再回答 ■好きなオペラ歌手に関する50+αの質問■ [オペラの話題]
いつも記事で語っていることを凝縮しているだけですので、あまり目新しくはない――というか、例によって怪しいお花畑モード(薔薇とドクダミがごちゃ混ぜに生えているような)に入っていますので、お食事中の方はご注意ください。
じーちゃんブロードウェイへ行く -- 《キャンディード》04年NY [アレンのミュージカル]
把握しているところでは、コール・ポーターの《キス・ミー・ケイト》(録音)や《スウィニー・トッド》(舞台出演)など。そろそろ主要なオペラ作品のコレクションが一段落しそうですので、退屈な歌曲の世界へ足を踏み入れる前に、こちらの分野でのアレンの情報もまとめておこうと思います。
オペラブログのくせにミュージカル・ランキングに居候させていただいているのも、そういう背景があるんでして。
さて。おそらく最も最近のミュージカル出演であろうと思われますのが、2004年にNew Yorkはエヴリ・フィッシャー・ホールで上演された《キャンディード》。アレンは、ナレーターとパングロス博士役で出演しています。
この公演はDVD化されていますが、アメリカ産ですんで、例によってリージョンコード:1の壁に阻まれ、鑑賞するに至っておりません。コレクターとして一応手に入れるだけは手に入れておいて、追い追い試聴できる環境を整えれば良いのでしょうけど。
今年3月にはNHKのウィークエンド・シアターの放送もあったそうです。が、TVを持っていない私が観れるか、ンなもん!!ヽ(`Д´)ノ あやうく主義を曲げて家電量販店に走りそうになったのですが、その前に、YouTubeにこの映像のいくつかが大量アップされるという幸運に巡り会いましたので、なんとなく舞台の様子を知ることができました。
iPodに投入して、通勤電車の中で細切れに鑑賞してマス。もーぉ、涙ぐましいと思わない?
こちらが序曲↓↓
若い出演者にまじって偉そーにしているじーちゃんの姿をしかとご確認ください。
《キャンディード》という作品じたいはほとんど知らなかったのですが、序曲は吹奏楽曲としても大変有名ですね。コンクールなどで演奏したという方もいらっしゃるかもしれません。
初代マルチェッロはグロソップだった!! 《ラ・ボエーム》@’74年プレミエ [オペラの話題]
⇒コチラ
今回初めて知ったのですが、初演は1974年だったのですね!!
なんと、今年で34年です。この息の長さに匹敵するのは、40年以上続いたゼッフィレッリの《トスカ》くらいなものだとか。こちらは2006年に新演出に差し替えられましたが。
この《ラ・ボエーム》以外にも、コプリーの演出は長きにわたって愛されたものが多く、《フィガロの結婚》が21年、《コジ・ファン・トゥッテ》が24年とのこと。
こちらの2演目は、今年と昨年にROHで観る事ができましたが、演出はそれぞれデイヴィッド・マクヴィカーとジョナサン・ミラーでした。どちらの演出も素晴しいものでしたが、《ラ・ボエーム》でのコプリーのシゴトがお気に入りの私ですので、彼のフィガロとコジも見たかったな~なんて、今となっては思います。
コプリー曰く、「奇抜な演出が多い昨今では、私なんぞ“生きた化石”でしょう。ドイツのオペラ界では一笑に付されてしまうでしょうが、ここROHでは、プラスチックの袋やゴミ箱よりも華麗な舞台を求めている観客が大勢いますから」だそうで。
前衛的な演出であってもセンスが良ければ歓迎ですが、こっぱずかしいくらいにロマンチックな《ラ・ボエーム》ですから、やっぱりコプリーやゼッフィレッリのようなベタベタな路線でやっていただいて、私を赤面させていただきたいです(笑)
ところで、今年のROH《ラ・ボエーム》を直接ご覧になったヴァランシエンヌさんより、プログラムに載っていたプレミエの写真に、グロ様の姿がありましたよ!!との通報をいただきました!!
えええっ!? この演出の初代マルチェッロって、ピーター・グロソップだったの(*゚Д゚)!?
大慌てで調べてみたところ、あっけなくわかりました。
1974年2月6日、初演時の主要キャストはこちらです↓↓
アレンの《ラ・ボエーム》もオンデマンド・ストリーミング――部分的に(笑) [オペラの話題]
期待していた割にはケチくさく、音質も画質も良くなかったというオチがついていたものの、なかなか画期的な試み。ネット環境さえ整っていれば、DVDになる前にタダで話題の公演が観れちゃうんですから。
本来なら、劇場に足を運んでもらって直にお金を落として盛り上がってもらいたいはず。宣伝用のクリップを貼る程度なら昨今は当たり前でしょうけれども、まるまる一公演を見せちゃうなんて、ものすごい大盤振る舞いだと思います。
チューリッヒ中央駅でのTVオペラの成功例も記憶に新しいですし、オンデマンド・ストリーミングによるオペラ鑑賞の機会は今後ますます増えていくでしょう。インターネット進出によって、オペラ界がどのように変化していくのか、ファン層がどのように広がっていくのか、とっても気になるところであります。
気になってはいるものの、
「ウチで応援しているじーちゃんにはあんまり関係ないわよね……。ネットどころか、今時TVの悪口を言っちゃうくらい時代錯誤なじーちゃんだもの……。公式サイトだって当然ながら作ってないしサ……(´・ω・`)」
な~んて、ちょっとイジケていたんですけど。
りょーさんのブログで話題になっていたので、クーラとハーフヴァーソン目当てでROHビデオのページに飛んでみました。
そしたら、あらま、あるじゃないの~!! 若き日のアレンが“ふさふさ”やってる《ラ・ボエーム》のクリップが~(*´∨`)
たった3分足らずの、既に商品化されちゃった
たまたま10/18まで、この演出の《ラ・ボエーム》を上演していましたからね。たったの4公演でしたし、わざわざ新しいビデオを作る暇も金もねーよってな理由で、この映像を使ったにすぎないんでしょうけどー。
もう公演も終わっちゃってるので、そのうち消えちゃうと思いますけど;;;
でもお陰さまで、私も(アレンも)、オペラ界の旬の話題にからむことができたってわけ♪ 1ステップ出遅れがちなのは、まぁいつものことなんですけどね(笑)
人気のDVDですが、まだの方がいらっしゃったら是非ともご覧になってみてね。酸欠で倒れる寸前(?)のニール・シコフ(ロドルフォ)のイッパイイッパイな歌唱と、イレアナ・コトルバス可憐なミミを聴けます。
↑の画像の“熊男”ことコッリーネに扮するのはグウィン・ハウエル。
この演出の初代マルチェッロだったピーター・グロソップと、初演時からコッリーネを歌っているベテランです。
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関連記事リンク
◇新旧のROH《ラ・ボエーム》-- レビューが出てます
◇ROHの《ラ・ボエーム》 -- アレンの“ふさふさ”マルチェッロ
◇チューリッヒ中央駅の《椿姫》 -- “イベント”というより、むしろ堂々たる“上演”
ダブル・アレンの《ジャンニ・スキッキ》再演されます [アレンのニュース]
“灯台下暗し”とはこのことで、じーちゃん来日情報をゲットしようとジタバタしている間に、重大なニュースを見落としていました。ソースはエージェントの「最新情報」です。
ウッディ・アレンの抱腹絶倒かつ大胆な演出で話題になったLAオペラの《ジャンニ・スキッキ》ですが、なんと、このプロダクションが来年のスポレート音楽祭で上演されるそうです。
タイトルロールのジャンニ・スキッキはもちろん、我らがじーちゃんトーマス・アレンよ。
やったぁ~、そうこなくっちゃっ!!(人´∀`).☆.。.:*・゚
(↑09/11/3訂正:ごめんなさい。アメリカではなく、本家本元イタリアのスポレート、ドゥエ・モンディ祭のほうでした。半年以上ネット落ちしていたので気付くのが遅れたのですが、訂正記事はこちらです)
そして更に嬉しいことには、ホームグラウンドであるROHでもジャンニ・スキッキを歌うことになったとか。
も~ぉ、そうこなくっちゃ~。・゚・(ノ∀`)・゚・。
こちらの演出はリチャード・ジョーンズによるものなので、髪ド真っ黒なマフィア・スキッキではありませんが、ジーンズ姿のアレンというのもなかなかの見モノかもしれません。
(写真は、エレナ・ツィリオのツィータとブリン・ターフェルのジャンニ・スキッキ)
あーもう、アレンのスキッキなら何でも良いワ~♪(*´艸`*)
できれば両方観たいので、頑張ってお小遣いをためなくっちゃ。このニュースのお陰で12月のROHの《ヘンゼルとグレーテル》、自信を持ってスルーできます!!(`・ω・´) (←実はかなり未練があった)
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◇アレンの《ジャンニ・スキッキ》関連記事リスト
・アレンのジャンニ・スキッキ(08年9月L.A.)
・ジャンニ・スキッキ聴き比べ -- 芸達者アレン vs 大名人ティト・ゴッビ
【デレカント唱法】/歌唱用語 [オモシロ歌唱事典]
初出:ブランク先生の『椿姫』/Le Chant Francais1948-1965
オモシロ歌唱技法の一つ。当ブログの造語。
フランスの往年のヘルデン・バリトン、エルネスト・ブランク(Ernest Blanc 1923~)独自の歌唱法を指す。過剰なレガートにより、デレデレとセクシーに聴こえることから、イタリア・オペラの歌唱用語「ベルカント」をもじってこう呼ばれる。
技法としては強調された「レガート(連続する2つの音を途切れさせずに歌うこと)」に分類されるが、ブランクの歌唱においては、必ずしもスコアにその指定がされているとは限らない。また、2音の繋がりではなく、フレーズの最初の音の入りにデレカントを入れてくる例も多いため、「レガート」ではなく単なる「歌い癖」としか考えられない節もある。
が、この特徴的な歌唱法が、時に「あっは~ん」「うっふ~ん」と悶えているかのようなお色気ニュアンスを添えるとして、現在にいたるまで一部のマニアックな聴き手の間で根強い人気を誇っている。
レオ・ヌッチの「ずりあげ歌唱」とは、お色気の有無で一線を画す。
専門用語ではないため、この用語の一般使用は勧められない。
今ではすっかりアレン一色になっていますが、もともとオペラのブログを始めたのは、ブランク先生の歌唱について語りたかったためなのでした。
初心に戻って、大盤振る舞いしときます。
↓↓「デレカント唱法」のサンプルはこちら↓↓
新旧のROH《ラ・ボエーム》-- レビューが出てます [オペラの話題]
なんと、22回目(!!)のリバイバルだそうで、写真で見る限りにおいてアレンが歌っていた頃の舞台セットと細部までまるで変わりゃしません。衣装もほとんど同じですねぇ。
ロンドンのお客さんはいい加減に飽き飽きでしょう。にもかかわらず、しつこくコレを続けているのは、過去にパヴァロッティやらフレーニやらカレーラスやらリッチャレッリやら、そうそうたる名歌手たちがこのプロダクションで歌ったということで、「観光客向け」というか、私みたいに「いつかROHでこのボエームを……!!」なんて考えている外国人のオペラファン向けのサービスなのかもしれませんね。
←は82年版の同シーン。第4幕での決めポーズです。
人物の立ち位置が違うだけで、雰囲気はまったく変わらず。
そうそう、人物の位置と言えば……。第4幕に出てくる真っ裸のおネエちゃん。ええ、「風景画を描きたい」なんてほざきながらマルチェッロが連れ込んでいるヌードモデルね。下世話な私はこのシーンが大好きなのでありますが、82年では観客に背中を向けているだけで、いちばんオイシイところはアレンにしか見えないようになっていますけどw、さすがにこれでは刺激が足りない!! ということで、最近では横向きに座っているそうですよ♪ 実演を何度もご覧になっている椿姫さんに教えていただきました。
私が実演を観る頃には、前を向いて座ってくれていることを切に願うものであります。
歌手たちもなかなか好評のようです。
まず、私が目をつけている若手バリトン、クリストファー・マルトマン。幼稚園児みたいなスモッグを着ている画家マルチェッロですが、いつも通りテキトーな訳ですみませんが、“プッチーニがこの役に意図した多面性”をよく打ち出していた、なんてあります。
歌唱は特別オモシロいわけではありませんけど、飄々としたパパゲーノを見て以来、どうも気になってしかたがないマルトマン。彼のマルチェッロを見たいような……でも見ちゃったら、アレンへの愛がいきなり薄らいでしまいそうでちょっと避けておきたいような……。キ、キケンだわ(笑)
そうそう、MusicalCriticism.comにマルトマンのインタビューがあるのですけど、その中で「アレン演出のドン・ジョヴァンニ」について触れている部分があるので、暇な時に紹介させていただくかもしれません。
そしてウチのブログのゲストであるところのアレクサンドル・ヴィノグラードフ@ヴィブラート震度6の君も、「外套のアリア」が素晴らしかったとのこと。いくらこのプロダクションの歴史が長いとはいえ、こんなに童顔でかわいらしいコッリーネはお初でしょう。
でもねぇ、感動的なアリアのシーンで、ヒゲ剃りクリームはいけないわ(笑)
大きなお世話かもしれないけれど、おばちゃん、調べてみたのよ。
ヒゲ剃りクリームは、ココ……↓
4人でダンスを踊る直前に、マルチェッロに拭いてもらえばいいのよ。
10/15追記 2日目の公演をご覧になった椿姫さんのレポによると、なんとヴィノ君、またもやヒゲ剃りクリームをつけたままだったそうです。おっちょこちょい疑惑から一転して、「わざと」疑惑が浮上しますた(笑)
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ROH《ラ・ボエーム》関連記事リンク
◇ROHの《ラ・ボエーム》 -- アレンの“ふさふさ”マルチェッロ
ピーター・グロソップ(Peter Glossop) -- 歌手として、父として… [オペラの話題]
投稿者はグロ様の長女のアンバーさんです。お葬式の告知以来、ネットで上で名前をお見かけしませんでしたので、どうなさっているのかなぁと思っていました。ちょっと安心しました。
赤ん坊時代から晩年に至るまで、舞台写真だけでなく私生活の貴重なスナップの数々。全盛期の歌唱を聴きながら、孤高のバリトン歌手の80年の人生を振り返ることができます。よくぞここまで披露してくださったものだと、ファンとして感謝の気持ちでいっぱい。
BGMとして使われているのは2曲。《エルナーニ》のドン・カルロのアリア(モンセラート・カバリエやボリス・クリストフと共演している、69年のライブ録音だと思います)と、《椿姫》から「プロヴァンスの海と陸」。
どちらもヴェルディバリトンのアリアとして大好きな曲ですし、グロ様の「プロヴァンス…」を聴いたのはこれが初めてだったので、とても感激してしまいました。
舞台写真もいろいろありますが、当時の衣装って何の説明がなくても「あー、これはリゴレットだ」とか「ルーナか?」とか「どう見てもイァーゴだな」とか、何となく分かってしまうのが面白いですね。まぁ殆どがリゴレットなわけですが(笑)
そして、途中で出てくるカーテンコールの写真(ファルスタッフの直前。1分17秒あたりの2枚)。これはおそらく、イタリア歌劇団日本来日時のものではないでしょうか。向かって1番左の背の高い人がスパラフチーレを歌ったR・ライモンディではないかと勝手に思っているのですが、keyakiさん、いかがですか?
【オホホホ唱法】/歌唱用語 [オモシロ歌唱事典]
初出:サー・トーマス・アレンのリサイタル/Wigmore Hall 7/7
オモシロ歌唱技法の一つ。当ブログの造語。
アジリタ(細かくて速いパッセージ)を歌う時にレガートでやらずに、つまり音を繋げずに、音符の境目に子音「h」を入れてしまう歌い方の総称。例えば、母音「o」を伸ばしながらこれをやると「オホホホ」と言っているように聞こえる為にこう呼ぶ。
母音によっては「イヒヒヒ(母音 i )」「アハハハ(母音 a )」と聞こえることもある。
アレンは特に「オホホホ」が目立つ。アレンの場合、アジリタが短いと咳払いをしているようにも聞こえるため、そこから「咳払い唱法」という呼び名も派生した。
専門用語ではないため、この用語の一般使用は勧められない。
せっかく音声ファイルのたくさん上げられるso-netに引っ越してきたので、以前から密かに計画していた「オモシロ歌唱事典」の編纂に着手してみます。ハイ、ウチはネタblogですから(笑)
さて、音の境目に「h」が入る歌い方は、べつにアレン独自のものではなく、こういう歌い方をしている歌手は普通に大勢いらっしゃいます。声楽の先生によっては「駄目」という方もいらっしゃるようですけど、私は歌をやっていないので実際のところはわかりません。
「h」が入る歌い方と入らない歌い方を使い分けていると思われる歌手もいますし、頑なに入れない(ように頑張っていると思われる)歌手もいます。ちなみに私は入らない歌い方のほうが好きですが、アレンがやるとオモシロいのでチェックポイントにしています。
アレンは本当に「オホホホ」「オホホホ」うるさいんですけど、ごくたまに意識的に音を繋げて滑らかに歌っている録音もあるのでして、 そんな時には「やればできるじゃないの~ォ(*゚Д゚)」なんて大騒ぎしちゃいます♪
↓↓「オホホホ唱法」のサンプルはこちら↓↓
keyakiさん、チェックお願いしますm(_ _)m ←他力本願
ポケモン図鑑 -- 我が家のご贔屓歌手たち [オペラの話題]
基本、この人たちについての覚え書き、感想が多いです。
アンティーク(19世紀生まれ)やヴィンテージ(20世紀初頭~20年代生まれ)、おじいちゃん世代(30年代~40年代生まれ)の歌手が多いです。やや保守的ですが、懐古主義者ではないつもりです。
(しょっちゅうではありませんが、最近の歌手たちのも聴いています)
ポケモンたちの画像をクリックすると、それぞれの登場する記事一覧へリンクします。