃないかな?


ghiaurov.jpgNo.12 ニコライ・ギャウロフ(Nicolai Ghiaurov)ブルガリア/1929 - 2004
原調/フランス語 ⇒ YouTube
美麗、端整、勇壮、そして紳士。
バス歌手は重いので私は敬遠しがちなんだけど、この人のはテンポも良く気にならない。
歌に振り回される歌い手も多いけど、ギャウロフはさすが、安定してます。
こんな人とケッコンしたいね+(0゚・∀・) +


horo.jpgNo.13 ディミトリー・ホロストフスキー(Dmitri Hvorostovsky)ロシア/1962 -
原調/フランス語/2006年モスクワでのコンサート音源 ⇒ YouTube
ビブラート、盛大な♯、どれをとってもオモシロイ!(褒めてます、褒めてますよ!)
歌い崩しもこの人なら許せる。
歌い手の個性が歌に勝つ、これが「その歌をモノにした」ってことなんでしょうね。


No.14 シピオ・コロンボ(Scipio Colombo)イタリア/1910 - 2002
原調/イタリア語/1959年東京のライブ
第二次イタリア歌劇団来日時の貴重な録音。
ヴェルディを聴きたくなってくる歌唱ですがエスカミーリョも悪くない。声の明るさが曲に合ってる。


No.15 イルデブランド・ダルカンジェロ(Ildebrando D'Arcangelo)イタリア/1969 -
原調/フランス語/2006年ROHのライブ
有名な、馬に乗って歌ったやつです。
実演でも聴いたことがあるけど、この人が歌うとえらく地味。
メロディラインもはっきりしないしテンポもモタつき感がある。
ファンの方が読んでらしたらゴメンナサイだけど、この人の歌唱を生かす歌はもっと他にあるんだと思う。
同じくROHで聴いたフィガロ(ケッコンするほう)はとっても良かった。

No.6~10 ロヴァーノ , ゴリン , エディ , ポリトコフスキー , バスティアニーニ① ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

聴き比べ企画 Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 もくじはこちら

 いきなりバスティアニーニ登場。テンション上がるけど、お楽しみは後にとっておきたかった気も…。
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No.6 ルシアン・ロヴァーノ(Lucien Lovano)
原調。フランス語。1942年の録音。
闘牛士の歌に限ってはフランス語圏の歌手にとことん甘い私ですけど、この人のはどうも・・。録音技術が古いので、あくまでも想像の範疇ですが、歌謡曲みたい。声の響きはきれいですけど。


No.7 イゴール・ゴリン(Igor Gorin) オーストリア/1904-1982
全音上げ(*1)。フランス語。1945年の録音。
バリトンらしい明るい声でほのかになまめかしさもあり。キーが高すぎる違和感を除けば好感度の高いエスカミーリョ。


No.8 ネルソン・エディ(Nelson Eddy) アメリカ/1901-1967
半音上げ(*1)。フランス語。1938年の録音。
YouTubeにあったから追加したけど、この人はオペラ歌手じゃないよね。なんか別の歌みたい。いかにこの歌が有名か証明するような録音でしょう。
とはいえ、歌は上手い。


No.9 ウラジミール・ポリトコフスキー(Vladimir Politkovsky)
原調/ロシア語/録音年不詳 ⇒YouTube
ロシア語のトレアドール、初めて聴いた!! かなり不思議な感じですが、音楽的な違和感はさほどありません。
何と歌っているのかはKasitankaさんならおわかりになると思います。
私もまぁ、「と~れあど~る」と「あ~~~~」くらいは聴き取れたけどね~(←そこはロシア語じゃない)
声は、"泣きべそルーナ"のレナード・ウォーレンをもちっと爺さんにしたような感じです。


aniniport2.jpgNo.10エットレ・バスティアニーニ①(Ettore Bastianini) イタリア/1922-1967
原調/イタリア語/58年ナポリのライブ ⇒YouTube
えこひいきをしちゃいけないと思いつつも、やっぱりこの人もド本命です。
某お仲間に「忘年会で録ったのか」と言われたほどの音質ですが、遠くから聞こえてくる歌唱は王様のようにカッコ良い。
あえて言わせていただけるのなら、エスカミーリョというより「バスティアニーニ」。 バスティアニーニが牛と相撲をとっていますよ?
別にも音源があるので続きはそちらで。


(*1)演奏スピードも速いので、レコードの回転速度の影響かと思われます。

No.1~5 シュロット, グァッレーラ, マッサール①, ティベット, ミルンズ ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

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※4/9 マッサールの写真を差し替えてみました。
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No.1 アーヴィン・シュロット(Erwin Schrott) ウルグアイ 1972 -
 原調/フランス語/2009年コンサート音源 ⇒YouTube
 囁き声で歌ってみたり、シャンソンっぽく(?)崩したりしていますが、コンサートだからそういう歌唱をしているのかもしれませんが、とても器用だと思いますが、闘牛士のイメージには合わないと思う。
 エスカミーリョは伊達男でモテるけど、英雄。女ったらしな放蕩者ではありません。
 この人はドン・ジョヴァンニが良いでしょう。


No.2 フランク・グァッレーラ(Frank Guarrera) アメリカ/1923 - 2007
 原調/フランス語/1953年のライブ録音(Met)
 豪快で陽気なオジさんって感じ。粋な闘牛士のイメージは皆無だが、辛気臭いドン・ホセの対極にあってこれはこれで楽しいから良いです。
 ただ、カルメンはエスカミーリョおじさんの金につられたって感じがするけど。


Massardport.jpgNo.3 ロベール・マッサール①(Robert Massard) フランス/1925 -
 原調/フランス語/1959年のライブ録音(パリ)⇒YouTube
 (なんと! ご存命でいらっしゃいますか?)
 シャッフルで聴いているので、いきなりのド本命です。
 溌剌とした色気、華のある理想的なエスカミーリョ。
 鼻母音の響きがたまりません。この歌がマッチョになりすぎず、上品な色気を漂わせているのは、ひとえにフランス語独特の発音が故だと思う。
 Viva! Viva! Escamillo!
 もうひとつ音源があるので続きはそちらで。


No.4ローレンス・ティベット(Lawrence Tibbett) アメリカ/1896 - 1960
 半音上げ(?)/フランス語/録音年不詳 ⇒YouTube
 同じアメリカ人ながらグァッレーラより仏語の発音がうまい(笑)
 半音上げて歌っている(*1)が、F♯、後半のFも伸びやかで、力強さの中にエレガンスを感じます。
 20世紀初頭のエスカミーリョのスタンダードって、こんな感じだったのかもしれない。


No.5シェリル・ミルンズ(Sherrill Milnes) アメリカ/1935 -
 原調/フランス語/77年の録音
 丁寧に歌っていて好感が持てます。
 装飾音符(短前打音や三連符)をきっちりと歌うのがこの曲の「らしさ」の鍵で、そのおかげで(人によっては)ちょっとニョロけた、色っぽい歌唱が引き出されるのですね。
 ミルンズの真面目さが功を奏しているって感じ。

(*1)確かに原調より半音上がっているのですが、レコードの回転速度の影響のようにも思えます。いかにも蓄音機っぽい音だし。わざわざ半音上げる理由がないし。演奏のスピードも速すぎる気がするし。

Chanson du Toréador -- 100人の「闘牛士の歌」 ["闘牛士の歌" 聴き比べ]

blanctoreador3.jpg 私が今のようなオペラ・ファンになったのは、EMIの『ベスト・オペラ・100』に収録されているエルネスト・ブランの「闘牛士の歌」に一"耳"惚れをしたのがきっかけです。
(しつこいですが、画像をクリックするとブランの歌唱をYouTubeで聴けます)

「何、この声? 爽やかでシュテキー(*´艸`*)  この人でもっと他の曲も聴きたいんだけど!?」

 と、次のお休みの日にさっそく山野楽器へすっ飛んでいって、ブランの全曲盤CD(カルメンじゃなかったけどw)を手に入れたのがその後のコレクター人生のはじめの一歩。

 とても思い入れのある歌なのですが、実は私、ブランという歌手に出会う前は「闘牛士の歌」はそんなに好きでもなかったのです。

 マッチョだし。
 大衆的だし(当時は大衆性と芸術性は相容れないと思い込んでいたアマちゃんでした。許して)。
 洒落臭くてイケイケで、肉食系なヤラシさがむんむんしていて。

 そんな負の印象を見事に覆してくださったのがブランの歌唱だったものですから、「闘牛士の歌」はもう頑なにブラン一神教を貫いてしまっています。

 それでも今回、100人の歌手で「闘牛士の歌」を聴いてみよう、なんて無謀なコトを思い立ったのには、ブランの愛好家としても仲良くさせていただいているお仲間Basilioさんの影響があります。

 ニコライ・ギャウロフの大ファンでいらっしゃるBasilioさん。《ドン・カルロ》のフィリポ2世のアリア、「ひとり寂しく眠ろう」の録音100種を聴き比べ、そのひとつひとつに感想を付けるという偉業を成し遂げられたのですよ。

 なんという粘着なるほど、真のファンとはこうあるべき。盲目的に崇拝するだけでなく、他の多くの歌唱を聴いてそれぞれの良さを見出しつつ、それでもやっぱりこの人が最高!と思える根拠を自覚していくのも必要ダ。と、いたく納得してしまいまして。

 いろいろな人の歌唱をじっくり聴くことによって、新たなご贔屓歌手に巡り会えるかもしれませんしね。できれば当代の若いバリトンであれば嬉しいのですが(なぜか昔の人ばかり好きになるから)。

 というわけで、付け焼刃ながら「闘牛士の歌」の音源をガツガツ集めて聴いております。
 玉石混交でただいま62録音。
 できれば100まで頑張りたいので、お勧めの音源がありましたら皆さん通報してください。

 感想の実況はツイッターにて。⇒こちら

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No.81~83 ベリー, クヴィエチェン, ギュゼレフ
No.76~80 テジエ②, トゥマニャン, エンドレーズ, コー, ルイヨン
No.71~75 フィッシャー=ディスカウ, レイミー, ヴィノグラードフ②, ルッフォ, ドス
No.66~70 グラッシ, コロンバーラ, ベッキ, グエルフィ, プライ
No.61~65 ディアス, マッサール②, マルコンデス, ダミアーニ, アルベルギーニ
No.56~60 マズロク②, ナウリ, ブラン③, トゥマニャン①, ヘルマン
No.51~55 ボルテール, ケテルセン, クラウゼ, ダン, メッテルニヒ
No.46~50 アマート, マズロク①, マレール, メリル, テジエ①
No.41~45 アブドラザコフ, フィンリー, ピンツァ, カプッチッリ, ターフェル
No.36~40 コルヴェロ, ガレッフィ, アタネッリ, パーペ, ヴァン・ダム
No.31~35 トロッタ, ライモンディ, リシツィアン, Ahualli, ヒオルスキ
No.26~30 ウォーレン, カンパナーリ, タリアブエ, アルヴァレス, フィヌッチ
No.21~25 レリエ, エステス, バスティアニーニ②, ヴィノグラードフ, ブラン②
No.16~20 キリコ, ブラン① , グロソップ, カンボン, マルドネス
No.11~15 ローズ, ギャウロフ, ホロストフスキー, コロンボ, ダルカンジェロ
No.6~10 ロヴァーノ , ゴリン , エディ , ポリトコフスキー , バスティアニーニ①
No.1~5 シュロット, グァッレーラ, マッサール①, ティベット, ミルンズ

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ブログ仲間のヴァランシエンヌさんが以前に「闘牛士の歌」の聴き比べをなさった時の記事をご紹介くださったので、リンクを貼らせていただきます。⇒こちら

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タグ:カルメン
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