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オペラ・コミーク《コルヌヴィユの鐘》 -- ブランク先生の青春時代 [オペラ録音・映像鑑賞記]

4/19 「続きを読む」以下に、簡単なあらすじをまとめてみました。
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2009-04-14 記

sawayakablanc.jpg このブログで応援しているバリトン歌手は、なにもアレンじーちゃんだけではありません(メインはアレンですけど)。爽やかかつセクシー過ぎてイヤ~ン(*´Д`)なおフランスの往年バリトン、エルネスト・ブランク(通称“ブランク先生”)も大切なアイドルなんでございます。

 1923年のお生まれ。主にパリを中心に活躍した歌手ということで、日本ではそんなに…というか、全然有名ではありませんし、私も本当にひょんなことから一耳惚れをしたんですけど、一般的な知名度のワリにはコアなファンがいらっしゃるのでして、既にネットを通じてお二人のファンの方と交流させていただいています。

 まったく、メインのじーちゃんなんて、必死になって同士を募集中だというのに、「アレンのファンです!」と名乗りをあげてくださる方がいまだに現れてくださらないのですよ。知名度のワリには(ここ日本では)人気がおありにならないようです…(´・ω・`)

 で、ブランクの話に戻りますが、いくら先生がおフランスの男性の色気ムンムンなセクシー歌唱をなさるからって、女性だけにアピールしていたわけではないところが凄いです。私が交流させていただいているお一人も、お若い男性の方なんですよ(*´∨`) エヘン

 私がイヤ~ン(*´Д`)クネクネと悶えている先生のお声。ちゃんと男性の方にも魅力的に聴こえているんですネ。いや、変な意味では全然なくって!!

 で、最近、その男性ファンの方(Basilioさんとおっしゃいます)に、ブランク先生のお若い時代の貴重なCD音源を差し上げたので、ついでということで、久々に彼独特のデレカント唱法を肴にしてみようと思い立ったということです。

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corneville.jpg ご紹介いたしますのは、ロベール・プランケット作曲のオペラ・コミーク、《コルヌヴィユの鐘(Les Cloches de Corneville)》。
 1877年、パリのフォリー・ドラマティック座の初演だそうです。

 オペレッタは普段はあまり聴きませんし、そうでなくても馴染みの薄いフランスもの。ブランクの録音を血眼になって探していた頃、フランス語のサイトでまずはタイトルのみを知ったのですが、詳細は全くわかりませんでした。

 ようやくこの日本語訳のタイトルを探し当てたのもつかのま。ネット上ではこの作品の詳しい内容はあまり得られないんですね。
 最近でも、「コルヌヴィユの鐘」でグーグル検索をしますと、私の旧ブログが上位に上がってきてしまうという…;;;;(←4/19訂正。この記事を書いたせいで、私のブログがトップです;;; 大した情報も載せてないのに申し訳ない。いかにこの作品がマイナーかってコトですね)

 CDじたいもあまり熱心に聴いていなかったので、あらすじを把握する努力を放棄してウン年が経過しておったのですが、このたびBasilioさんに、詳細がばっちり載っている書籍を教えていただき、ついでにテキストをスキャンしていただき(爆)、ようやくストーリーとブランク先生の役ドコロを知ることができました。

 永竹由幸さんの『オペレッタ名曲辞典』だそうです。さぁ、お近くの図書館へGO!!

 どうやら、コルヌヴィユ城の幽霊話をメインにした、ドタバタ恋愛喜劇といった感じらしい。

 ブランクの役ドコロは、その城主のコルヌヴィユ侯爵の孫、アンリ・ド・コルヌヴィユ。ええと、一応、主役ですよね???
 シーツを被って幽霊のフリをしたり、ヒロインにプロポーズしたりと、なかなか青春真っ盛りな爽やかな若者の役のようです(*´∨`)

《コルヌヴィユの鐘》あらすじ

■第1幕

 17世紀のフランス、ルイ14世治下の終わり頃。
 ノルマンディ地方のとある町では、職を求める人々で朝からごったがえしている。

 ヒロインのジェルメーヌは六週間前にこの町に来たばかりだが、父親がわりのガスパールに町の代官と結婚するよう強いられ、悩んでいる。
 ジェルメーヌの心は実は、旅の途中で海に落ちた自分を助けてくれた見知らぬ男のことでいっぱいなのだが、そんなことを知らない町の人々は、ジェルメーヌが町の若者グレニーシュを愛しているのだと思っている。

 グレニーシュはグレニーシュで、ガスパールの召使いセルボレットという恋人がいるにもかかわらず、ジェルメーヌのほうが裕福だから乗り換えようなどと考えている。

 当然、セルボレットは面白くない。セルボットは赤ん坊の頃にガスパールに拾われた身で、そのまま召使いになったのだ。なのに、六週間前に「姪だ」という触れ込みで突然ガスパールに引き取られたジェルメーヌはお姫さま扱い。なぜ自分ばかりが損をするのかとぼやいている。

 そこへ、外国人の身なりをした若い男が登場。ジェルメーヌに「コルヌヴィユ城」はどこかと尋ねる。
 男の名前はアンリ・ド・コルヌヴィユ侯爵。二十年ほど前までこの地方を統治していた城主の孫で、世界中を旅した後にこの地に戻ってきたのだった。

 それを知らないジェルメーヌは、アンリに城にまつわる話を語ってきかせる。叔父のガスパールがこの城の管理人をしているため、彼女も城についてよく知っているのだ。

「このお城の城主様は二十年前にノルマンディ独立運動を起こして失敗し、以来、行方をくらましてしまったの。その後、城に幽霊が出るという噂が流れ、今では誰も城に近づかないわ。空っぽの城に城主様が戻ってくれば、ずっと鳴らないでいる鐘が高らかに鳴り響くと伝えられているのだけれど」

 アンリは自分の身分を明かし、グレニーシュやセルボレットを使用人として雇う。
 ジェルメーヌも、ガスパールの姪という立場を隠して、アンリの召使いになりたいと願い出る。雇用契約を結べば、その者の身柄は六ヶ月のあいだ主人に拘束されるので、代官と結婚せずに済むのである。

 ジェルメーヌをよく見たアンリ侯爵は、彼女こそ、自分が六週間前に海から救った娘だと気付く。アンリもまた、助けてやった見ず知らずの娘のことが忘れられないでいたのだった。

■第2幕

 その日の晩、アンリ侯爵は部下の水夫、グレニーシュ、セルボレット、ジェルメーヌたちを連れてコルヌヴィユ城の中に入る。
 一同は「幽霊が出るのでは」と怯えているが、アンリは「作り話だ」と笑い飛ばす。
 城には恐らく盗賊か何かが住み着いていて、人々を遠ざけるために幽霊の噂を流したのだろう。

 アンリが内部を調べてまわると、はたしてその通りだった。小部屋のひとつに盗賊がいたと思われる場所があり、幽霊を偽装するためのシーツや何やかやが散らばっている。

 それらの中から古い手紙が発見された。
 1667年5月16日の日付で、コルヌヴィユ城の城主と一緒に政治亡命をしたド・ルセネー伯爵の署。宛名はコルヌヴィユの管理人のガスパールで、「生まれたばかりの娘を頼む。素性がばれないように、単なる捨て子として育てて欲しい」と書いてあった。

 セルボレットは、「私がその伯爵令嬢よ!」と大喜び。

 その時、城に何者かが入ってくる。一同が息をひそめて隠れていると、入ってきたのは管理人のガスパールであった。
 ガスパールは城の窓辺に甲冑を置き、あたかも幽霊のように偽装をしてから、小部屋の奥に隠してある金貨を眺めてほくそ笑む。

 盗賊、そして幽霊の正体は、管理人のガスパールだったのだ。
 アンリは部下に命じて城の鐘を鳴らす。そして皆で幽霊のふりをして登場すると、ガスパールは恐怖のあまり正気を失う。

 * * *

 数日後。
 すっかり自分が伯爵令嬢だと信じ込んだセルボレット。グレニーシュは金持ちになった彼女とよりを戻そうとするが、全く相手にされない。そこで、もう一度ジェルメーヌに言い寄るために、「六週間前に海から救ったのは僕だよ」と嘘をつくが、怒ったアンリ侯爵に城を追い出される。

 アンリはジェルメーヌに真実を打ち明け、結婚を申し込むが、ジェルメーヌは「召使いと侯爵様とでは身分が違いすぎる」と辞退する。

 城で脅かされて以来、すっかり正気を失ってしまったガスパールは、代官を先代の代官と間違え、二十年前に二人で企んだ悪事を白状する。

 ガスパールも元は正直な人間であり、だからこそ城と伯爵令嬢を預かる役目をおおせつかったのである。しかし、亡命した城主もド・ルセネー伯爵もこの地に戻って来ず、やがて城やド・ルセネー伯爵の財産に目がくらみ、先代の代官と共謀して自分たちのものにしようと考えてしまったのだった。

 正気に戻ったガスパールは、隠し持っていたジェルメーヌの出生記録を見せる。
 1667年5月16日。
 真の伯爵令嬢はジェルメーヌであることが証明され、アンリとジェルメーヌはめでたく結ばれる。
 
 二人を祝福するかのように、コルヌヴィユの鐘が二十年ぶりに鳴り響く。



 …とまぁ、こんなお話です。
 微妙に破綻している部分も多いんですが、それなりに辻褄が合うように勝手に表現を付け加えたりしています。あくまでも、音楽を聴いた感じと、舞台上の時系列そのまんまに表記された永竹センセイのあらすじを元に、「こんなストーリーなんだろう」と勝手に想像してまとめただけですので、細かい部分で間違っているかもしれません。
 なにしろ、フランス語がわからないので、CDを聴いても確かめようがないのです。ご了承くださいませ。

 それにしても、本っっ当に青春真っ盛りのかわいらしいお話(*´∨`)
 音楽も軽やかなシャンソン風で、初めて聴いた時には「イヤ~ン、ブランク先生がこんなフリルのリボンみたいな歌を歌うなんてぇぇぇ…モジ(((´ω` *)(* ´ω`)))モジ」、と、かなり恥ずかしかったんですが、慣れてくるとけっこう先生の声質やキャラクターに合ってるんじゃないかって気もしてきました。

 そんな若き日のブランク先生の軽やかな歌声をお聴きください。

 1955年の録音のようですので、先生は32歳…ですね…(*゚Д゚)

 普通に、これじゃ“弟”ですが、やはり30代前半ということで声が軽いし瑞々しい!!!! 後に、低音に凄みと迫力が加わって、けっこうな大声&重量系歌手におなりになるのですが、当時はびっくりするくらい軽やかな声です。

 でも、ちゃんとイヤ~ン(*´Д`)なデレカントも披露してくれていまして、ファンならずともブランクの歌い癖が気になる方には必ずやご満足いただけると思います。

“我が数多くの旅の中で”

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コメント 6

Basilio

こちらではお初にお目にかかります、Basilioですmm
や、実は何度も拝見させていただいてはいたのですが(^^;

ブランク、若いですね!w
こんな役もやってしまうのか?!って言う感じでびっくりです。芸達者。
いつも言うことですがどうしてこの人がこんなにマイナーなのか理解に苦しみます(苦笑)

そうそう、実はこの秋のスカラ座の『ドン・カルロ』を観に行くのですが、ブランク先生はロドリーゴは歌ってないんですかね?結構素敵だと思うのですが。。。
by Basilio (2009-04-19 16:49) 

しま

Basilioさん>
お初のコメント、ありがとうございます。ムリヤリ引っ張り出しちゃったみたいでごめんなさい;;;
貴重な同士、これからもよろしくお願いします。

普段は重厚なオペラで、デレデレしつつも男らしく咆えてますから、ホント、「こんな役も!?(*゚Д゚)」って感じで新鮮ですよね。
声もあからさまに若いですしねぇ。こんな録音まで聴くことができて幸せです。

ロドリーゴはブランク先生のレパートリーの中で超重要な役だったはずです。エスカミーリョも有名ですけど。
でもロドリーゴは残念ながら、録音が残っていないんですよね(多分)。
ゲッダニコライとの共演なんかが録音されてたら、それこそ鼻血モンですよね!!!
どんなに劣悪な音質であっても、録音が残ってたら嬉しいのになぁ。
by しま (2009-04-20 00:29) 

Basilio

いえいえとんでもないです、こちらこそよろしくお願いしますmm

ブランク先生は何を歌っても“粋”な感じがしますよね!こちとらパリっ子ダゼぃぃぃぃ!!!!みたいなwwwどこの生まれか知りませんが(^^;

ですよね!!まあ、デレデレロドリーゴが役に立つかどうかはいざ知らず…(笑)
せめて“我らの胸に友情を”か“終わりの日は来ぬ”だけでも音源があればと思うのですが。。。
by Basilio (2009-04-21 20:00) 

しま

Basilioさん>

>ブランク先生は何を歌っても“粋”

そうなんですよね~。洗練されたイイ男って感じで。お育ちも良さそう…(*´艸`*)
なので、いい意味で泥臭いイタオペやなんかを歌うと、そのミスキャストぶりに大ウケです。
サナリーシュルメールの生まれだそうです。プロヴァンス地方だと思います。

>“終わりの日は来ぬ”

それ、絶対に聴きたいっヽ(`Д´)ノ
by しま (2009-04-21 22:54) 

Maimai

はじめまして。
「コルヌヴィルの鐘」はアンティークオルゴールのCDで知りました。今ではあまり知られていない曲だと思いますが、オルゴールの世界では定番のようです。
デレカント、堪能しました。うっとりですね・・・。
by Maimai (2009-10-18 22:20) 

しま

Maimaiさん>
はじめまして。コメントをありがとうございました。
それから、お返事が遅くなり申し訳ありません。

>オルゴールの世界では定番のようです
そうだったんですか。
1幕でジェルメーヌが歌う“ディグディグド~ン”の部分でしょうか。
確かにオルゴールにとても合いそうな旋律です!!

教えてくださってありがとうございます。
特定のバリトン歌手に偏った内容なブログなので恐縮ですが、またお暇な時にお立ち寄りくださいませ。(更新頻度が著しく落ちていますが…;;;)
by しま (2009-10-30 23:02) 

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