SSブログ

《イーゴリ公》レニングラード国立歌劇場 12/12(水) 其の一 [オペラ実演レポ]

igor1.jpg さる2007年12月12日(水)、レニングラード国立歌劇場の来日公演《イーゴリ公》へ行って参りました。

 とっても楽しみにしていたんですヨ。

 だって、このオペラのストーリー、全然知らなかったんですもの(爆)

 でも全曲CDはそれこそ擦り切れるほど聴いています。

 こういう現象、オペラを主にCDで鑑賞している人なら、たまにあることなんじゃないかしら。

 ストーリーわかんなくても平気の平左。
 特に、好きな歌手だったりしたらサ。その歌唱の魅力だけで十分に満足できてしまうから。

 それに、歌詞なんてわかんなくても、音を聴いてたらなんとな~く何やってんのか想像はつくでしょ。で、さんざんっぱら音を聴いて飽きてきたら、どれどれ…ってな感じで「絵」を見てみる。

 そこで、
「おお、やっぱり!!」
 とか、
「アリャリャ。全く想像とは違っていたヨ(*゚Д゚)」
 とか、
 答え合わせをするのが楽しいんです。

 この演目に興味を持ったのは、ボリス・クリストフのCDでガリツキー公とコンチャーク汗のアリアを聴いて、あまりの雄臭さと色気に夢中になったのがきっかけです。
 声を聴いているだけでエクスタシーの極みなので、興味がストーリーへ移行するのがますます遅れてしまったんでしょうね。

 正直、ガリツキーとコンチャークも「ボリスの声じゃなきゃヤダ~(*´Д`)」となっちゃっている私です。

 ヘタクソなバス(←失礼)だったらどうしよう~なんてクヨクヨが半分。
 でもイーゴリ公のバリトンのパートはかなり流麗。久しぶりに素敵なバリトンを堪能できるワクワクが半分。
 要するに、けっこうなハイテンションで渋谷はBunkamuraオーチャードホールへ向かったのであります。

igor2.jpg 座席からの見た目は、こんな感じ。

 ちょっと右寄りですけど、字幕も見やすいし(今回はコレ、めちゃくちゃ重要!)、舞台からもほどほどに近いし、満足度はかなり高し。

 ロシア系東欧系のお国からのお引越し公演はS席でもさほど高くはないので、お得感がありますね。

 まぁその……幕が上がったとたん(というか、会場のライトが落ちたとたん)、そのリーズナブルさにふさわしい(?)数々のネタが私と同行者を襲ったのでありますが。

-----------------------
 まず、開演開始のアナウンスが流れて会場がふわっと暗くなったとたん、左右の席から「バリ……バリ……」と小さな音が。



 誰ですか。お菓子の袋を開けているのは……?


 ここは映画館ですか(*゚Д゚)?



 しかし、ボロディンの美しい序曲が始まったら、さすがに場の空気を読んだと見えて、お菓子を食う音は鳴り止みましたです。

 左側の席にお座りになっていた中年ご夫婦のお喋りは最後まで止まりませんでしたけど。しかも、男性が延々とウンチクを語り、女性が「へぇ~」「そうなんだ~」とやる、映画館でよくあるパターン。
 いいトシして、おまえらぁぁぁ…(#^ω^)

 やがて幕が上がり、イーゴリ公登場。

 ほほう、これから戦争に行こうってゆーのね。そんでもって兵士を鼓舞して祖国の偉大さを褒め称えて――



 つか、 声、聞こえないんですけど……



 いや、まぁ、出だしだからな。スロースターターな歌手なのかもしれないし、主役の声が聞こえないのはいろんな意味で慣れてるヨ(…orz)

 そのうちエンジンが温まってくりゃぁ、ロシア系のぶっとい声でイーゴリ公の旋律を――



 って、 すっげえ音痴だよぉ~ウワァァンヽ(`Д´)ノ



 もうさ、微妙にシャープだとかフラットだとか、部分的に失敗したとか、そういうことじゃないんです。

 カワイソウなんだけど、言っちゃう。
 ありゃイナカのスナックから漏れてくる、酔っ払いのカラオケですわ(*゚Д゚)
 曲目は「昴」ね。

 オペラは生モノ。コンディションが悪くて……なんてことはよくある話で、それだけだったらネタにも何にもなりゃしないんですけど。

 ここまで面白くなっちゃう人は初めてです!!

 期待とのあまりの落差に、ショボーン(´・ω・`)どころか、(;.;:゜Ж゜;:)ブッ!と吹き出すのを堪えるのに必死。だめだ、どうしても肩が揺れてしまうヨ。

 追い討ちをかけるように嫁のヤロスラーヴナが登場して、こちらは正しい音程で、そしてものすごいデカ声で公の歌をかき消してくださるものだから、この辺がMAXに腹筋が鍛えられました。

 やがて第1幕が終わり、休憩しようと立ち上がったところ、真後ろの席のオバサン3人が大口を開けて熟睡してました。

 ちょっと居眠りって感じじゃないのよ。コートを丸めて枕をつくって、完全に寝の体勢になってるの。

 よく眠れるなぁ。こんなに面白かったのに。


 其のニへ続く

nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 3

ぶどう

TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
>こういう現象、オペラを主にCDで鑑賞している人なら

ありまくりですね(笑)

>リーズナブルさにふさわしい(?)数々のネタ

名演だったら激怒ですけど、ネタ公演ならそんな場の雰囲気も許せますねw
by ぶどう (2008-01-05 22:51) 

ラテ

TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
あぁぁぁ~!
やっぱり~~~!!
渋谷の翌日の上野も全っ然声出てなかったですよ~。
歌声がオケに所々かき消されてある意味とってもスリリングで手に汗握る演奏でちた。
by ラテ (2008-01-06 23:22) 

しま

TITLE:
SECRET: 0
PASS: 9ad75ec898dcbec2ba9af00361834064
■ぶどうくん
>ありまくりですね(笑)
だよね~!!
実は《清教徒》も知らないんだ。ブランクのとこばっかり聴いてるし♪

>ネタ公演
うん、まさしくコレはそうだったw


■ラテさん
>翌日の上野も全っ然声出てなかったですよ
13日もネナドフスキーたんだったみたいですね。
そもそも連チャンで歌うというところが既にネタかも(*゚Д゚)
普通は間二日くらいはあけないか!?(まぁ出番は少ないけんど)
by しま (2008-01-07 22:03) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。