アレンの映画出演 in 《ヘンダーソン夫人の贈り物》 -- "The Birth of the Marseillaise" [アレンの話題]
少し前の映画ですのでイマサラ感はあるのですが、せっかくなのでまとめておきます。
2005年のイギリス映画、《ヘンダーソン夫人の贈り物》。
ですが、原題は"Mrs. Henderson Presents" なので、ショービジネス風に《ミセス・ヘンダーソン提供》なんて訳したほうがニュアンスは近いかもしれません。
ストーリーは、1930年代にイギリス初のヌード・レビューを興行したヘンダーソン夫人(ジュディ・デンチ)と劇場マネージャー(ボブ・ホスキンス)の奮闘を描いたもの。ユーモラスで心温まる物語です。
(右上の画像をクリックすると、YouTubeで映画のトレーラーが見られます)
サー・トーマス・アレンの役は実在した英国人コメディアン、エリック・ウッドバーン(Eric Woodburn)。
映画の冒頭で、主演のデンチやホスキンスと並んで、
And, Sir Thomas Allen
なんて、デカデカとクレジットされちゃってるので、ファンとしてはここで「おお~!!ヽ(´ー`)ノ」と盛り上がれます。
ま、肝心の出演時間は30秒もありませんが(笑)
←こんな感じ。
マヌケなカツラといい、下唇のめくれ方といい、ガッツポーズといい…。
せっかくの銀幕デビウだというのに、普段の舞台写真とあまり変わり映えはしませんねぇ(笑)
これ、ヘンダーソン夫人の経営するウィンドミル劇場に特別ゲストとして招かれた人気芸人エリック・ウッドバーンが"The Birth of the Marseillaise"〈フランス国歌の誕生〉というネタを披露している、というシーンなんです。
ネタと言っても、アレンは歌っているだけなんですケド♪
このアレンの出演シーンがYouTubeにアップされています。
アレンの登場は1:40を過ぎたあたりから。
映画中盤以降。ヒトラーのナチス・ドイツがフランスに侵攻し、いよいよイギリスも危ないな…という空気が漂うなか、「武器をとれ」「進め」と観衆を鼓舞しているんですね。
それぞれの愛国心が込められてこその国歌ですけど、歌詞だけを眺めると物騒ですねぇ…;;;(→訳詞はこちら)
-----------------------------------
サーの背後で静止している半裸のおネエちゃんたちが気になるところだと思いますが…(笑) このおネエちゃんたちの存在こそが、この映画のキモのキモ。
劇場の赤字脱出のため、ヘンダーソン夫人はヌードで集客を目論むわけですが、当時のイギリスでは裸はご法度。そこで、「美術館のヌードのように"静止画"であれば、猥褻ではなくて"芸術"よね」というヘリクツでもって、お役人にむりやりウンと言わせるのです。
サー・トーマスの熱唱に、神妙な面持ちの観客たち。決して笑いをとるシーンではない筈なんですが(映画の前半でさんざん笑わせてもらえますので)、「こんな真剣な出し物でも、オッパイは欠かせないのか!!」と、ヘンダーソン夫人とマネージャーのプロ意識に感服しつつ、クスっと笑ってしまいます。
というわけで、アレンが出ていてもいなくても全く関係なしに楽しめる映画ですので、ご興味のある方はぜひDVDをレンタルしてご覧ください。
ちなみに、ウィンドミル劇場はロンドンのピカデリーサーカスに現在もちゃんと存在してます。今は経営者が違うので、興行の内容もだいぶ変わったようですが。ストリップ系ということなので、ハダカの伝統はちゃんと続いているんですね。
さて、アレンの扮するエリック・ウッドバーンのことも気になったので、サクッと検索をかけてみました。
Eric Woodburn
スコットランドのグラスゴー生まれのコメディアンで、「キャラクター・バリトン」であると紹介しているサイトもあります。歌ネタで笑いをとった芸人さんと思われます。
生年月日は不明ですが、亡くなったのは1982年だそうです。
ウッドバーンの知名度がどの程度だったのかは、現代の、しかも外国人である私には知る由もありませんが、ネタの映像は残っており、ネットでいくつか見ることもできます。
YouTubeにもありました。
こちらは、本物のウッドバーンによる "The Birth of The Marseillaise(フランス国歌の誕生)" 。
アレンは後半のラ・マルセイエーズしか歌っていませんが、実は前半に一人芝居の入った長めのネタだったんですね。
当時のニュース映画などに使われたものでしょうか。1939年3月17日の映像ということ以外、詳細は不明です。
冒頭に、「フランス国歌として知られるラ・マルセイエーズは、フランス革命中の1792年にルージェ・ド・リールによって一晩で作詞作曲されました」とナレーションが入ります。
あんまり面白くありませんよね。笑わせるのが目的ではなく、戦争プロパガンダとしてのネタだからでしょう。
余談ですが、映画《カサブランカ》でもラ・マルセイエーズを使った効果的なシーンがありました。
この歌の歌詞を知ったのは、この記事を書くために調べた今日が初めてだったのですけど、歌詞を全く知らない頃でも、この歌を聴くと妙に気持ちが駆り立てられたものです。
アレンがガッツポーズをしちゃうのも、なんかわかる気がします。
2005年のイギリス映画、《ヘンダーソン夫人の贈り物》。
ですが、原題は"Mrs. Henderson Presents" なので、ショービジネス風に《ミセス・ヘンダーソン提供》なんて訳したほうがニュアンスは近いかもしれません。
ストーリーは、1930年代にイギリス初のヌード・レビューを興行したヘンダーソン夫人(ジュディ・デンチ)と劇場マネージャー(ボブ・ホスキンス)の奮闘を描いたもの。ユーモラスで心温まる物語です。
(右上の画像をクリックすると、YouTubeで映画のトレーラーが見られます)
サー・トーマス・アレンの役は実在した英国人コメディアン、エリック・ウッドバーン(Eric Woodburn)。
映画の冒頭で、主演のデンチやホスキンスと並んで、
And, Sir Thomas Allen
なんて、デカデカとクレジットされちゃってるので、ファンとしてはここで「おお~!!ヽ(´ー`)ノ」と盛り上がれます。
ま、肝心の出演時間は30秒もありませんが(笑)
←こんな感じ。
マヌケなカツラといい、下唇のめくれ方といい、ガッツポーズといい…。
せっかくの銀幕デビウだというのに、普段の舞台写真とあまり変わり映えはしませんねぇ(笑)
これ、ヘンダーソン夫人の経営するウィンドミル劇場に特別ゲストとして招かれた人気芸人エリック・ウッドバーンが"The Birth of the Marseillaise"〈フランス国歌の誕生〉というネタを披露している、というシーンなんです。
ネタと言っても、アレンは歌っているだけなんですケド♪
このアレンの出演シーンがYouTubeにアップされています。
アレンの登場は1:40を過ぎたあたりから。
映画中盤以降。ヒトラーのナチス・ドイツがフランスに侵攻し、いよいよイギリスも危ないな…という空気が漂うなか、「武器をとれ」「進め」と観衆を鼓舞しているんですね。
それぞれの愛国心が込められてこその国歌ですけど、歌詞だけを眺めると物騒ですねぇ…;;;(→訳詞はこちら)
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サーの背後で静止している半裸のおネエちゃんたちが気になるところだと思いますが…(笑) このおネエちゃんたちの存在こそが、この映画のキモのキモ。
劇場の赤字脱出のため、ヘンダーソン夫人はヌードで集客を目論むわけですが、当時のイギリスでは裸はご法度。そこで、「美術館のヌードのように"静止画"であれば、猥褻ではなくて"芸術"よね」というヘリクツでもって、お役人にむりやりウンと言わせるのです。
サー・トーマスの熱唱に、神妙な面持ちの観客たち。決して笑いをとるシーンではない筈なんですが(映画の前半でさんざん笑わせてもらえますので)、「こんな真剣な出し物でも、オッパイは欠かせないのか!!」と、ヘンダーソン夫人とマネージャーのプロ意識に感服しつつ、クスっと笑ってしまいます。
というわけで、アレンが出ていてもいなくても全く関係なしに楽しめる映画ですので、ご興味のある方はぜひDVDをレンタルしてご覧ください。
ちなみに、ウィンドミル劇場はロンドンのピカデリーサーカスに現在もちゃんと存在してます。今は経営者が違うので、興行の内容もだいぶ変わったようですが。ストリップ系ということなので、ハダカの伝統はちゃんと続いているんですね。
さて、アレンの扮するエリック・ウッドバーンのことも気になったので、サクッと検索をかけてみました。
Eric Woodburn
スコットランドのグラスゴー生まれのコメディアンで、「キャラクター・バリトン」であると紹介しているサイトもあります。歌ネタで笑いをとった芸人さんと思われます。
生年月日は不明ですが、亡くなったのは1982年だそうです。
ウッドバーンの知名度がどの程度だったのかは、現代の、しかも外国人である私には知る由もありませんが、ネタの映像は残っており、ネットでいくつか見ることもできます。
YouTubeにもありました。
こちらは、本物のウッドバーンによる "The Birth of The Marseillaise(フランス国歌の誕生)" 。
アレンは後半のラ・マルセイエーズしか歌っていませんが、実は前半に一人芝居の入った長めのネタだったんですね。
当時のニュース映画などに使われたものでしょうか。1939年3月17日の映像ということ以外、詳細は不明です。
冒頭に、「フランス国歌として知られるラ・マルセイエーズは、フランス革命中の1792年にルージェ・ド・リールによって一晩で作詞作曲されました」とナレーションが入ります。
あんまり面白くありませんよね。笑わせるのが目的ではなく、戦争プロパガンダとしてのネタだからでしょう。
余談ですが、映画《カサブランカ》でもラ・マルセイエーズを使った効果的なシーンがありました。
この歌の歌詞を知ったのは、この記事を書くために調べた今日が初めてだったのですけど、歌詞を全く知らない頃でも、この歌を聴くと妙に気持ちが駆り立てられたものです。
アレンがガッツポーズをしちゃうのも、なんかわかる気がします。
2010-05-23 10:39
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お久しぶりにコメントさせていただきます♪「ヘンダーソン夫人の贈り物」は派手さは無いですが伝えたいことがじんわりとしみてくる、笑って泣ける秀作だと思います。
普通に見ていたらいきなりアレンが登場!したかと思えばラ・マルセイエーズを歌い上げたので驚いたのを思い出します(^^)確かに、ジャケットにも名前が出ている割には出演時間は短かったですが本人がノリノリで楽しそうなのでまあいっか、と思えますね。
>Eric Woodburn
本人の情報ありがとうございます。ネタの構成も含めて興味深いですね。
by Sardanapalus (2010-05-24 20:52)
Sardanapalusさん>
こちらこそ、久しぶりの更新です(笑) ごぶさたしております。
>普通に見ていたらいきなりアレンが登場!
そうなんですよね~(笑)
悪目立ちもせず、すんなり映画に溶け込んでいるんですが、どう見てもアレンはアレン。不思議な感覚でした。
>本人がノリノリで楽しそう
やっぱり被り物がお好きなんでしょうかねぇ~(笑)
ヌードのオネエちゃんたちもいますしねぇ~(笑)
by しま (2010-05-27 00:02)
グラスゴーのコメディアンを調べていてこちらにたどり着きました。
Eric Woodburnの情報有難うございます。
同地は歴史的にたくさんのコメディアンが輩出されてきた土地なのでしょうか。とても興味深いです。《ヘンダーソン夫人の贈り物》も是非見てみます。
by ETCマンツーマン英会話 (2014-09-05 00:21)