ブリテンの死生観とビリー・バッド:1 [オペラ録音・映像鑑賞記]
誤解の無いように言っておくと、『ビリー・バッド』は元々は“おホモ”な作品ではありませんヨ。(そこ、なぁんだツマンネとか、言わない)。
メルヴィルの原作では、ビリー・バッドはキリストの“救い”“贖い”の具現者という位置付けでありまして。とはいえ、善の象徴であるからには、当然、見目も麗しいのデス。
以下、原作小説より抜粋。
彼(ビリー・バッド)は年の頃、二十一の青年で、 (中略) 体躯でこそ、いっぱしの大人に発育してはいたけれども、 (中略) つぶらな顔は、思春期の面影がほのかにただようているせいで、 自然のままの色艶の清らかさは女性的としかいいようがなかった。 (中略) ちいさい、みめよい耳、すんなりとした足、口から鼻にかけてのなだらかな曲線、
わかった、わかった。もういいよ┐(´ー`)┌
つか、コーフンしてます? メルヴィル先生。
文庫本数ページにわたる粘着描写に、ワタシがイメージしたビリー像は…
いや、だってさ、似合うでショ?
初演でビリーを演じたアップマンはこんな感じ。
ん~爽やか。青春って感じでいいですネ~(*´∨`)
ピーター・グロソップの外見はアレなんでいいとして。
オイラがもう一枚持っている『ビリー・バッドCD』でタイトルロールを演じるボー・スコウフスも…
ゴツいが、若者らしい闊達さ、健康的な容姿が好印象。
オペラのビリーは、原作の赤ん坊のようなキャラ設定より知性的だし。船乗りなんだから、これっくらい男らしいビリーもいいね。
こうなったらいろんなビリーを聴いてみよう♪
実はもう一人、ワタシが目をつけているビリーがいるんですよ。今を時めく人気バリトン、サイモン・キーンリーサイド。
彼のビリーは…
-----------------------------------------------------
……ゴホム(←咳払い)
緊縛……?
な、なんか……アブノーマルなかほりが……しなくも……
じ、実は、すごーく聴きたいのだがこのCD、ジャケ写のインパクトが強すぎてレジに持っていく勇気が無いのだ。こー見えて恥ずかしがりやさんなのダ……。
いやいや『ビリー・バッド』はアブノーマルな作品ではないのですヨ!!(`・ω・´) シャキーン
核となるテーマは「(キリスト教における)善と悪、光と闇の対立」といったところ。
ビリーは、船上のイエス・キリスト。
彼を破滅させようとつけ狙うクラッガートは、原罪の宿命を負った「アダム以降の人間」の代表格として、原作小説には描かれています。
その辺のことをブリテンもよく理解しているようで、全体的にダイナミックさと説教臭さの入り混じったオペラになっている。もちろん、基本は良質のエンターテイメントですが。
とはいえ、ブリテンは宗教オペラを目指したのではない。現代人の彼が注目したのはビリーの体現する“善”ではなく、無実の少年が陥れられ処刑されるという悲劇でもなく、その「死」そのものでありましょう。
またか、と思われるかもしれませんが、以前に感想を書いた『ピーター・グライムズ』と同様、『ビリー・バッド』もブリテンの死生観が色濃く表れている作品です。また、『ねじの回転』のテーマのように、原罪によって汚れる以前の、人の「無垢という完全性」へのこだわりも読み取ることができると思う。
……というところで寝る時間がきてしまったので、続きは後日にいたします。
☆サルダナさん、ネタにしちゃってすみませぬ~m(_ _)m
メルヴィルの原作では、ビリー・バッドはキリストの“救い”“贖い”の具現者という位置付けでありまして。とはいえ、善の象徴であるからには、当然、見目も麗しいのデス。
以下、原作小説より抜粋。
彼(ビリー・バッド)は年の頃、二十一の青年で、 (中略) 体躯でこそ、いっぱしの大人に発育してはいたけれども、 (中略) つぶらな顔は、思春期の面影がほのかにただようているせいで、 自然のままの色艶の清らかさは女性的としかいいようがなかった。 (中略) ちいさい、みめよい耳、すんなりとした足、口から鼻にかけてのなだらかな曲線、
訳:坂下昇
わかった、わかった。もういいよ┐(´ー`)┌
つか、コーフンしてます? メルヴィル先生。
文庫本数ページにわたる粘着描写に、ワタシがイメージしたビリー像は…
いや、だってさ、似合うでショ?
初演でビリーを演じたアップマンはこんな感じ。
ん~爽やか。青春って感じでいいですネ~(*´∨`)
ピーター・グロソップの外見はアレなんでいいとして。
オイラがもう一枚持っている『ビリー・バッドCD』でタイトルロールを演じるボー・スコウフスも…
ゴツいが、若者らしい闊達さ、健康的な容姿が好印象。
オペラのビリーは、原作の赤ん坊のようなキャラ設定より知性的だし。船乗りなんだから、これっくらい男らしいビリーもいいね。
こうなったらいろんなビリーを聴いてみよう♪
実はもう一人、ワタシが目をつけているビリーがいるんですよ。今を時めく人気バリトン、サイモン・キーンリーサイド。
彼のビリーは…
-----------------------------------------------------
……ゴホム(←咳払い)
緊縛……?
な、なんか……アブノーマルなかほりが……しなくも……
じ、実は、すごーく聴きたいのだがこのCD、ジャケ写のインパクトが強すぎてレジに持っていく勇気が無いのだ。こー見えて恥ずかしがりやさんなのダ……。
いやいや『ビリー・バッド』はアブノーマルな作品ではないのですヨ!!(`・ω・´) シャキーン
核となるテーマは「(キリスト教における)善と悪、光と闇の対立」といったところ。
ビリーは、船上のイエス・キリスト。
彼を破滅させようとつけ狙うクラッガートは、原罪の宿命を負った「アダム以降の人間」の代表格として、原作小説には描かれています。
その辺のことをブリテンもよく理解しているようで、全体的にダイナミックさと説教臭さの入り混じったオペラになっている。もちろん、基本は良質のエンターテイメントですが。
とはいえ、ブリテンは宗教オペラを目指したのではない。現代人の彼が注目したのはビリーの体現する“善”ではなく、無実の少年が陥れられ処刑されるという悲劇でもなく、その「死」そのものでありましょう。
またか、と思われるかもしれませんが、以前に感想を書いた『ピーター・グライムズ』と同様、『ビリー・バッド』もブリテンの死生観が色濃く表れている作品です。また、『ねじの回転』のテーマのように、原罪によって汚れる以前の、人の「無垢という完全性」へのこだわりも読み取ることができると思う。
……というところで寝る時間がきてしまったので、続きは後日にいたします。
☆サルダナさん、ネタにしちゃってすみませぬ~m(_ _)m
タグ:ビリー・バッド
2007-04-26 23:50
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コメント(4)
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なーんだ、たいしたことないじゃん。>ジャケット←何を想像していたんだ…俺
代わりに買ってきてあげよーか?
by ウタコ (2007-04-27 12:46)
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よろしくお願いしマ~ス(*´Д`)
ちなみに7~8千円くらいで売ってマ~ス(*´Д`)
ジャイアン同盟、加入してマ~ス(*´Д`)
他人の財布で聴いてマ~ス(*´Д`)
by しま (2007-04-27 16:24)
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>当然、見目も麗しいのデス
>わかった、わかった。もういいよ┐(´ー`)┌
本当にしつこいですね(笑)
>サイモン・キーンリーサイド。
>彼のビリーは…
>緊縛……?
どんなオペラか分からない人が見たらちょっと引いちゃいますよね。それにしても、CHANDOSレーベルのジャケットってなんでこんなにダサいんでしょう?実はこのCD、私も持って無いのです。ラングリッジのヴィアをいつか聴きたいと思いながら早3年…(^_^;)私もジャイアン同盟加入したいです~。
>サルダナさん、ネタにしちゃってすみませぬ~m(_ _)m
え?いえいえ、美味しいネタになってくれて嬉しいです(^^)実はキーンリーサイドは「ビリー=キリスト」説を否定しているのですが、その辺を語っているインタビューが載っている私の記事をこっそりURLに入れておきます。実はこのインタビューではトムリンソンのクラッガート像の方が興味深かったり(^_^;)お時間のあるときにぜひどうぞ♪
by Sardanapalus (2007-04-27 22:59)
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アラ。サルダナさんならお持ちだと思っていたので、ちょっと印象などを伺ってみるつもりでした。>緊縛CD
>美味しいネタになってくれて嬉しいです(^^)
わーい。オチを「美味しい」と感じて下さるということは、もしかして“同類”ですね? 今後はガンガンいじりますヨ!(←コラコラ)
キーンリーサイドのインタビューのご紹介もありがとうございます。影響受けやすいタチなので、自分の感想の結論を書き終えたらさっそく拝読させていただきマス~。
by しま (2007-04-29 00:20)