まだまだやるゾ!『ビリー・バッド』/ウィーン国立歌劇場ライブ盤 [オペラ録音・映像鑑賞記]
また『ビリー』か。いい加減にしやがれ!(`皿´)
と思った方は、こちらで兄さんの輝かしい略歴をお勉強しながら話題が変わるのを待ちましょう。いやいやマジメな話、音楽的にもストーリー的にも久々にハマった演目なのでネ(*´∨`)
お気に入り度はドンジョの次くらいじゃないかしらん。
グロソップ様という好みの歌手にも出会えたし(またもや昔の人なんだけど)、オペラ聴いててよかったヨ~・゚・(つД`)・゚・と思える瞬間です。
(ウチは情報発信blogじゃなくて、完全に個人的な感想&お遊びの場。あまり読者のことも考えていませんので、その辺ひとつヨロシクです)
さて、ブリテン自作自演盤はオッサン臭いグロソップ・ビリーやラングドンのセクシーなクラッガートが完全にツボで満足なのですが、一つだけワガママを言わせてもらえば、「敵船追跡シーンが物足りない」。
迫力はあるのですが、なんかこう……演奏が小奇麗というか、お行儀が良いというか……。もうちょっと、ムサクルシさや汗臭さがあると聴いてて高揚するんだがなぁ、と思うのです。
『ピーター・グライムズ』の聴き比べの時も感じたのですけれども、ブリテンってばカッコいい曲を書いてるくせに、自演では曲の魅力を100%引き出せてはいないようです。まぁ恐らくこれはブリテンに限ったことではなく、更には音楽に限ったことでもなくて、その作品の真の魅力や“売り”を嗅ぎつけるのは案外他人であったりするものです。
というわけで、「ライブなら臨場感のある追跡シーンが聴けるかも」と、ウィーン国立歌劇場のライブ盤を買いました。
直接の決め手は、CDケースの裏を見たら、ヴィア艦長役のニール・シコフの顔がスゴかったってコトなんですが。
ちなみに、シコフはこちらの『ラ・ボエーム』DVDで兄さんと共演している関係で、なんとなく応援しているテノールです。彼も年をとりましたネ(DVDは1982年。CDは2001年2月)。
もう一つの決め手は、新兵役でジョン・健・ヌッツォが出てること。妙~におホモちっくなかほりがしたNHK大河ドラマ『新撰組!』(2004年)の主題歌を歌う前にも、おホモちっくなオペラに出演していたというわけですネ。ウケます。
(しかも、とってもイイ仕事してます♪)
--------------------------------------------
で、CDの感想ですが、最近の録音にしてはさほど音質は良くはないんですけど、さすがライブ盤ってことで、想像に違わず元気いっぱい。ドスンバタンやってます(笑)
目当ての「敵船追跡シーン」も、自作自演盤と何が違うって、もうしょっぱなから、合唱がかき消されるくらい太鼓をドンドコ打ってる。合唱もソリストもノリノリで、正直「うるせー!」ってくらいで大満足。
戦争はこうでなくっちゃいけません。
実際の舞台の写真を見てみますと、キャビンの様子はかなり殺風景ですが、アレンの時の演出とは対照的にかなり明るいですネ。そのせいかどうかはわかりませんが、この『ビリー・バッド』の演奏は暗くないです(というか、ちょっと笑えます)。
出演者のテンションがなにげに高い。
シコフのヴィアはおヒスだし。
テノール狂乱「mine, mine,...!!ヽ(`Д´)ノ」はピアーズに比べりゃ大人しいですが、甲高い音程で叫ぶたびに「がしゃーん、ばたーん」と音がします。いったい何をぶちまけているんでしょうか!?
ボー・スコウフスのビリーは精力まんまん。ゴリソップ、じゃなくてグロソップより声は若々しいですが、かなり腕っぷしの強そうな歌唱です。
特に、クラッガートに告発されて「a...a...」と言葉が出なくなるシーンがウケます。うまく釈明できないのに苛立ってクラッガートをぶん殴ってしまうのですが、
「a...aaaaaa DEVIL! 」
って、何なのだ、そのあからさまに殺す気まんまんなクレッシェンドは!?
処刑前の独唱も“元気”です。特に、船乗り仲間のダンスカーからビスケットとウィスキーをもらってからは、「ああ、頭に栄養がいったのネ」と(笑)
まぁ、この独唱の後半部分を明るく元気に歌うのは、けっこうワタシの好みなのです。
(アレンはですね……ホント、声に死の陰が漂っているから、こういう旋律で聴くと痛いです)
それよりも何よりも、クラッガート役のエリック・ハーフヴァーソンの歌唱が、全編にわたって楽しそうです。声もデカいし、景気がいい。
ビリーをいびる時も艦長にチクる時も、「お~びゅうぅぅぅてぃぃぃ~~」と後ろ暗い独白を歌う時も、とにかく四六時中ワクワクオーラをふりまいています。
嘘つけ!!(`皿´)
と思った方のために、こそっと視聴ファイルを作ってみました。ワタシが惚れた、自作自演盤のマイケル・ラングドンの歌唱と聴き比べてみてください。
マイケル・ラングドンのセクシーな悶え声
ハーフヴァーソンの妙に楽しそうなヴィブラート
……ネ?(*´∨`)
(単に自分の好きな部分を押し付けがましく聴かせたいだけダロ!!(`皿´)って思った方、当たりデス)
『ビリー・バッド』は暗いから苦手、という方には、このCDお薦めです。景気がいいし、胸が痛くなりすぎない程度にちゃんとラストも感動できます。
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『Billy Budd』/Benjamin Britten
Conductor: Donald Runnicles, Chor und Orchester der Wiener staatsoper
Captain Vere : Neil Shicoff
Billy Budd : Bo Skovhus
John Claggart : Eric Halfvarson
Mr. Redburn : Robert Bork
Mr. Flint : Wolfgang Bankl
Lieutenant Ratcliffe : David Cale Johnson
Red Whiskers : John Dickie
Donald : Geert Smits
Dansker : Alfred Sramek
The Novice : John Nuzzo
Squeak : Cosmin Ifrim
と思った方は、こちらで兄さんの輝かしい略歴をお勉強しながら話題が変わるのを待ちましょう。いやいやマジメな話、音楽的にもストーリー的にも久々にハマった演目なのでネ(*´∨`)
お気に入り度はドンジョの次くらいじゃないかしらん。
グロソップ様という好みの歌手にも出会えたし(またもや昔の人なんだけど)、オペラ聴いててよかったヨ~・゚・(つД`)・゚・と思える瞬間です。
(ウチは情報発信blogじゃなくて、完全に個人的な感想&お遊びの場。あまり読者のことも考えていませんので、その辺ひとつヨロシクです)
さて、ブリテン自作自演盤はオッサン臭いグロソップ・ビリーやラングドンのセクシーなクラッガートが完全にツボで満足なのですが、一つだけワガママを言わせてもらえば、「敵船追跡シーンが物足りない」。
迫力はあるのですが、なんかこう……演奏が小奇麗というか、お行儀が良いというか……。もうちょっと、ムサクルシさや汗臭さがあると聴いてて高揚するんだがなぁ、と思うのです。
『ピーター・グライムズ』の聴き比べの時も感じたのですけれども、ブリテンってばカッコいい曲を書いてるくせに、自演では曲の魅力を100%引き出せてはいないようです。まぁ恐らくこれはブリテンに限ったことではなく、更には音楽に限ったことでもなくて、その作品の真の魅力や“売り”を嗅ぎつけるのは案外他人であったりするものです。
というわけで、「ライブなら臨場感のある追跡シーンが聴けるかも」と、ウィーン国立歌劇場のライブ盤を買いました。
直接の決め手は、CDケースの裏を見たら、ヴィア艦長役のニール・シコフの顔がスゴかったってコトなんですが。
ちなみに、シコフはこちらの『ラ・ボエーム』DVDで兄さんと共演している関係で、なんとなく応援しているテノールです。彼も年をとりましたネ(DVDは1982年。CDは2001年2月)。
もう一つの決め手は、新兵役でジョン・健・ヌッツォが出てること。妙~におホモちっくなかほりがしたNHK大河ドラマ『新撰組!』(2004年)の主題歌を歌う前にも、おホモちっくなオペラに出演していたというわけですネ。ウケます。
(しかも、とってもイイ仕事してます♪)
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で、CDの感想ですが、最近の録音にしてはさほど音質は良くはないんですけど、さすがライブ盤ってことで、想像に違わず元気いっぱい。ドスンバタンやってます(笑)
目当ての「敵船追跡シーン」も、自作自演盤と何が違うって、もうしょっぱなから、合唱がかき消されるくらい太鼓をドンドコ打ってる。合唱もソリストもノリノリで、正直「うるせー!」ってくらいで大満足。
戦争はこうでなくっちゃいけません。
実際の舞台の写真を見てみますと、キャビンの様子はかなり殺風景ですが、アレンの時の演出とは対照的にかなり明るいですネ。そのせいかどうかはわかりませんが、この『ビリー・バッド』の演奏は暗くないです(というか、ちょっと笑えます)。
出演者のテンションがなにげに高い。
シコフのヴィアはおヒスだし。
テノール狂乱「mine, mine,...!!ヽ(`Д´)ノ」はピアーズに比べりゃ大人しいですが、甲高い音程で叫ぶたびに「がしゃーん、ばたーん」と音がします。いったい何をぶちまけているんでしょうか!?
ボー・スコウフスのビリーは精力まんまん。ゴリソップ、じゃなくてグロソップより声は若々しいですが、かなり腕っぷしの強そうな歌唱です。
特に、クラッガートに告発されて「a...a...」と言葉が出なくなるシーンがウケます。うまく釈明できないのに苛立ってクラッガートをぶん殴ってしまうのですが、
「a...aaaaaa DEVIL! 」
って、何なのだ、そのあからさまに殺す気まんまんなクレッシェンドは!?
処刑前の独唱も“元気”です。特に、船乗り仲間のダンスカーからビスケットとウィスキーをもらってからは、「ああ、頭に栄養がいったのネ」と(笑)
まぁ、この独唱の後半部分を明るく元気に歌うのは、けっこうワタシの好みなのです。
(アレンはですね……ホント、声に死の陰が漂っているから、こういう旋律で聴くと痛いです)
それよりも何よりも、クラッガート役のエリック・ハーフヴァーソンの歌唱が、全編にわたって楽しそうです。声もデカいし、景気がいい。
→この人(左)なんですけど。
ビリーをいびる時も艦長にチクる時も、「お~びゅうぅぅぅてぃぃぃ~~」と後ろ暗い独白を歌う時も、とにかく四六時中ワクワクオーラをふりまいています。
嘘つけ!!(`皿´)
と思った方のために、こそっと視聴ファイルを作ってみました。ワタシが惚れた、自作自演盤のマイケル・ラングドンの歌唱と聴き比べてみてください。
マイケル・ラングドンのセクシーな悶え声
ハーフヴァーソンの妙に楽しそうなヴィブラート
……ネ?(*´∨`)
(単に自分の好きな部分を押し付けがましく聴かせたいだけダロ!!(`皿´)って思った方、当たりデス)
『ビリー・バッド』は暗いから苦手、という方には、このCDお薦めです。景気がいいし、胸が痛くなりすぎない程度にちゃんとラストも感動できます。
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『Billy Budd』/Benjamin Britten
Conductor: Donald Runnicles, Chor und Orchester der Wiener staatsoper
Captain Vere : Neil Shicoff
Billy Budd : Bo Skovhus
John Claggart : Eric Halfvarson
Mr. Redburn : Robert Bork
Mr. Flint : Wolfgang Bankl
Lieutenant Ratcliffe : David Cale Johnson
Red Whiskers : John Dickie
Donald : Geert Smits
Dansker : Alfred Sramek
The Novice : John Nuzzo
Squeak : Cosmin Ifrim
タグ:ビリー・バッド
2007-05-06 16:41
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コメント(4)
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SECRET: 0
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>エリック・ハーフヴァーソンの歌唱
ヴィブラート(の幅)が気になる
非常にココロない
盛り上がると音程などどーでもよくなる
どこかで聴いた覚えのある歌唱ですな。同類をハケーン…
名前をメモメモして、さっそく他の演目も聴いてみよう。
by ウタコ (2007-05-07 22:19)
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>ハーフヴァーソン
明るくてなにげにイイ声だし、愛嬌があっていいっショ? この人がCD全体のテンションを底上げしてるよね♪
こーやってお気に入り歌手が増えていく。
この人のワーグナーなら案外ラクに攻略できるかも。
でもまずオックス男爵を…(。+・`ω・´)シャキィーン☆
by しま (2007-05-08 19:55)
TITLE:
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ぼくはラングドンの方が好きだなぁ。
ハーフヴァーソンはなんだかだんだん笑いがこみ上げてくる・・・w
アゴが外れた人がよだれたらしながら歌うとこんな声になりそうですね。。
by ぶどう (2007-05-09 00:14)
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>アゴが外れた人が…
なはは、ソリャ言い過ぎですワ。
笑いがこみあげるのは確かですけど。オックス男爵とか、ジェロントとか似合うと思うのね♪
ラングドンのクラッガートはまじでセクシー。一度、自作自演盤をお試しあれ。惚れますよ?
ざっと調べたところ他に録音が見あたらないのが残念です。
by しま (2007-05-10 00:03)