SSブログ

夢とロマンの「清らかな思い出は遠い彼方に」/19人のオテロ [オペラ録音・映像鑑賞記]

francescotamagnoasotello.jpg 19世紀生まれのアンティーク歌手たちによる《オテロ》、名場面集

 初代オテロのタマちゃんことフランチェスコ・タマーニョは老力士ながらけっこう頑張っているのでして、このCDでは登場の第一声「喜べ!」と、この「清らかな思い出は…」、そして「オテロの死」、それぞれの取組に参戦しているのです。

 惜しむらくは2幕の二重唱、「大理石のような大空にかけて誓う」の録音が無いこと……と思っていたら、ありました! 1903年のもので、なんと2007年にリリースされるまで存在を知られていなかったのだそうです。

104年後に日の目を見た録音。《オテロ》初演から数えると120年になりますね。これを「夢とロマン」と呼ばずして何と呼ぼう?

 イァーゴを歌うのは、兄弟のジョヴァンニ・タマーニョではないかと言われています。あんまり上手くないけどね…。

 右上の、オテロに扮したタマちゃんの画像をクリックすると、YouTubeの該当音源に飛びますので、ぜひぜひ聴いてみてください。

後悔唖然としますぜ(笑)

 で、かなり話が逸れましたが、今回取り上げるのは、2幕中盤のオテロの独白、「清らかな思い出は遠い彼方に」。イァーゴの毒が効きはじめ、デズデーモナに対する疑惑がじわじわと膨らんでくるシーンです。デズデーモナを信じたいが、既に疑念のほうが圧倒的な真実としてオテロの心に侵食してくる。
 勇壮な行進曲風の伴奏が付きますが、オテロ歌いの皆さんには大声だけではなく、内面の苦しみもうまく表現してほしいものです。

 そして私イチオシのレナート・ザネッリがぐっとアピールしてきたのもまさにここから。YouTubeにも上がっていますので、ぜひぜひ聴いてみてください。(こちらは普通に良い!です)

続きを読む


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。