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ピーター・グロソップのリゴレット@イタリア歌劇団来日1971 [オペラの話題]

 ずっと探していた“グロ様”ことピーター・グロソップ(Peter Glossop)のリゴレットがYouTubeにアップされましたヽ(´ー`)ノ



 1971年、イタリア歌劇団来日時の貴重な貴重な映像です。
 この時のマントヴァ公はルチアーノ・パヴァロッティ。ジルダはルイーズ・ラッセル。殺し屋スパラフチーレはルッジェーロ・ライモンディでした。

(配役はkeyakiのメモ、メモ…こちらの記事を参照。情報量が豊富でいつも助かっています。ありがとうございます)

 演奏は私の好みよりテンポが遅く、聴いていてちょっとイライラしますが、グロ様の歌唱がモタついているのはいつものこと(笑) それよりも何よりも、全盛期のグロ様のムキムキ声に・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・

 リゴレットにしては身体もデカすぎると思いますが、パヴァ神はこの頃既に巨漢ですし、ライモンディも上背のある大男ですから、ちょうど釣り合いがとれていていいのかナ?


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 リゴレットは自称“イタリアの申し子”、ヴェルディ・バリトンのグロ様が最も愛した役ですが、残念ながらきちんとした録音が残っていないのです。

 抜粋盤が出ていますが、イングリッシュ・ナショナル・オペラの前身のサドラーズ・ウェルズ・オペラによるもの。当然ながら英語歌唱。グロ様の歌唱が素晴らしいことには変わりはありませんけれども、英語だと雰囲気が出なくって…。

 そんなわけで、今回のYouTubeのリゴレットは、グロ様のイタリア語歌唱による「詠唱:悪魔め!鬼め!」(笑)を聴く初めての初めての機会というわけです。

 自伝“Peter Glossop The Story of a Youkshire Baritone”には、'71年の来日のエピソードは語られていないのですが、ヴェルディ作品、そしてリゴレットについては丸々一章を割いてグロ様の熱い思いが綴られています。
 久々に発動するヨークシャー産エリンギ語訳で、その中の一節をご紹介しましょう。

 ボクちゃんは、リゴレットのジルダに対する愛情が行き過ぎていて不健全だなんてこれっぽっちも思ってやしませんっ!!(`・ω・´)

 リゴレットの娘への執着心は「恐れ」から生まれているンですっ。その「恐れ」は、マントヴァ公の宮廷の不道徳きわまりない環境からきているンですっ。

 (中略)

 リゴレットは、ただの痛ましい被害者ではありまセン。彼は勇気ある人間デス! 呪いに打ちのめされてはいたけど、これっぽっちも恐れませんでしたっ。そうデス、彼はスパラフチーレを雇ったンですっ、公爵を殺すために!
 殺しは恐ろしいことですケド、考えてもみてください! 公爵は、汚れた宮廷でリゴレットの娘を犯して笑いものにしたンですヨ!!

 ボクにも娘が二人います。この自伝を書いている今、娘は19歳です。ヴェルディのオペラのジルダより、たった3つ年上なだけです。もしも娘がレイプされたら――ボクはそいつを殺します――だって、そうでもしなけりゃボクの気が済みません――絶対に殺しマス!! (`・ω・´)



glo rigoletto.jpg どうどう…グロ様、落ち着いてっ……!! なんて言いたくなっちゃうくらい、最後の文面は興奮していますが、この自伝を著した頃(2002年頃でしょうか)はグロ様は二人のお嬢さんと離れ離れになっていて、孤独な老後を送っていたそうですから、ついつい熱くなっちゃったんでしょうネ。

 やはりグロ様にとって、リゴレットは特別に思い入れのある役だったということが、こんな部分からもうかがい知れます。
(写真は、衣装から察するに、'65年スカラ座でのリゴレットです)

 ところで、グロ様のリゴレットには演技上のちょっとした「泣かせ技」があったそうで、その秘密(?)も自伝で明かされているんです。

 曰く、「リゴレットが廷臣たちに床に投げ出されるところで、一呼吸間を置いて、ゆっくりと頭を上げて歌い始めると、そうでない時の10倍は感動的かつ悲劇的になる」のだそうで。
 なんでも、イタリアでリゴレットを歌った時もこの技を使い、後でテレビでその映像を見たティト・ゴッビ大先生が大絶賛してくれたなんて、グロ様、大いに自慢をしています。

 さっそく上記YouTubeの映像でチェックしてみたんですが……うーん……そうかぁ…?(笑) 一呼吸置いているというか、まぁ「溜めてるなぁ」って感じはしますが。まぁ、グロ様がそう言ってるんだから、やっているんだろうな。気持ちの問題かもしれないけど。うん。

 皆さんはどう思いますか?(笑)



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関連リンク
ピーター・グロソップ(Peter Glossop) -- 歌手として、父として…
グロ様の自伝3 -- 《ルイザ・ミラー》で嫁と共演 (イタリア・パルマ歌劇場での《リゴレット》デビューのエピソードあり)

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コメント 6

keyaki

グロ様、いいですね。
このくらいのテンポの方がコテコテのリゴレットというかんじでいいですよ。間髪入れずにブラヴォですもんね。

20名のリゴレット、すっごいですね。
一番古いのが1961年で、これもNHKなんですね。
ヴィクセルもいますね。

by keyaki (2009-05-18 02:46) 

ぶどう

さすがグロ様、なかなか高貴なリゴレットですね。
後半部、ちょっとデレカント入ってるんじゃない??
ただ、ちょいと息が絶え絶え過ぎて、ハラハラしますが(笑)

>ティト・ゴッビ大先生が大絶賛

どおりで、
「ゴッビのときとおんなじことやってるよ┐(´-`)┌」
と思ったんですよw
が、ゴッビの方がそこの感情よく出てました(*´∨`)

グロ様はエリンギ顔だから、リゴレットも良く似合いますよね。
毒きのこ毒きのこ。
カプ様はタマゴ顔(特に晩年)だから役によっては似合わないときも・・・。
by ぶどう (2009-05-18 10:47) 

ウタコ

>殺しは恐ろしいことですケド、考えてもみてください! 公爵は、汚れた宮廷でリゴレットの娘を犯して笑いものにしたンですヨ!!

モチツケw
そんなグロサマの暑苦しい思いが伝わってくるグダグダの歌唱です。70点
カツラが浮いてるので減点しといた。

カプ様は自慢の喉を頼りに浪々と歌ってしまっているね。負け犬の気持ちがわからず40点か。

プティ30点
なごむ。後半は単なる楽譜と化す。

ヌッチ90点
7割過ぎた頃に一瞬ふと我に返ってしまっているので減点しときます。

ヴィクセルちゃん3点
小動物だから3点あげるw
by ウタコ (2009-05-19 01:04) 

しま

keyakiさん>
リゴレット・コンテスト、楽しい企画ですよね♪
そうそうたる歌手陣の中にグロ様も入っていて嬉しいです。
やっぱヌッチは上手いですねぇ。グロ様もけっこう健闘していると思うんですが♪

ヴィクセルのリゴレットは、なんか毛色が違うみたいです(笑)
by しま (2009-05-19 23:46) 

しま

ぶどうくん>
モッサリ田舎臭いグロ様ですが、さすがは英国人ってことで、どこかしら気品が感じられるのかもしれないですね。
しかし、毒きのこって…失礼ねっヽ(`Д´)ノプンプン

>息が絶え絶え

グロ様の典型的な歌唱です(笑)
ルーナもミラーも、息継ぎはいつもモタついているんですよ(笑)
by しま (2009-05-19 23:49) 

しま

ウタコ>
おお、70点ですか♪ なかなかの高得点で嬉しいです。
しかしカツラ…浮いてる…? 頭が大きすぎるからかしら(笑)

最古映像(61年)のはプロッティ(通称プティ)のリゴレットなんですよね。
挙動が道化師のトニオと全く同じwwww

美声輝くカプ様は、リゴレットよりルーナの方が似合いますな♪ それに、これは演出がよくない。パッと見、「椿姫」かと思っちゃったよ~。
これじゃカプ様もやりにくいでしょう。

ヴィクセルは女の子にセクハラをはたらく役(スカルピアとか)じゃないと全然やる気が出ないみたいですね(笑)
by しま (2009-05-19 23:57) 

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