SSブログ

トーマス・アレンの『コシ・ファン・トゥッテ』@ラトル盤 [アレンの録音・映像鑑賞記]

 気持ちを奮い立たせるために購入した兄さんの去年の“コジ”DVDですが、1幕で撃沈されたまま続きを観る気が起こりません。演出があまり好みでない上、兄さんの声が出なさすぎです。調子の悪い兄さん映像には既に慣れっこになってしまいましたが、さすがにあれは……orz

 まぁ逆の意味で渡英気分が更に高まったので当初の目的は果たせたわけですが、お蔵入り寸前のDVDはどうすればいいんでしょーか。
 高かったんだぜ。金カエセ~ヽ(`Д´)ノ(←頑張って観れば済むことです)

cosifantutte 仕方ないのでCDでガマンする。こちらは96年のラトル盤で、もちろんアレンはアルフォンソ。10年前の録音なので、声もまぁまぁというところ。

 ですが、コレも微妙に不完全燃焼なCDなんですよ。いやご本人はどうだか知らないけれども、ファンとしては聴いていて物足りない。器用さと余裕が感じられるし、洒落臭ぇ歌唱も30~40代の頃と変わらないのだけれども。
 ネタにするほどのオモシロ歌唱じゃないからですかね。鑑賞前に「アレンを聴くゾ~!!」と入れた気合が軽~く裏切られた気分になってしまうのですよ。私も基本的には、オペラには「大声」を期待しているので、そういう意味では兄さんには裏切られっぱなしです。

 なんというか、アレンをアレンたらしめている(?)ガツガツした様子が少ないんですかねぇ。有名テノールを押しのけて主役ヅラしてやろうとか、オペラ歌手並みの大声を出そうと目玉が飛び出そうなくらいムキになるとか。そういうやんちゃなイメージが年をとるにつれてなくなりつつあるような。
 聴いていてちょっとカチンとくるようなナルシ歌唱がこの人の持ち味なんだと思うのですが……。少なくともこのCDではあまり暴れず、お利口さんに聴こえるアレンなのです。

 グリエルモがアルフォンソになり、兄さんもジイさんになっちゃったって感じですか(そういや、孫が4人もいるんですと)。
 まぁ歌が上手いからいっか。

 今年のアルフォンソはどうなんでしょうか。去年のDVDを観る限りでは、「声さえまともに出てくれれば何でもいい」って思っちゃいますケド。
(生でハラハラすることこそ兄さんファンの醍醐味、という説もありますな)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。