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【デレカント唱法】/歌唱用語 [オモシロ歌唱事典]

※10/19 試聴ファイル、差し替えしました。

 初出:ブランク先生の『椿姫』/Le Chant Francais1948-1965

young-blanc.jpg オモシロ歌唱技法の一つ。当ブログの造語。
 
 フランスの往年のヘルデン・バリトン、エルネスト・ブランク(Ernest Blanc 1923~)独自の歌唱法を指す。過剰なレガートにより、デレデレとセクシーに聴こえることから、イタリア・オペラの歌唱用語「ベルカント」をもじってこう呼ばれる。

 技法としては強調された「レガート(連続する2つの音を途切れさせずに歌うこと)」に分類されるが、ブランクの歌唱においては、必ずしもスコアにその指定がされているとは限らない。また、2音の繋がりではなく、フレーズの最初の音の入りにデレカントを入れてくる例も多いため、「レガート」ではなく単なる「歌い癖」としか考えられない節もある。
 が、この特徴的な歌唱法が、時に「あっは~ん」「うっふ~ん」と悶えているかのようなお色気ニュアンスを添えるとして、現在にいたるまで一部のマニアックな聴き手の間で根強い人気を誇っている。

 レオ・ヌッチの「ずりあげ歌唱」とは、お色気の有無で一線を画す。

 専門用語ではないため、この用語の一般使用は勧められない。



 今ではすっかりアレン一色になっていますが、もともとオペラのブログを始めたのは、ブランク先生の歌唱について語りたかったためなのでした。
 初心に戻って、大盤振る舞いしときます。


 ↓↓「デレカント唱法」のサンプルはこちら↓↓


 《カルメン》トレアドール・ソング ※赤字の部分が「デレカント」です。
 
 car c'est la fete des gens du courage!
 c'est la fete des gens de caeur!
 Allons! en garede! ah!
 Toreador, en garde!
 Et songe bien, oui, songe en combattant,a
 qu'un aeil noir te regarde
 et que l'amour t'attend!
 Toreador, l'amour t'attend!


 《真珠採り》
 
 Nadir! Nadir! ami de ma jeunesse
 Est-ce bien toi que je revois?




 《リゴレット》 ※フランス語歌唱
 
 フランス語のリブレットが無い為、割愛。しかし、ここまで聴いてこられた方には、著しいデレカントぶりは一“耳”瞭然でしょう。



 《リゴレット》@デレカント唱法をしなければこうなる ※ドイツ語歌唱
 
 イングヴァール・ヴィクセルによるお手本。



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コメント 3

ドクターT

あはは、デレカント唱法ですか(^^)
たしかに、フレーズの入りを極端にずり上げて歌ってますね(^^;
ドイツものでは絶対許されないのですが、ラテン系ですからね!
器楽の人は、嫌がりそうだけど…

もっとも、日本人歌手が良くやる、無意識の喉アタックによるずり上げは、聴いていて野暮ったいから、やめて欲しいです(^^;

 
by ドクターT (2008-10-27 21:22) 

しま

ドクターTさん>
ブランク先生の歌唱、楽しんでいただけて何よりです。
このデレデレ歌唱で、バイロイトにも出てたりするんですよ。
ちなみに、「デレカント」と「ずり上げ」は似て非なるものですので…w
by しま (2008-10-28 00:36) 

ドクターT

この唱法でバイロイトに…
ワグネリアンにも好評なのかな( *_*)


by ドクターT (2008-10-28 23:10) 

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